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2011年1月10、11日に公開しました、親衛隊『冒険日誌』第2話として公開した話の再録です。
3更新分です。
3更新分です。
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なつき「それにしてもこのダンジョンの名前は嫌ですね~ 拭えぬ過去の道? 過去は拭う物じゃないのですよ~ って、みなさん元気ないですね~ どうしたですか?」
ローズ「い、いや~ この名前、本当に嫌な名前だよね~ って思って……」
カスミ「う、うん。なんか嫌だな~ 別の道ないのかなぁ……」
ゆづき「……確かに、なんというか、名前の雰囲気的に嫌よね。」
ツカヅチ「本当、趣味が悪いです……」
さくや「まったくね……」
なつき(あら? あらら? 皆さん過去に何かあった人たちの集まりですかこれは? というか過去を気にしてないのはなつきだけですか? なんというか疎外感ですよ、これは。というか一人こんなテンションでいいのかって気分になるですよ! ハッ、飲まれたら負けです! そうです、負けなのです!)
さくや「ちょっと? 貴方が黙り込んだら誰がなつきをするのかしら? って自分で前に言ってなかったかしら?」
なつき「おや? さくや先輩からそんな突っ込みを受けることになるとは思ってもなかったのですよ。」
さくや「まともに突っ込めるの、わたくしぐらいよ? この状況、ほら、見なさい?」
なつき「ハッ! カスミやローズは当然のようであり、ゆづき先輩まで!? ……全体的に異様に暗いのですがっ!」
さくや「一人ずつみてみる?」
なつき「なんですか、そのお悩み相談室みたいなノリは!」
さくや「やることに特段反論はないのね。じゃあまずはゆづき先輩から。」
なつき(さくや先輩、実は暇なんですねっ!?)
さくや「ちなみに、聞くだけよ。」
なつき「相談じゃないんですか!?」
ケース1:ゆづきの場合
ゆづき「……わたしには、拭う過去もない……いいことなのかな、悪いことなのかな……」
なつき「真剣に悩んでますね、あれ。」
さくや「いい事なのか悪いことなのか。悩むほどのことでもない気もするけど。」
なつき「それは過去を持つ者の意見なのですよ、さくや先輩。」
さくや「貴方たまに難しいこというわよね。そういえば。」
なつき「なんです?」
さくや「貴方の選択、悪くないわよ。最初にタカチホ。だってタカチホって先輩の故郷だし。」
なつき「どうしてそういう重要なことを、報告しないですか貴方は……!」
さくや「だってゆづき先輩、そういっても『へぇ……』とか『そうなんだ……』とかいう反応しか返してこなかったからあまり意味がないかもと思って。聞かれるまで言わなくてもいいかなって。」
なつき「で、何故このタイミングで言うのですか?」
さくや「貴方と2人きり。どうせ静かにならないのならわたくしも言いたいだけ言わせてもらった方がいいじゃない?」
なつき「なつきはストレス解消道具か何かですか!?」
さくや「そんなことはないわ。道具は反応返してこないじゃない。返してくるだけ道具より上よ。」
なつき「それって誉めてるですか!?」
ケース2:ローズの場合
ローズ「……そういえばあの馬鹿兄……どうしてるのかな……のたれ死んでればいいのに……」
なつき「? ローズさんにお兄さんいたのですか? 初耳です。」
さくや「……ただ、いい思い出はなさそうね。いや、ローズに死んでればいいのにって言わせるお兄さんってどう考えても只者じゃないでしょう……?」
なつき「そういえばそうですね。ローズってそこまで過激な方じゃないですからね。」
さくや「そもそも自分省みず庇いまくる子よ? そんな子が、死んでたらいい? おかしいわよね。」
なつき「そういえばなつき、ローズのことって実は何も知らないのですよ~ カスミも仲はいいけど詳しいことは全部はぐらかされちゃうとか言っていたですし。」
さくや「どんなに脅しても何もそういうことは言わないし、ね。」
なつき「それは単に聞き方が悪すぎるだけだと思うのですよ……ってかもう試し済みだったのですか!?」
さくや「当然じゃない。それに、体にきくのが一番」
なつき「それ以上は規約に引っかかっちゃうのでダメです! 危なすぎることいっちゃいやなのですよ!」
ケース3:カスミの場合
カスミ「この銃は人に向けちゃいけなかったのに……どうしてとっさに出しちゃったんだろう……ダメだよ。こんな思い出、持っておくだけで、十分なんだから……」
さくや「……これは、聞かなかったことにしましょうか。」
なつき「いえ、きちんと心に刻んでおくですよ。さくや先輩。あの銃使うことになったのって貴方が原因なんですから。」
さくや「わかってるわよ……」
なつき「しかし皆さんネガティブモードですねぇ……確かにものすごーく嫌な名前ですけどそこまでネガティブされるとなつきも困っちゃうですよ。」
ゆづき「2人とも、盗み聞きはよくないと思う……それとももう終わったのかしら?」
さくや「ゆづき先輩!?」
ゆづき「何?」
さくや「さっきまでへこんでいませんでしたか?」
ゆづき「悩んでてもしょうがないし……わたしの場合、ないわけじゃなくて思い出せないだけだから。きちんと思い出せればいいかなって。」
さくや「結論つけてきたんですね。先輩にしては前向きなご意見ですね。」
ゆづき「……このパーティーに、後ろ向きは似合わないから。」
なつき「ゆづき先輩が空気を読んだ発言を! さくや先輩よかったですね~ 少しは役に立っていたようですよ~?」
さくや「まるでこの発言がなければわたくしの行動は無意味だったといわんばかりの発言ね……?」
なつき「まったく持ってその通りじゃないですか~?」
さくや「あら、この状況でやるの?」
なつき「いいですよ? なつきはいつだって受けてたつのですよ?」
ゆづき「普段なら止めないけど、流石にこの状況で一人放置されるのは嫌なんだけど……言っても、止まってくれないよね、二人とも……」
さくや「いい返事ね。ではきちんと装備も平等な状態で、邪魔なしでやりましょうか?」
なつき「ふふん! 同等装備ならなつきの方が有利です! 補助魔法の力を見せてやるです!」
ゆづき「だよね、言うことなんて聞かないもんね、二人とも。うん。最近のことでわかってた……あれ、そういえば、ツカヅチ……?」
ツカヅチ(私はここにいていいんだろうか……元はといえば全て、私に原因があるのに。なのにここで、一番の被害者と……)
少し離れた場所に、ツカヅチはいた。なにやら古いロケットを手にしている。
ゆづきからは、どんな写真が挟んであるかまではわからない。
ロケットの外装、少々複雑な模様の描かれた重厚なデザインが見えるだけである。
ゆづき「ツカヅチ?」
ツカヅチ「! あ、ああ! ゆづき先輩。どうしました?」
ゆづき「さくやとなつきが喧嘩始めた……止まらないからどうしようかと思ってたの。話し相手になってくれる?」
ツカヅチ「……え、カスミさんとローズさんは?」
ゆづき「2人とも、自分の世界。」
ツカヅチ「……た、確かに私以外に話し相手がいませんね。」
ゆづき「うん……ねえ、さっき見てたロケット。見たいのだけど……ダメかしら?」
ツカヅチ「え? な、何故?」
ゆづき「ん……お願い。」
ツカヅチ「……? はい、これですが?」
ゆづきが見つめるのは中央に書かれた模様とも紋章とも取れる柄。
ゆづき「……やっぱり、この紋章、どこかで……」
ツカヅチ「えっ!?」
ゆづき「ねえ、ツカヅチ。これ、何処で手に入れたの? 教えて? わたし、これ見たことがあると思うの。……こんな感覚、久しぶり……」
ツカヅチ「久しぶり?」
ゆづき「……わたし、さくやには話していないけど思い出していることも少しだけあるの。例えば……地図とか。」
ツカヅチ「え? あれはさくや先輩の……」
ゆづき「おかしいと思わなかった? あれ、別に名前がかいてあったわけじゃないわ。ただ、血の跡がついてただけ。あの一帯は特に後列攻撃は激しくないけどたまたまバックアタック食らっちゃって……その時の怪我でついた血の跡が、あれ。」
ツカヅチ「!」
ゆづき「……さくやに気づかれるとどこからどこまでが本当だか、わからなくなることがあったから。さくや、ずるところあるから、自分に都合が悪いと誤魔化すことも……だから、隠してきたこともあるわ。……わたし、流されるままってわけでもないわ。」
ツカヅチ「でも……事実を指摘されるとしゃべってしまうと?」
ゆづき「……元々、隠し事は苦手……」
ツカヅチ「そうでしょうね……わかりました。この紋章の意味……お話しますね。こんな状況、なかなかないですし。」
ゆづき「うん、お願い。」
ツカヅチ「なんで、このタイミングで正座するんですか?」
ゆづき「え? こういうのって改まって聞くのが礼儀じゃないの?」
ツカヅチ(やっぱり、素でボケてる部分もある気がする。この人は……)
ツカヅチ「そもそもこの紋章は錬金術師が家紋として使っている、そういう類の物なのです。」
ゆづき「? じゃあその紋章がついている物は大体その錬金術師の家の物ってこと?」
ツカヅチ「そうです。大体は杖とか、自分の大切な持ち物につけていますね。あとは製作物。……そう、キメラ、合成魔獣、とか。」
ゆづき「キメラ……?」
ツカヅチ(反応なし、か。まだ無理みたいかな。これ以上は今回はやめておこうか……)
ゆづき「ねえ、ツカヅチ。」
ツカヅチ「なんでしょう?」
ゆづき「ツカヅチは……錬金術師じゃ、ないよね。何でそんなものを?」
ツカヅチ「家がそういう関係でして……私も一応、錬金術師の学科希望も出していますよ? まずは別の学科を体験してからでも遅くないだろうと思いまして。」
ゆづき「そうだったんだ……」
なつき「あー! ここにいたです!!」
さくや「どこにいったのかと、不安になってしまったではありませんか。せめて行くなら行くと一言言ってから……」
ゆづき(……二人とも、聞いてなかったじゃない……)
ツカヅチ「あ、あはは……すみません。ところで。あちらのお二人には行くというのを告げなくてもいいのですか?」
なつき「ああ! カスミとローズを忘れてたですよ! 引っ張ってくるですよ!!」
さくや「はぁ……さっさとこんなところ抜けてしまいましょう……」
おまけ
さくや「拭えぬ過去……ね。……アサミン、拭わせてくれるほど優しい奴じゃないわよ……」
なつき「おやおや~? さくや先輩も回想タイムですか~?」
さくや「あら、わたくしに辛気臭いのは似合わないとでもいいにきたのかしら?」
なつき「いやいや、なつきはみんな仲良しは大好きなのでさくや先輩が回想モードというのでしたら邪魔せず見届けるですよ? だって、後悔しそうもなかった先輩が、考えてくれるようになっただけでも凄い進歩ですもん!」
さくや「貴方は本当にわたくしをなんだと思っているのかしら……これでも前衛を守る後衛よ……?」
なつき「そうですよね、そういうところありますもんね。ですから戦闘以外でもそういうところ見せて欲しいですよ~」
さくや「……! な、わたくしがそういわれてそうするタイプだとお思いかしら?」
なつき(さくや先輩、気づいてないんですかね~ さっき自分がどんな顔してたか。まったく。素直じゃないのもいい加減にして欲しいのですよ。)
----↑ここまで↑----
なつき「それにしてもこのダンジョンの名前は嫌ですね~ 拭えぬ過去の道? 過去は拭う物じゃないのですよ~ って、みなさん元気ないですね~ どうしたですか?」
ローズ「い、いや~ この名前、本当に嫌な名前だよね~ って思って……」
カスミ「う、うん。なんか嫌だな~ 別の道ないのかなぁ……」
ゆづき「……確かに、なんというか、名前の雰囲気的に嫌よね。」
ツカヅチ「本当、趣味が悪いです……」
さくや「まったくね……」
なつき(あら? あらら? 皆さん過去に何かあった人たちの集まりですかこれは? というか過去を気にしてないのはなつきだけですか? なんというか疎外感ですよ、これは。というか一人こんなテンションでいいのかって気分になるですよ! ハッ、飲まれたら負けです! そうです、負けなのです!)
さくや「ちょっと? 貴方が黙り込んだら誰がなつきをするのかしら? って自分で前に言ってなかったかしら?」
なつき「おや? さくや先輩からそんな突っ込みを受けることになるとは思ってもなかったのですよ。」
さくや「まともに突っ込めるの、わたくしぐらいよ? この状況、ほら、見なさい?」
なつき「ハッ! カスミやローズは当然のようであり、ゆづき先輩まで!? ……全体的に異様に暗いのですがっ!」
さくや「一人ずつみてみる?」
なつき「なんですか、そのお悩み相談室みたいなノリは!」
さくや「やることに特段反論はないのね。じゃあまずはゆづき先輩から。」
なつき(さくや先輩、実は暇なんですねっ!?)
さくや「ちなみに、聞くだけよ。」
なつき「相談じゃないんですか!?」
ケース1:ゆづきの場合
ゆづき「……わたしには、拭う過去もない……いいことなのかな、悪いことなのかな……」
なつき「真剣に悩んでますね、あれ。」
さくや「いい事なのか悪いことなのか。悩むほどのことでもない気もするけど。」
なつき「それは過去を持つ者の意見なのですよ、さくや先輩。」
さくや「貴方たまに難しいこというわよね。そういえば。」
なつき「なんです?」
さくや「貴方の選択、悪くないわよ。最初にタカチホ。だってタカチホって先輩の故郷だし。」
なつき「どうしてそういう重要なことを、報告しないですか貴方は……!」
さくや「だってゆづき先輩、そういっても『へぇ……』とか『そうなんだ……』とかいう反応しか返してこなかったからあまり意味がないかもと思って。聞かれるまで言わなくてもいいかなって。」
なつき「で、何故このタイミングで言うのですか?」
さくや「貴方と2人きり。どうせ静かにならないのならわたくしも言いたいだけ言わせてもらった方がいいじゃない?」
なつき「なつきはストレス解消道具か何かですか!?」
さくや「そんなことはないわ。道具は反応返してこないじゃない。返してくるだけ道具より上よ。」
なつき「それって誉めてるですか!?」
ケース2:ローズの場合
ローズ「……そういえばあの馬鹿兄……どうしてるのかな……のたれ死んでればいいのに……」
なつき「? ローズさんにお兄さんいたのですか? 初耳です。」
さくや「……ただ、いい思い出はなさそうね。いや、ローズに死んでればいいのにって言わせるお兄さんってどう考えても只者じゃないでしょう……?」
なつき「そういえばそうですね。ローズってそこまで過激な方じゃないですからね。」
さくや「そもそも自分省みず庇いまくる子よ? そんな子が、死んでたらいい? おかしいわよね。」
なつき「そういえばなつき、ローズのことって実は何も知らないのですよ~ カスミも仲はいいけど詳しいことは全部はぐらかされちゃうとか言っていたですし。」
さくや「どんなに脅しても何もそういうことは言わないし、ね。」
なつき「それは単に聞き方が悪すぎるだけだと思うのですよ……ってかもう試し済みだったのですか!?」
さくや「当然じゃない。それに、体にきくのが一番」
なつき「それ以上は規約に引っかかっちゃうのでダメです! 危なすぎることいっちゃいやなのですよ!」
ケース3:カスミの場合
カスミ「この銃は人に向けちゃいけなかったのに……どうしてとっさに出しちゃったんだろう……ダメだよ。こんな思い出、持っておくだけで、十分なんだから……」
さくや「……これは、聞かなかったことにしましょうか。」
なつき「いえ、きちんと心に刻んでおくですよ。さくや先輩。あの銃使うことになったのって貴方が原因なんですから。」
さくや「わかってるわよ……」
なつき「しかし皆さんネガティブモードですねぇ……確かにものすごーく嫌な名前ですけどそこまでネガティブされるとなつきも困っちゃうですよ。」
ゆづき「2人とも、盗み聞きはよくないと思う……それとももう終わったのかしら?」
さくや「ゆづき先輩!?」
ゆづき「何?」
さくや「さっきまでへこんでいませんでしたか?」
ゆづき「悩んでてもしょうがないし……わたしの場合、ないわけじゃなくて思い出せないだけだから。きちんと思い出せればいいかなって。」
さくや「結論つけてきたんですね。先輩にしては前向きなご意見ですね。」
ゆづき「……このパーティーに、後ろ向きは似合わないから。」
なつき「ゆづき先輩が空気を読んだ発言を! さくや先輩よかったですね~ 少しは役に立っていたようですよ~?」
さくや「まるでこの発言がなければわたくしの行動は無意味だったといわんばかりの発言ね……?」
なつき「まったく持ってその通りじゃないですか~?」
さくや「あら、この状況でやるの?」
なつき「いいですよ? なつきはいつだって受けてたつのですよ?」
ゆづき「普段なら止めないけど、流石にこの状況で一人放置されるのは嫌なんだけど……言っても、止まってくれないよね、二人とも……」
さくや「いい返事ね。ではきちんと装備も平等な状態で、邪魔なしでやりましょうか?」
なつき「ふふん! 同等装備ならなつきの方が有利です! 補助魔法の力を見せてやるです!」
ゆづき「だよね、言うことなんて聞かないもんね、二人とも。うん。最近のことでわかってた……あれ、そういえば、ツカヅチ……?」
ツカヅチ(私はここにいていいんだろうか……元はといえば全て、私に原因があるのに。なのにここで、一番の被害者と……)
少し離れた場所に、ツカヅチはいた。なにやら古いロケットを手にしている。
ゆづきからは、どんな写真が挟んであるかまではわからない。
ロケットの外装、少々複雑な模様の描かれた重厚なデザインが見えるだけである。
ゆづき「ツカヅチ?」
ツカヅチ「! あ、ああ! ゆづき先輩。どうしました?」
ゆづき「さくやとなつきが喧嘩始めた……止まらないからどうしようかと思ってたの。話し相手になってくれる?」
ツカヅチ「……え、カスミさんとローズさんは?」
ゆづき「2人とも、自分の世界。」
ツカヅチ「……た、確かに私以外に話し相手がいませんね。」
ゆづき「うん……ねえ、さっき見てたロケット。見たいのだけど……ダメかしら?」
ツカヅチ「え? な、何故?」
ゆづき「ん……お願い。」
ツカヅチ「……? はい、これですが?」
ゆづきが見つめるのは中央に書かれた模様とも紋章とも取れる柄。
ゆづき「……やっぱり、この紋章、どこかで……」
ツカヅチ「えっ!?」
ゆづき「ねえ、ツカヅチ。これ、何処で手に入れたの? 教えて? わたし、これ見たことがあると思うの。……こんな感覚、久しぶり……」
ツカヅチ「久しぶり?」
ゆづき「……わたし、さくやには話していないけど思い出していることも少しだけあるの。例えば……地図とか。」
ツカヅチ「え? あれはさくや先輩の……」
ゆづき「おかしいと思わなかった? あれ、別に名前がかいてあったわけじゃないわ。ただ、血の跡がついてただけ。あの一帯は特に後列攻撃は激しくないけどたまたまバックアタック食らっちゃって……その時の怪我でついた血の跡が、あれ。」
ツカヅチ「!」
ゆづき「……さくやに気づかれるとどこからどこまでが本当だか、わからなくなることがあったから。さくや、ずるところあるから、自分に都合が悪いと誤魔化すことも……だから、隠してきたこともあるわ。……わたし、流されるままってわけでもないわ。」
ツカヅチ「でも……事実を指摘されるとしゃべってしまうと?」
ゆづき「……元々、隠し事は苦手……」
ツカヅチ「そうでしょうね……わかりました。この紋章の意味……お話しますね。こんな状況、なかなかないですし。」
ゆづき「うん、お願い。」
ツカヅチ「なんで、このタイミングで正座するんですか?」
ゆづき「え? こういうのって改まって聞くのが礼儀じゃないの?」
ツカヅチ(やっぱり、素でボケてる部分もある気がする。この人は……)
ツカヅチ「そもそもこの紋章は錬金術師が家紋として使っている、そういう類の物なのです。」
ゆづき「? じゃあその紋章がついている物は大体その錬金術師の家の物ってこと?」
ツカヅチ「そうです。大体は杖とか、自分の大切な持ち物につけていますね。あとは製作物。……そう、キメラ、合成魔獣、とか。」
ゆづき「キメラ……?」
ツカヅチ(反応なし、か。まだ無理みたいかな。これ以上は今回はやめておこうか……)
ゆづき「ねえ、ツカヅチ。」
ツカヅチ「なんでしょう?」
ゆづき「ツカヅチは……錬金術師じゃ、ないよね。何でそんなものを?」
ツカヅチ「家がそういう関係でして……私も一応、錬金術師の学科希望も出していますよ? まずは別の学科を体験してからでも遅くないだろうと思いまして。」
ゆづき「そうだったんだ……」
なつき「あー! ここにいたです!!」
さくや「どこにいったのかと、不安になってしまったではありませんか。せめて行くなら行くと一言言ってから……」
ゆづき(……二人とも、聞いてなかったじゃない……)
ツカヅチ「あ、あはは……すみません。ところで。あちらのお二人には行くというのを告げなくてもいいのですか?」
なつき「ああ! カスミとローズを忘れてたですよ! 引っ張ってくるですよ!!」
さくや「はぁ……さっさとこんなところ抜けてしまいましょう……」
おまけ
さくや「拭えぬ過去……ね。……アサミン、拭わせてくれるほど優しい奴じゃないわよ……」
なつき「おやおや~? さくや先輩も回想タイムですか~?」
さくや「あら、わたくしに辛気臭いのは似合わないとでもいいにきたのかしら?」
なつき「いやいや、なつきはみんな仲良しは大好きなのでさくや先輩が回想モードというのでしたら邪魔せず見届けるですよ? だって、後悔しそうもなかった先輩が、考えてくれるようになっただけでも凄い進歩ですもん!」
さくや「貴方は本当にわたくしをなんだと思っているのかしら……これでも前衛を守る後衛よ……?」
なつき「そうですよね、そういうところありますもんね。ですから戦闘以外でもそういうところ見せて欲しいですよ~」
さくや「……! な、わたくしがそういわれてそうするタイプだとお思いかしら?」
なつき(さくや先輩、気づいてないんですかね~ さっき自分がどんな顔してたか。まったく。素直じゃないのもいい加減にして欲しいのですよ。)
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