この話は本来1更新構成でしたがあえて今回2つに分割しました。
その為、かなりの量の加筆が加えられております。
ライカと別れドラッケンから断たれた絆の道をプリシアナに向け進行する一行。
しかしそこである異変に気がつく。
ニーナ「……ここの仕掛け。何故全て、戻っているのでしょうか?」
ブレーミー「確かにおかしいね……前回通った時に全部解除したはず。」
ニーナ「このような設定なのでしょうか?」
シアン「ここって初めての奴が通る際に門番が弄る仕組みだからわざわざ戻す理由がないはずなんだけどな。どうしてだろ?」
ブレーミー「誰かが、戻した?」
シアン「何のためにだよ?」
ユッキー「……そういえば。」
ヨシマーサ「ん? どうしたんです、兄貴。」
ユッキー「入ったとき。俺達は扉を閉めただろう。……鍵まで、締まらなかったか?」
ブレーミー「それはないでしょ。そもそもドラッケン側から締める理由なんてないじゃん。」
ユッキー「そう、だよな。」
ヨシマーサ「気になるなら、一度戻りましょうか?」
シアン「そうだな。もし締まっちまってるならまずいし。」
ユッキー「……うむ。」
ブレーミー「えー 戻るの? 締まってようと締まってなかろうと一度プリシアナ側まで進みきれば開く仕組みなんだから進もうよ。」
ニーナ「もしも途中で戻りたくなった時のためにも、確認しませんか? 今ならまだそれほど離れていませんし。」
ブレーミー「まあ、戻るなら今しかないかもね……しょうがないなぁ。」
ショーゴ「おい、お前ら、オレは……こら、こら待て!」
ブレーミー「んーーー! だ、だめだ! 締まってる!」
ショーゴ「誰だ、こんないたずらをする奴は!」
ユッキー「……やはりあの紫色の髪のエルフ……見間違いではなかったか。」
ヨシマーサ「へ?」
ユッキー「ライカ姉の知り合いのエルフだ。フローライトという。……ライカ姉と喧嘩でもしたのかも知れんな。俺へのあてつけでこのようなことをしたのかもしれん。」
ブレーミー「な、ななな! 酷いよ! そんな理由で!」
ニーナ「本人にやればいいものを……何故、ユッキーさんなんでしょうか……」
ショーゴ「こういう場合、本人より周りを巻き込んだ方がダメージを与えられる事もあるんですよ。」
ブレーミー「ショーゴにカスミちゃんネタとか?」
ショーゴ「実際にやる気なら許さんぞ?」
ブレーミー「やるわけないじゃん! ボク、ショーゴにもカスミちゃんにも恨みなんてないよ! 恨んでる相手はさ、確かにいるけど。」
ニーナ「恨んでいる、相手?」
ブレーミー「あー……さっきのは聞かなかった事にして。それで、ユッキー?」
ユッキー「すまんな……」
ヨシマーサ「それは兄貴のせいじゃありませんって……ブレーミー。お前な、兄貴が悪いわけじゃないってわかってて振っただろ?」
ブレーミー「でも誰かに当たんなきゃこんなのやってられないじゃんか!」
ユッキー「ヨシ、ブレーミーの言い分も一理ある。ここは俺が甘んじて受けるのが一番角が立たんやり方だ。」
ユッキー(しかし、こんな子供じみたやり方をする奴でもない……あいつめ、何が目的だ?)
ショーゴ「だがどうする。このままじゃ埒が明かん。」
ニーナ「少々、面倒ですが……仕掛けを解きながらスノードロップまでいき、このことをドラッケン側に伝えてもらうしかないかと……」
シアン「うは……前来たときも何度も野宿したよな。今回もそうなるのか……」
ブレーミー「しょうがないよ……敵の強さだけはもうなんとかなるし。あせらずいこう?」
シアン「そうなると……ニーナさん、大丈夫か?」
ニーナ「え、どうして?」
シアン「前着たとき結構疲れてたろ。疲れたら言えよな。今回も長くなりそうだし。いいだろ、ブレーミー。」
ブレーミー「えー ボクとしては早く抜けたいんだけどな。」
ニーナ「……シアンさんは、優しいんですね。大丈夫ですよ。前回はレベル上げもかねてたわけですし、今回は毎回踊らなくてもいいですよね? 毎回踊らなければ、あそこまで疲弊もしませんよ。」
ブレーミー「まあね。戦闘が長引きそうなら癒しの踊りを踊ってよ。多分それで大丈夫。」
ユッキー「俺達も極力魔法は控える。回復に回せるよう常に魔力量には気を使おう。」
ヨシマーサ「ゆっくりでも確実に前に進めるのが一番早いってこった!」