2更新分でこのあたりとしてはやや短い話となります。
ミュール「あ、そっちの話終わった~?」
マクスラーク「む、ミュール君……!? ……なにご機嫌そうにタスク君とちあき君とタケシ君を抱え込んでいるのだね!? 羨ましい!」
ちあき「さっきから相当ご機嫌で……その、離してもらえるよう、マクスラークさんからもお願いしてくれません?」
マクスラーク「離したまえ、ミュール君! そして僕に抱かせなさい!」
ミュール「いや! この3人はお気に入りなの! 当分離す気なんかないんだから!」
タスク「……オレ、マクスラークに抱かれるぐらいならこのままでいい。」
タケシ「……オレっちも。まだここの方がいいっす。」
ちあき「うん、その2択なら、こっちよね。」
マクスラーク「君たちさりげなく僕のこと嫌っているね! 酷いじゃないか!」
ツカヅチ「……あの。私は……結局何処へ行っても蚊帳の外? そうだよね、私モブキャラだし。」
みなづき「何、さつきほどじゃない。」
さつき「みなづき様酷い! きっとタカチホ編とかあったらワタシ、大活躍するんだから!」
マクスラーク「まあ、何はともあれ! みんな元気になったようで何より! ミュール君のことは正直どうなるものかと冷や冷やものだったが、流石タスク君。見事だよ。」
ミュール「まあ、確かに。さすが、ちあきが選ぶ子だわ~」
タスク「て、照れるな……こんなに誉められると……」
マクスラーク「照れた顔も可愛いね……おっと。戯れている場合ではない。そう、モーディアル学園の件。少しいいかな?」
ミュール「ん? なに?」
みなづき「……ご機嫌になったと思ったらあっさり認めやがって……最初から認めろよ。」
ミュール「何? あたしのほうが立場上なんだけど? 小物がごちゃごちゃうるさいわよ?」
マクスラーク「……えっと。立場とかはよくわからないが……最近不穏な動きを見せている、この噂は、事実なのかい?」
ミュール「ごめん、それあたし。」
マクスラーク「は?」
ミュール「モーディアルは今ね、2大勢力闘争なんてのが起きてるの。で表の方の代理生徒会長があたし。で、今実行されてるのは別の学校に生徒を極秘編入させてモーディアル学園に優秀な子を勧誘して回ろう作戦。それが不穏な動きに見えてるだけじゃない?」
マクスラーク「……ミュール君。色々突っ込みたい。まず。……君が、生徒会長代理?」
ミュール「そうそう。あ、でも表のよ? 裏、要するに闇生徒会とか名乗ってる連中はいるわよ。2大勢力ってのはその表と裏のこと。だから気をつけてね? 表の方だって生徒会長決まらないのって裏の連中が怖いからっていう理由なぐらいだし。」
マクスラーク「その勧誘作戦というのは要するに……各学園に生徒を送り込んで勧誘しようと、そういう話でいいね?」
ミュール「そうそう。各学校に1人ずつ。あ、プリシアナは2人ね。最初に入学した奴が役立たずだったから。」
マクスラーク「そして君の目的はまさか。アサミン君か?」
ミュール「そうそう。当たり前じゃない!」
ミュール以外全員「………」
ミュール「ぶっちゃけ。あたしはアサミンさん以外どうでもいいわ、と思ってたけど。」
マクスラーク「思ってたけど?」
ミュール「この子達は連れて行きたい!」
タスク「まてまてまてえええ!!」
ちあき「ちょっとミュール! こんなオチになるんなら最初から私はモーディアルに呼んどけばいいでしょう!?」
タケシ「というか気に入ったら入れるってどんな職権乱用っすか!?」
ミュール「だって、あたし、学校じゃ大体一人だったし。友達って言ってくれたちあきのこと、巻き込みたくはなかったし。でも今の学校の廃れ具合を放っておくのも、責任感じちゃうし。」
ちあき「ミュール……結構、前の学校のこと、好きなの?」
ミュール「前のなんて思ってないわ。今だって編入にはなってるけど向こうは在籍になってるし。……だからさ。つれて帰りたいけどさ。……ダメよね。」
マクスラーク「……君のものじゃないんだから……まったく。とにかく。アサミン君勧誘のために君は事件を利用してきたのぐらいは認めるね?」
ミュール「そうよ? 目的のためにちょっとこの状況を利用はさせてもらったわよ? でも、あたしは事件に関わってないわよ? 多分詳しいのはこっち。」
ミュールはポケットから1冊の生徒手帳をマクスラークに手渡す。
マクスラーク「む? これは……プリシアナの生徒手帳……ではないね。」
ミュール「モーディアルの。それがあんたの気にしてた、洞穴であたしが拾った証拠品。」
ちあき「隠してたの?」
マクスラーク「ああ、責めなくてもいいよ、ちあきくん。これは僕が気づいていて見逃したものだから。」
ミュール「やっぱり? あんた、それが落ちてた所をじっと見てたからね。ああ、これは気づかれたかなとは思ってたのよ。拾わないってのも考えたわよ? 拾えば自分が疑われるのはわかってたし。でもこれが見つかるとこいつ、疑われるでしょ?」
ちあき「……そっか、そこまで考えて……ミュールらしいわね。」
ミュール「あたしもそれを落とした奴がどうしてあそこにいたかまでは知らないわ。でもそっちは事件の前から入学していたわけだし、事件に関しては詳しいんじゃない?」
マクスラーク「ふむ。……ヨシマーサ君、か。む? ヨシマーサ……?」
ミュール「どうしたのよ。」
マクスラーク「……どこだったかな。どこかで、聞き覚えがあるのだよ……むぅ。名前ぐらいきちんと覚えなくてはいけないのにね。」
タスク「とにかく! これで話は終わりだろ! さっさと俺らもドラッケン行こうぜー! ゆづきさんのこととか心配だし!」
マクスラーク「そういえばドラッケン……ブレーミー君もいたな。そうだ。連絡を取ってそこにとどまっていてもらおうか。合流して、色々話したいこともあるしね。」
ちあき「えっと。このまま、いくことになるの? ミュール?」
ミュール「え? 3人ともこれの方が楽じゃない?」
タケシ「戦えないっす! 離すっす!」
ミュール「ちぇっ~」
タケシ「舌打ちしてもダメっす!!」
マクスラーク(ブレーミー君といえば……カスミ君がタカチホにいたことも報告した方がいいかもしれないね。いや、ドラッケンに向かったから、報告する必要もないか……?)
おまけ
タスク「今回の件でわかったこと! ミュールって実は結構頭いいよな?」
ミュール「え? そんなによかないわよ。」
タケシ「何いってんっすか。中から上ぐらいじゃないっすか。あんたの成績。」
ミュール「……そういや経歴調べたとかいったわね、あんたは。」
ちあき「普通以上なんて十分凄いと思うわよ。」
ミュール「んなことないわよ。でも、凄いっていってくれてありがと。あんた達にほめられるのは正直嬉しいものね。」
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さつきの台詞解説です。
「タカチホ編があったなら~」ですが、この作品、原文作成時ではこの『プリシアナ編』としている部分のみで完結予定の作品でした。そのため、こんな台詞が。
消すのももったいない台詞なので続けることを確定したSNS版でもそのまま掲載、そしてブログ版でも消さずに残しました。特にさつきはこのプリシアナ編では目立ちませんので、これ以上の台詞削除もなんだか可哀想ですし……(笑)