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2011年2月6日に公開しました第1PT第12話分です。
1日で更新していますがこれは4更新分とやや大目の内容となっています。
今話は現在進行形のドラッケン編にも大きく関わる内容となっており、読み直してみると多少の矛盾点が存在しました。
その為中盤部分に修正を行っています。

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飛び行く飛竜を見送った6人とみなづきはひとまずタカチホへと向かい、そこで話し合うこととなった。

マクスラーク「さて。まずは……興奮が収まったみなづき君とやらから、事情を説明してもらおうか?」

みなづき「なんで貴様らに話さなければならん。」

タケシ「そりゃ、巻き込まれたのに何も知らずなんて納得いかないっす!」

ミュール「……あたしたちさ、自分から巻き込まれにいったよね? それを盾にするのはどうなんだろ?」

ちあき「確かに……でもあの状況は放っておけなかったもの!」

ミュール「そうなのよね……ねえ、みなづき。話せるところだけでいいから話してくれる?」

みなづき「……単純に、オレの許婚であるゆづきがあまりに言うことを聞かなかったから……その。ちょっと短気を起こしただけだ。」

ミュール「その短気がいつもの癖に。だから気をつけろって言ってやってたのに。」

みなづき「あ、あ~ ……それについてはすまん。」

タケシ「いつもなんっすか……てか、なんだか妙に冷たい言い方するっすね? いつもはもうちょっとあきれた感じっすよね?」

ミュール「そう? そうだっけ?」

タケシ「そうっすよ。最近ちょっと変っすよ?」

ミュール「最近、というか、こいつがあまりに馬鹿で……どうしたらいいのかわからないのよ。あたしも。」

タケシ「あんたでも気が滅入ることって、あったんっすね。」

ミュール「あたしだって普通の人よ? そういうことだってあるっての。」

タケシ「いつもは自分で変人言う癖にこういう時だけ普通気取るんっすね。」

ミュール「いつもはアサミンさんの前だから自重してるけど……やんの?」

タケシ「いーや。あんたの強さは今まで間近で見てきたっすから。勝てない勝負はやらないっす。」

ミュール「いい判断じゃない。」

ちあき「……口喧嘩はそれで終わりで、いいわよね? それで……短気を起こして、ゆづきさんを殺しかけた、というのは行き過ぎではないでしょうか? 違いますか?」

みなづき「……あそこであのセレスティアを庇わなければ、あそこまでの怪我にはならなかっただろ。」

マクスラーク「君は人の気持ちをまったく考えていないのだね……よく考えてみたまえ。あの状況で。ゆづき君が。人を庇えるのに庇わないなんて選択、するはずがないのだよ? ゆづき君の許婚を名乗るぐらいならそれぐらいわからないのかね?」

みなづき「……そういうもんなのか?」

マクスラーク「……君は、身近な人から、相手の気持ちを読むという力をつけていった方がいいね……そう、例えばそこに隠れているクラッズの女性から、とか。」

さつき「!!」

タスク「あー さっきから気になってはいたんだよな。ずっとみなづき見てたし。」

ちあき「どうしたの? 別にこっちにきても大丈夫よ?」

マクスラーク「ふふ、少なくとも僕とミュール君以外はそれなりに優しいから安心して出てきていい。ただ、あまり妙なことをするとちょっと気が立っているミュール君に切られるかもね?」

ミュール「ちょっと、なんであたしが切り裂き魔みたいな扱いされるのよ!」

マクスラーク「気が立っているのは事実だろう?」

ミュール「……まあ。」

マクスラーク「だが、そういう表現になってしまったことは謝ろう。……さて。僕はそろそろ、本題に入りたいのだが、いいかな?」

タスク「本題? これが本題じゃないのかよ?」

マクスラーク「違うね。本題は、君だよ、ツカヅチ君。……別に喋ってもよかったのだよ?」

ツカヅチ「……その、どこに私が喋るタイミング、ありました?」

マクスラーク「正直言ってまったくなかったね!」

タスク「言い切った……!」

マクスラーク「ゆづき君が言っていた、ロケットの紋章。見せて、もらえるかな?」

ツカヅチ「……これです。」

マクスラーク「……メルトダウン家の家紋だね……君、錬金術師の家系なのかい?」

ツカヅチ「……ええ。」

マクスラーク「ゆづき君は。これと、キメラの紋章、同一だと、言っていたが?」

ちあき「え?」

タケシ「そういえば! 最後に言い残したのって! そうか、間違いないってそういうことだったんっすね!」

タスク「え、要するにゆづき、記憶戻ったってことか!? やったじゃん!」

マクスラーク「……全部、かはわからないがね。おそらく、アサミン君を庇った時だろうね……あのシーンは、1度、あったから。少なくともわざわざ僕を呼んだ理由はこれぐらいしか考えられないね。僕がキメラだといった時、一番気にしていたのは彼女だった。……おそらく、キメラと彼女に何かつながりがあるんだろうが……」

ツカヅチ「残念ながら、キメラとゆづき先輩の関係、この部分は私には判りません。しかし。」

マクスラーク「しかし?」

ツカヅチ「私がキメラを作ったこと。これは間違いありませんし、失敗し、人を巻き込んだのも事実です。」

マクスラーク「……そうかね。だがすんなり、話してくれたね? 何か、あるのかな?」

ツカヅチ「これは、私の慢心が招いた……そう、モーディアル学園への入学試験の結果なのです。」

マクスラーク「な……なん、だって?」

タスク「モーディアル学園? なんだそりゃ?」

ちあき「知らないの!? 随分と前、第4の学び舎として立ち上がったわいいけれど」

タケシ「やっぱり、諸悪の根源はそうそう上手く改善しないっす。初代の生徒は上手くやっていったらしいっすけど……結局不良の巣窟みたいな所になってしまったんっすよね。」

ミュール「だけど。最近特待制度をはじめた、とも聞くけど。……もしかしてそれ類?」

ツカヅチ「ええ。そうです……その入学試験の内容が。錬金術科ではキメラだったと。」

ミュール「そんな話、初めて聞いたわ。」

ちあき「大体の人が初めて聞く話だと思うけど……」

タケシ「モーディアル学園からわざわざ約束の雪原のプリシアナッツの付近でそれをしていたってのは不自然っすよ。本当に偶然だったんっすか?」

ツカヅチ「……私への試験を提案したの生徒会長と聞いています。もし、その生徒がゆづき先輩と関係を持つ人物であるなら……偶然ではないかもしれません。」

みなづき「ああ、そういうことならオレも関わってるだろうな。オレの部下が生徒会関係者で知り合いが生徒会長だ。そいつにゆづきのことを話した覚えがある。」

ミュール「!?」

タスク「な、なんだって!?」

みなづき「オレ、モーディアル出身。今はタカチホだけどな。」

ちあき「まって、そうなるとミュール、貴方」

ミュール「それはあたしも初めて聞いたわ。」

ちあき「え?」

みなづき「?」

ミュール「確かに、同じ学校にいったことがあるのは確かだけど。モーディアルではないわ。」

みなづき「……ふーん。そう言い張るか?」

ミュール「そうよね?」

みなづき「そうしたいんだろ?」

ミュール「そうよね?」

みなづき「……ハッ、この流れでそうじゃないなんて思ってくれる奴、いるかよ。」

ちあき「ちょっと! ミュール! 何処へ行く気!?」

ミュール「これ以上聞く気なんてないの。あたしは先に休むわ。」

ちあき「ちょ、ちょっと! 待ちなさい、待ちなさいって!」

タスク「ちあき! ……わりぃ、マクスラーク。俺らはちょっと外すわ。」

マクスラーク「そ、そうしてくれたまえ。ちょっと僕も、混乱していてね……ミュール君は、任せたよ。」

タケシ「……タスクさん、オレっちもいくっす。」

タスク「ああ、お前がミュールとはプリシアナに入ってから一番長いんだろ? 助かるぜ。」

タケシ「変なこと考えてないといいっすけどね……」


ツカヅチ「いいんですか、彼らに任せて?」

マクスラーク「下手に僕が入るよりやりやすいだろう。僕はミュール君に警戒されるだろうからね。余計なことを探りそうだとね。だからいいんだ。彼らで。」

ツカヅチ「そうですか……」

マクスラーク「それに、君達もあまり多くの人に事情を知られたくないんじゃないかい?」

ツカヅチ「……はい。」

みなづき「オレは自分のやったことは間違っていないと思っている。何も問題はないと思っているぞ。」

マクスラーク「……とにかく、一体どうしてゆづき君の話を生徒会長とやらに話したか、教えてくれるかい?」

みなづき「それくらいなら構いやしない。」


ツカヅチ「……つまり、貴方はゆづき先輩とのことを話しただけ。生徒会長がゆづき先輩が、怪我をするような状況を作るために、私に、あそこでキメラを作るよう指示した可能性があると?」

みなづき「あくまで可能性だ。あいつが何考えてるかなんかオレが知るわけがない。だけどお前は他人を傷つける可能性があったとしてもやったんだろ? つまり、入学したかったんだろ? 特待生って言う、特別な力のある位につきたかったんだろ? 恥じることはないさ。それが人って奴さ。」

ツカヅチ「私は、人を傷つけてまで『特別な力』を手に入れようとは思わないのです。それにその答え……答えになっていません!」

みなづき「偽善者が……それでは何も手に入らないというのに。まあ、答えになっていないのは確かか。あいにくだが、オレは指示なんてしてない。それ以上は知らんし何も言えん。」

ツカヅチ「そうですか。私は偽善者で結構。私は私の正しいと思うことをすると。ヒルター様への愛に誓ったのです!

マクスラーク「……その決意、すばらしいね。しかし僕が言うのもあれだが、ヒルター君は、男じゃなかったかな……?」

ツカヅチ「愛に性別など関係ないのです! そうでしょう!?」

みなづき「……なんつー奴だ。別に特待扱いじゃなくても入れてやればよかったんじゃなかったのか? こういう奴に力もたせなくちゃいけないって。理不尽な世界の中で、力だけは絶対なんだから。」

マクスラーク「みなづき君。君の言うことも一理あるかもしれない。しかしね、人は1人では生きていけない。君はもう少し人を信じることを覚えた方がいいよ。人の気持ちを考えることは、信頼に繋がる。どうだろう、考えてみないかい? この状況でもまだ、見放さない、彼女みたいなのもいる。環境には恵まれているのだからきっと君なら大丈夫だと思うのだがね。」

さつき「……まだいるのに気がついてたの? いい加減離れろとか、そういう言葉くるかと思ってたのに。」

マクスラーク「ははっ……僕は以前の仲間から『傍観者』扱いされるほどだよ? 見る側の気持ちは、よくわかる。」

さつき「……」

マクスラーク「どうかね、みなづき君。僕は君を許せないがおそらく君が一番傷つけたであろうゆづき君は、君を許してしまうだろう。自分にも落ち度があるとか、そういう理由をつけてね。ああ、でも婚約だけは絶対拒否するだろうね。そういう人だ。」

みなづき「何が言いたい。どうもつかみ所がないぞ?」

マクスラーク「……本気で彼女を欲しいというのなら、彼女の流儀に従うべきだろう。彼女なりの考え方、価値観を考えてみないかね? 彼女は本当、頑固だからね。本当に生まれ変わるぐらいしか彼女の考え方はかえれないんじゃないかな。何せ、記憶を失っても彼女のままだったのだから。」

みなづき「断る。あいつがオレに従えばいい。」

マクスラーク「だから、彼女はそれでは絶対動かない……平行線なのだよ。だから。自分をかえれないというのなら君がゆづき君を諦めるのが無難だと思うのだがね。」

みなづき「それも断る。オレが愛するのはあいつだけだ。」

マクスラーク「らしいが、そちらの君。……みなづき君のこと、好きだね? どうだろう、この頑固者、変えれる自信があるのならできれば引き取って欲しいのだがね?」

さつき「なっ! 最初から仲人する気だったの、あんた!」

マクスラーク「当たり前じゃないか。僕はゆづき君の味方だよ? 何で仲間が嫌がる婚約にはいそうですかとうなずいてやらなければならないのだい? 引き取り手がいるなら引き取ってもらうのが一番いいじゃないか!」

ツカヅチ「……一番人の気持ちを考えてないのって……マクスラークさんなんじゃ。」

マクスラーク「む。何を言うかね。僕はみんなが幸せになれるプランをわざわざ長文で説明してあげているのに。そんなことを言ってしまうかね?」

みなづき「……なんというか、お前。むかつくが変で面白いな。」

マクスラーク「むむ? 君はフェルパーだし、僕も嫌いじゃないよ? 性格以外は。ぜひ体と体のお付き合いでお願いしたいね。

みなづき「!?」

さつき「ちょっと!? 何気色悪いこといってんのよ!!」

マクスラーク「気色悪いかね?」

ツカヅチ「……人のことは言えない趣味ですが、ええ、その表現の仕方が非常に気色悪い部類かと。」

マクスラーク「むぅ。この場にいる3人から指摘されてしまった……失態だな。」

みなづき「お前、途中からわざとだな?」

マクスラーク「ふふ、これぐらいしたほうが、話しやすくないかね? ……人の心とは、こういうことなのだよ。」

みなづき「……ま、少しだけわかった。勉強料ってことで……今回は、素直に謝ってやる。……あと。ゆづきにあったらとりあえず、謝る。……そして。一度、ゆづきに対する態度は、考えてみる。これで、いいか?」

マクスラーク「ふむ。では僕も。あれを見てしまって、すまなかったね。」

ツカヅチ「あれ?」

みなづき「ああ、あのキスのことか? 気にすんな。むしろ見ろ。」

さつき「な、ななな! キス!? ま、まさかゆづきと!」

みなづき「オレが強引に奪うのは、いつものことだが?」

さつき「ゆづき、絶対戻って来い! ぶん殴ってやる!!」

ツカヅチ「……あの温厚なゆづき先輩が貴方に対して強硬な態度なのはそれが一番の原因なのでは……?」

マクスラーク「ははっ……全部終わってはいないが。まあ、落とし所としてはこの辺りだろう……問題は、ミュール君か。」


おまけ
少々時間を持て余してしまったのでツカヅチにヒルターとの出会いを教えてくれと尋ねたマクスラーク。
これはマクスラーク、本日2度目の失態の様子である。

ツカヅチ「私が入学を決意する前、私は、プリシアナの校門前に立っていました。本当にここでやり直すことができるのかと……その時です! それが、私の運命を大きく変えたといっても過言ではありません。そう、私は後ろからヒルター様に声を掛けられたのです。その頃から、もう既にオーラをまとっていたようにも思います。そんな方にです。私は恐れ多くも過去を伏せつつ、こんな気持ちのまま入学してもいいものかとつい相談してしまったのです。思えばこんなくだらないことをヒルター様に考えさせてしまうとは……私の、一生の不覚です。しかしヒルター様は言いました。自分が正しいと信じたことを貫き通すこと。それに悪などない。貫き通した自分の正義。それこそが真の正義だと! そもそもその地点でヒルター様もまだプリシアナに入学しておらず……」

マクスラーク「……みなづき君、さつき君。どうやら、今までのは全て、序章だったらしい……まだ、続くようだよ……」

みなづき「ああ、なげぇ……よくもまあこうぺらぺらと喋れるな……」

さつき「ねえ、止めてよ。正直煩いし。」

マクスラーク「僕も彼とはさっきであったばかりみたいなものだからね。無理だよ!」

みなづき「自信満々に言うな!」

さつき「つまり、自分で止まるまで待つしかないと……うわ……濃いね、こいつ。」

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