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2011年2月12日、13日に公開しました第1PT第15話分です。
2更新分でこのあたりとしてはやや短い話となります。
第1PTのメインが先々週までの第2部であるため、
ここから先のプリシアナ編第1PTは短めです。

----↓ここから↓----

マクスラーク「……むぅ。」

タスク「ん? どうしたんだ?」

マクスラーク「通じない。ブレーミー君に通じない。」

ちあき「え……?」

マクスラーク「何、ドラッケンから離れている可能性はある。しかし……彼女達は人を待っていたはず。何故、外に出る必要がある?」

ミュール「ま、まさか! あいつが手を出したんじゃ!」

ちあき「あいつ?」

ミュール「……もう隠し事は無しって、言ったっけ。ほら、マクスラーク。勧誘作戦の話したでしょ? あれさ。ドラッケンにも当然いるのよ。一番性質が悪いのが。」

マクスラーク「……!? いや、だが、ドラッケンは! ドラッケンでそのような話は……!」

ミュール「そうでしょうよ。あれが『性質悪い』理由はそこだもの。本当ならあんなのこの作戦に投入すべきじゃないんだけど……表の生徒会長代理が動くなら、裏の生徒会長も動く許可が出ないと公平じゃないって、言われちゃってね。どうしようもなかったのよ。」

タケシ「……あんたも、十分変人っすけど? もっと変人ってことっすか?」

ミュール「そういう意味の『性質』じゃないわよ。変人の方がよっぽどましね。」

ちあき「……ミュールにそこまでいわせるって、只者じゃないわね、その人……」

タスク「確かに。ミュールなら自分と比べて比較すること多いもんな。そのミュールが自分すら出さないなんて、相当なんだろうな。」

ミュール「待って。なんかその流れだとあたし、相当変人みたいよ? おかしくない?」

ちあき「……ごめんなさい、このメンバーでマクスラークさんの次に誰が変って言われたら……」

タスク「……ミュール、だよな。趣味的に。」

タケシ「間違いないっすね。」

ツカヅチ(その分類分けだと私もなんだけど……そっか。私、こっちの人達に趣味まではばれてないのか。ばれてなくてよかったような、話に混じれなくて悪かったような……)

マクスラーク「それは聞き捨てならないね。僕がトップ? 何故だい? ただの毛フェチじゃないか! 何も問題ないじゃないか!」

タスク「そう断言できるのがまずおかしいんだよ!!」

ツカヅチ「……話が、逸れてますよ?」

ちあき「いつものことだけど、そうやって的確に止めてくれるのは助かるわ……」

ミュール「……あいつは、ドラッケンから何人か入学させた実績をかわれてずっとドラッケンにいるのよ。でも、その『入学してきた連中』が曲者でね……」

タスク「ん? 仕事ができるから問題なのか?」

ミュール「仕事の内容が問題なのよ。どちらかというと昔、そう、暗黒生徒会があった頃、あの頃だったらまあ納得? みたいな人物ばかりだったのよ。」

ちあき「……つまり、ちょっとおかしな人たち?」

ミュール「まあ、それでもいいわね。ただ。……変なのよ、前の連中はどちらかというと魔王信仰みたいなところあったらしいけど。入学してきた連中はそういうの否定的だし。」

タスク「なら問題ないじゃん。」

ミュール「……どちらかというとね。勧誘者、フローライトにべったりな連中なのよ。やたらね。」

ちあき「それって、その人に魅力を感じたから入学してきただけなんじゃ……」

ミュール「……そう、なのかしらね。きっとそうなんだろうけど。でも。……いや、それで、いいわ。」

タケシ「あんたがそんな返答ってことは。やっぱりどこかおかしいってことっすね。あんたはこういうことでは間違わないっすから。あんたの勘は信用できるっすよ。証拠が足りないって話なら揃えればいいだけっすよ。」

ミュール「……! な、なんで? なんであんたがあたしのフォロー? あんたってさ、あたしのこと、嫌いじゃなかった?」

タケシ「あんたの趣味が嫌いっす。女ならきちんと男を好きになっておくべきっす。……でもオレっち、あんた自身は嫌いじゃないっすよ? アサミンさんのよさは、知ってる、いい仲間だと思ってるっすよ。」

ミュール「趣味が嫌い、ね。趣味も含めてあたしなんだけど? ……ま、もしも気が変わって。あんたを好きになるようなことがあったのなら。その時はまあ、考えてあげるわよ。」

タケシ「それはないっすね。なぜなら、趣味が直らない限りあんた、オレっちを好きになることなんてないっすから。」

ミュール「確かに……こりゃ、今回もあたしの負けだね。あーあ、連敗か。」

マクスラーク「敗北を恐れてはいけないよ? 敗北から知ることもある……僕のようにね。さて、ミュール君。」

ミュール「何? そろそろドラッケンに急ぎましょうよ? タカチホ周辺から全然移動できてないじゃない。」

マクスラーク「……まずは、プリシアナだよ、ミュール君。そうだね、ツカヅチ君。」

ツカヅチ「そうですね、一度、確認しなくてはならないことがあります。」

ミュール「は? 意味がわからないんだけど?」

ツカヅチ「私がキメラを作った……そこまではいい。だが、その研究記録は、私は事件のあと、怖くなって隠してしまったのですよ。さて、何処にあると思いますか?」

ミュール「そりゃ、作った場所が雪原ならば一番近いスノードロップ、もしくはプリシアナ……あ、そっか。プリシアナにあるってことね。なら回収しないと不味いわね。」

ツカヅチ「ええ、ですからプリシアナは経由しないと……」

マクスラーク「それだけじゃない。フローライト君とやらの、髪の色は? ……何色かな?」

ミュール「紫だけど? そうね、誰に似てるかといわれると一番近いのは……そうね、親衛隊のローズあたりじゃない? それが何か?」

マクスラーク「……いやね。僕が知っている『フローライト』君も。同じ紫色なのだよ。そして、彼からの情報を元に、僕はドラッケンが安全だと。……そう、思っていたのだよ。」

ミュール「……え、あんた、知り合いだったの?」

マクスラーク「……勧誘、という言葉にピンと来たのは。そういう理由なのだよ。僕は彼に、もっといい学校にいってみないかと、誘われたことがあるのだよ。」

ミュール「……!?」

マクスラーク「善意だと思っていた。今でもそう思いたい。だからこそ。……ローズ君を調べる必要がある。彼女は、彼に似ている。外見だけだがね。だが兄妹の可能性を考えるのに十分な要素だ。彼女に話を聞くべきか、考えるべきかもしれない。」

ミュール「……確かに。これは一度プリシアナ学院に戻る必要がありそうね……」

おまけ
タスク「また来た道戻るのかよ……いい加減暑いのは飽きた~!」

ちあき「でもほら。プリシアナからドラッケンだと寒い場所通るし……」

タスク「ん? そうなのか?」

ちあき(あ、そういえばタスクって約束の雪原の先っていったことがないわね……どれだけ進行速度が遅いのかがわかるわ……)

----↑ここまで↑----

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