2日ですが3更新分です。
ローズ「そうだ、誰がよかったかな……保健室……じゃ、私がまずいし……そうだ、ライカさん! こういうときのライカさんだ!」
カスミ「……ここが、ドラッケン?」
さくや「久しぶりね……いや、今はそんなことを言っている場合じゃないわ。……ローズ……って動きが早いわね……言う前に動いてるわ……普段からこうやって動けば助かるのに……」
アサミン「さくや、交代お願い。」
さくや「ああ、もうそんな時間なのね。わかったわ。」
アサミン「……まさかまたあんたとこんな共同作業、やることになるとは思ってなかった。」
さくや「わたくしも。こんなことがない限り、協力する気もないものね。」
アサミン「何よまったく。同じこと考えてて嫌になるわ。」
さくや「あらそう? わたくしもそう思っていてわざわざ言ったのよ?」
なつき「こらこら! ゆづき先輩の横で何言い合ってますか! 少し黙るですよ!」
アサミン「嫌よ、なんでさくやと黙って2人でいなくちゃいけないのよ。言い合っている方がまだ気が楽よ。」
さくや「あらそう? 静かな方が貴方が雰囲気に飲まれてくれるからわたくしはやりやすいのよ? だから黙って?」
アサミン「そう。じゃあ絶対、黙らないわ。」
なつき「……な、なんなんですか、この2人は……」
ローズ「お待たせしました~! こっち、こっちですよ、ライカさん!」
ライカ「おや? そっちの黒髪か? ……ゆづきじゃないか。よくみるとそっちの2人はさくやにアサミン。何、お前ら、まだ組んでたのか?」
さくや「ライカ……ああ、悪くはない人選ね。ローズにしては。」
アサミン「確かに。下手に大騒ぎにならなくていいわ。何で知り合いなのか引っかかるけど。」
ローズ「えっ!? お知り合いだったんですか……ううぅ……失敗しちゃったよ……」
ライカ「ローズがアタシと知り合いってのは二の次だろ? ほら。つれてこい。お前ら2人が応急処置したんだろ? ならそんなにあわてることもなかった。だが、それは結果論だ。その怪我の経緯は気にはなるしな。こっちへ来い。アタシが手続きを取ってやる。」
アサミン「助かるわ。ドラッケンの滞在手続きって面倒だから……」
ライカ「曲がりなりにも首都に近い、王族まで通う学校とその城下町だからな。仕方があるまい。おい、そっちの2人も来い。何ボッーとしてるんだ。」
カスミ「えっと、なにが、どうなって??」
なつき「安心するです。完全においていかれてるのはカスミだけじゃないですよ。なつきもです。とりあえず着いていくです。ほら、周りもそろそろ騒ぎ出す頃ですし。」
カスミ「そ、そうだね!」
??????「……あれは、ローズに……あの青髪の子は……ふふっ、なんだ、戻ってきてたんだ。」
ライカ「器用なものだな。骨が折れないようしっかり急所は外してる。……外してくれた、のかもしれないけれどな?」
ローズ「……許婚相手だったから、手加減してくれたって、思いたいです……」
カスミ「え、先輩、許婚と戦ってたの!?」
アサミン「さくや、ゆづきの許婚の話。知らないわよね?」
さくや「残念ながら。そもそも先輩は記憶喪失になる前から過去を自分から話すような方ではありませんでしたし。」
アサミン「そうよね……しかし、まいったわね……そのことについて話そうにも全然情報がないわ……」
なつき「何がどうして、戦うことになったのか、ぐらいまではローズが知ってるはずですが?」
ローズ「……あれは私もよくわからなかったからなぁ……途中から先輩が一人で話し進めだしたし……」
さくや「ローズ、待ちなさい?」
アサミン「ゆづきが一人で進めるって……どういうこと?」
なつき「大概受身な人ですからねぇ。どうしてそんな流れになったのかが知りたいのですよ。」
ライカ「ああ、それは確かに気になるね。相手任せにしちまう癖があるゆづきが一人でなんて珍しい。」
ローズ「単に、みなづきさんの横暴さを思い出して激昂しちゃった、みたいな……」
カスミ「……ローズちゃん。それ凄く重要なことって、わかってて言ってる?」
ローズ「え?」
さくや「ローズ、ゆづき先輩の記憶が戻った!? 何処から何処まで?」
アサミン「ほら、吐きなさい! 思い出したゆづきは何言ってたの!? 最後の言葉もそういう意味なの!?」
ローズ「ああっ! 2人がかりで掴み上げないでください!! 本人曰くみなづきさんのことだけですから! 最後の言葉との関連は全然わかりません!!」
さくや「……そう。」
アサミン「そのこと、だけなの。」
ローズ「そ、そんなしんみりしなくても! ほら、ゆづき先輩、命に別状はないわけですし。本人にいつでも聞けるじゃないですか!」
さくや「それも、そうね。」
アサミン「確かに。生きていてくれて本当、よかったわ……」
なつき「本当ですよ、まったく。さて……ライカさん、ありがとうでした。」
ライカ「別に構いやしないさ。人を助けるのがドクターなんだから。」
なつき「ゆづき先輩の治療、時間かかるですよね? なつきたちそれまでドラッケンにいなくちゃいけないのですが、どこかいい宿知らないですか?」
ライカ「ん? そういうことなら入院患者の家族用の部屋でも借りるといい。パーティーなんだろ? アタシの名前出せばすぐに用意してくれるはずさ。」
カスミ「え!? いや、そこまでさせるのも悪い気が……」
ローズ「あ、あー そうですよね。ライカさんにご迷惑かかっちゃいますよね……1人でも少ない方が、いいですよね?」
カスミ「ローズちゃん?」
ローズ「えっと。じゃあドラッケンにいる間は。私は私の部屋で寝泊りしますよ。確かまだ引き払ってないはずだし……」
なつき「? 引き払ってない? ドラッケン出身ってのはまあありだと思うですけど、プリシアナに通うなら引き払っちゃう方が経費浮きますよね? どうして引き払わないですか?」
ローズ「え、えっと! それはその……」
ライカ「はぁ……そいつは自分の事情が話し辛い、そんな複雑な事情があるのさ。許してやれ。あとアタシの事なら気にしなくていいからな? 使うといい。いや、むしろ使え。経費を過剰請求して懐に入れれる。最近怪我人が少なくて生活費が苦しかったからなぁ……助かるぞ。」
ローズ「また教師の人から反感買いそうなことしちゃって……ミーシアをまた困らせてどうするんですか……」
ライカ「ハッ、あいつのためにやったといえば黙るさ。だから、お前らは気にするな。」
カスミ「すみません……」
なつき「そうと決まったら、ドラッケンの中でも高そうな宿選んでさっさと手続きに行くですよ~ ささ、いくですよ、ローズ、カスミ!」
カスミ「え? さくや先輩とアサミン先輩はおいていくの?」
なつき「置いていかないとうるさいです。」
さくや「……待ちなさい、わたくしも特別にいってあげるわ。」
アサミン「私も本来、自分でこういうことはあまりしないけど。特別にやってあげる。感謝しなさい。」
なつき「……なんか、さくや先輩が2人いるようです。なんですかこれ。なつき、これの面倒見るんですか?」
アサミン「口が減らない子ね……!」
さくや「なつきは本当、口が減らないわよ? ……まったく、とっておきの話でも怖がらないからやっても面白くもないし。」
アサミン「……あんた、相変わらずあれやってるの……?」
さくや「悪い?」
アサミン「好きなら勝手にすればいいけどあんただってあの類の話って別に好きなわけじゃないでしょ?」
なつき「その話は初耳です! ぜひその話を聞かせてくださいです!」
さくや「アサミン……?」
ライカ「……相変わらずはお前等だろうが……」
さくや「……そういえば。」
アサミン「何? さっさと行かないとおいていかれるわよ?」
さくや「砂漠の時は、取り乱したりして、ごめんなさい。」
アサミン「……」
さくや「な、何?」
アサミン「あんたが同じ事で2回も謝罪するなんて思ってなかったわ……どうしたのよ?」
さくや「あれは……取り乱してたのに気づいてて、言ったのではなくて? わたくしもあれはただ、反射的に」
アサミン「確かにあんたが1人になるのが怖いって思ってるのは知ってるから言ったわよ。叩いたわよ。でもあの状況で私があの行動を取るぐらいのこと、ゆづき達と組んでた時に気づいていたと思っていたけど? どうしてそこまで気にしてるのよ。」
さくや「……だって、わたくしは……」
アサミン「エントランスの会話。あんた、あの時本気で私を追い詰めにきてなかった? それこそ周りを気にせずに。砂漠の件をそこまで気にするぐらいだったらあんな会話はできなかったわよね? 本当、どうしたの? おかしいわよ?」
さくや「……わたくしがおかしいのは、以前から。……もういいわ、行きましょう。」
アサミン「自分から振っておいて何よ! まあ、これ以上話したくないならいいわ。聞かないから。」
おまけ
アサミン「しかしあんたも変わらないわね、さくや。」
さくや「変わりようがありませんから。」
なつき「そうでしょうか? 以前より人に絡むようになったと思うですよ。」
アサミン「人見知りなのよ、こいつ。知り合い相手だと容赦しないの。そう。知り合い増えたの。よかったわね。」
なつき「ああ、人見知りだったのですか。納得です。」
さくや「必要以上に人と関わらないだけよ……勝手に納得して同情しないで……」
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SNS版ではカスミと同色になっていた新キャラですが今回あえて別色に。
ライカはユッキーと複雑に絡みますが彼はローズとカスミの2人なのでその中間にしてあげました。