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ローズ「ごめんなさい、本当にごめんなさい……！」
ゆづき「言わないわたしが悪いから、気にしないで？」
なつき「あ、なつきはわざと放置したですよ。昨日の先輩を下手に解放したらまずそうだったので！」
ゆづき「……くくりつけられるにしても、せめて、ベットがよかった……」
ローズ「ベット……あ、そっちは私、専門外です。」
さくや「そうね、わたくしの専門よね。」
カスミ「何の専門なんですか！？」
さくや「あら、聞きたい？」
カスミ「いえ、聞きたくないです！」
ツカヅチ「……朝からみんな、テンション高いね……」
なつき「ツカヅチがいつもテンション低いだけです！」
ツカヅチ「え、低い私の方が悪いの……？」
カスミ「ううん。ツカヅチさんが冷静でいてくれないといざという時、困る！」
ローズ「そうです、ツカヅチさんは、ツカヅチさんのままでいてください！」
ツカヅチ「え、う、うん。」
ゆづき「それで。昨日の結論なんだけど……」
さくや「はい。」
ゆづき「……また、さつきに会おうと思う。今度は、きちんと冷静に聞くから。お願い。」
なつき「ふふ～ん。そういうと思って用意してあるのですよ～！」
さくや「そうですね、この結論かと思いまして……さつき？」
さつき「……なんかもう既に下僕扱い？ 酷くない？」
カスミ「っていうか、縛られてもないのに着ちゃったんだ……」
さつき「後が怖いじゃない。」
ローズ「う、うん。わかるよ……」
さくや「後が怖いって……それはあなたが、悪いんでしょう？」
さつき「……た、確かに昨日のはワタシが悪かったわ！ だから近づくな！」
カスミ「ローズちゃん2号だ！」
ローズ「そのネーミングやめて、カスミちゃん！」
さつき「……で？ 昨日そっちのエルフから聞いたんでしょ？ ワタシが知ってるのはあれだけ。みなづき様と直接話す気がないならあとは砂漠で自分で探せば？」
ゆづき「砂漠？」
さつき「あんたとみなづき様の出会いって砂漠って聞いてるからそこに手がかりがあるんじゃないってこと。」
ゆづき「……砂漠。」
カスミ「あ……いくんだ……絶対行く気ですよね……あたしはあまりいきたくないなぁ……」
さくや「……ついて、いきたいけれど……当てもなく砂漠は流石に……」
なつき「あ、あの砂漠のどこか見当がつかないとついていっても遭難するだけですよ……！」
ツカヅチ「うん、私がついていったら間違いなく足手まといだね……」
ローズ「つまり……私がゆづき先輩に付き添って砂漠をくまなく探せばいいと！」
ゆづき「……それが無難かも。4人は昨日、途中ばてちゃってたし。」
さつき「あそこはタカチホの生徒でもバテる奴が続出するから……いくならきちんと準備してからいきなよ？」
ゆづき「うん、そうする。ありがとう、さつき。」
さつき「で、本当にいいの？ あんた本当にみなづきのこと嫌ってたみたいだけど。それ、思い出しちゃって。」
ゆづき「そもそも、思い出せるかどうかも怪しいもの……それに。みんなに怒られちゃったし……」
さつき「あんたらしい……ほら、いっといでよ。もしも辛けりゃ、話ぐらいはきいてあげるから。」
ゆづき「……何から何まで、ありがとう、さつき。」
さつき「お礼なんて……」
さつき（そうよ、これはみなづき様の罠、なんだから。……だから、本当、そんな素直に、礼を言わないでよ……）
ローズ「先輩と2人きり～♪」
ゆづき「……ローズ、元気だね。」
ローズ「だってほら。私、先輩には色々暴露しちゃいましたし！ 隠す必要ないって思うと気が楽ですよ～！」
ゆづき「そう。」
ローズ「でも、その。こんなことを聞いたなんてなつきちゃんにばれたら怒られちゃいそうですけど。聞きますね？」
ゆづき「何？」
ローズ「本当に、思い出しちゃって、いいんですか？」
ゆづき「どうして、そう思うの？」
ローズ「誰にだってほら。忘れちゃいたいぐらい嫌な思い出ってあるんです。だから。それが、思い出して、引き返せないようなことだったらやっぱり、思い出さない方がいいんじゃないかな、と。」
ゆづき「ローズにはあるの？」
ローズ「え～？ そうですね～ プリシアナ学院にきた理由……かな？」
ゆづき「え？」
ローズ「あはは……これは、誰にもいっちゃダメって言われてるから、先輩にも言えません。さくや先輩にだって絶対言いません。」
ゆづき「ローズ、そういうの隠すのって、辛くない？」
ローズ「私、慣れっこですし？ だから……待ってください、先輩。変な音がします！」
ゆづき「……変な、音？ ごめん。全然聞こえない……」
ローズ「手、離さないでくださいね？」
ローズ「ここです。ここで変な音がします！」
ゆづき「……これ、変な音というか……」
？？？？「ゆづきはオレのことがすき、きらい、すき……なんで嫌いしか！」
ローズ「……あほです。あほがいます！ 6枚しかない花びらを好きからスタートしたらそれは当然嫌いにしかなりません！ 占いになりません！」
？？？？「あほとはなんだ、あほとはっ！ ……ん？ その影にいるのは……ゆづきか？」
ゆづき「みな、づき？」
みなづき「おお！ 覚えていてくれたのか！？ リューの話ではもう覚えていないのではと！」
ローズ「！ ストップ、ストップです！」
みなづき「貴様、何者だ！」
ローズ「そうですね、せっかくだからノリよく答えますと先輩専用特殊工作員1号！ ローズです！」
みなづき「つまり忍びか！」
ローズ「あ、それカッコいい！ なりたい！」
みなづき「おお！ 忍びのかっこ良さを理解できる者か！ ならば悪い奴はいまい！」
ローズ「そうです、私はダメな子だけどいい子です！」
ゆづき「ローズ、話が進まないから少し黙っててもらって、よかった？」
ローズ「え？ いいですよ。」
みなづき「オレと話がしたいとは……なんだ、リューが言っていたよりは嫌われていないじゃないか。」
ゆづき「わたしを物扱いする態度が気に入らないだけであって、それ以外の部分はそれなりに評価はしているわ。」
みなづき「おお！ オレのことをしっかり覚えて」
ゆづき「思い出したの。貴方のことだけ。……さつきとローズの警告、聞いておけばよかった。」
ローズ（先輩……怒ってる？）
ゆづき「力ずくでしか、人を従えることができない貴方に……わたしは絶対従う気なんてないわ！」
みなづき「悪いがオレは、その方法しか教えてもらってないぞ？ それ以外の方法でお前を従わせる気もない。あらゆる力でお前を絶対的に服従させてやるよ……」
ゆづき「どうして？ さつきに対しては普通に接していたじゃない？ 周りの人には自分勝手なこともあるけれど。それでも相手のこともきちんと見て。きちんと普通に接することができる。どうしてわたしだけは、そうなるの？」
みなづき「いいか？ 周りの奴らは代えはが効く。だが、お前はきかないだろ？ だからだよ。」
ゆづき「貴方の周りの人だってそう。わたしと同じ。」
みなづき「いいや違うね！ 力をすこし振りかざしてみろ？ みんなオレに頭下げる？ 力なんだよ。世の中。なのにだ。お前は違う。だからいいんだ。」
ゆづき「……そこが、わからないわ。」
みなづき「なら、教え込んでやるよ……！」
ローズ「これ以上はダメです！」
みなづき「どけ！ 女の子をいたぶる趣味はないぞ？」
ローズ「いたぶれると思うならやってみればいいじゃないですか！」
みなづき「威勢がいいね……なら」
ゆづき「やめて、ローズ。」
ローズ「先輩？」
ゆづき「わたしがやるから。」
ローズ「……！ だ、だめです！ 先輩本気じゃ……！」
みなづき「オレにあくまで逆らうか。いいぜ。それくらいの女じゃないとオレも満足できないんだよ……！」
ローズ「だ、だめです、だめですって！」
ローズ（だめ、この雰囲気はだめ！ まずい、これは本気。殺し合いになる！）
おまけ
さくや「……」
カスミ「なんだか、さくや先輩。凄く大人しいね……」
ツカヅチ「ついていけなかったの、悔やんでいるのかな？」
なつき「……（つんつん）」
さくや「何かしら？ わたくしに用がないなら話しかけないで？」
なつき「じゃあ何考えてたかいうですよ。それが用事です！」
さくや「くだらない用事ね。」
なつき「ええ、くだらない用事ですよ？ でもなつきはしんみり待つのは苦手なので話し相手が欲しかったのですよ。」
さくや「ならカスミやツカヅチと遊んでいればいいでしょう？ わたくしじゃなくても。」
なつき「それもそうですね。大丈夫ですよ、ゆづき先輩に限ってさくや先輩をおいていくなんてことしないです。そしてなつきもそんなことしないです！ じゃ、カスミの所へいってくるですよ。」
さくや「……そう。……ありがとう、なつき。」
なつき「何かいったですか～？」
さくや「別に何も。」
ツカヅチ（あれ、私もじゃなかったの、なつきちゃん？）
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