ここより新と名をかえて再スタートとなる3更新分でした。
カスミ(はぁ……鬱だなぁ……こんなタイミングでショーゴからはメール来るしさ……本当、いつもショーゴってタイミング悪いなぁ……返信、どうしよう……)
なつき「どうしたですか、カスミ? 携帯なんてじっと眺めて? 恋人からのメールでも待ってるですか?」
カスミ「ち、違うよ! 恋人なんていないもん! なんでもないもん! そ、そういえばなつきちゃん。新しい親衛隊のメンバー探しにどうしてこのメンバーで旅をする必要があるの?」
なつき「ふふふ! ようやく聞いてくれたですね! そうです。なつきは考えたのです!」
さくや「どうせろくでもないことでしょう?」
なつき「さくや先輩こそろくでもなかったでしょう!? はっ、いけないいけない、これではさくや先輩の思う壺です!」
さくや(……この子は所々鋭いから弄りがいがないのよね……)
ローズ「え、なんでそのタイミングでさくや先輩は私を見ますか!? 意味がわかりません!」
さくや(やっぱりこっちよね。)
ローズ「あああ!? なんだか嫌な声が聞こえた気がします、誰か!」
ゆづき「落ち着いて、ローズ。……なつき、さくやは放っておいていいから、続けて?」
なつき・さくや「!?」
ゆづき「え、な、なに?」
なつき「あのさくや先輩べったりだった先輩からまさか! そんなお言葉を聞くことになるとは思ってなかったのですよ!」
さくや「え、ええ……ちょっと、意外でした……」
ゆづき「最近わかったの。さくや、構うと調子に乗る。その代表例が前回の大暴走。あれ、よく考えたらみんなでさくやに構いすぎた……だから話を進めたい時はさくや放置しておくのがいいんだって思って。」
さくや「……う……」
なつき「これは強い味方ができたのです! あれ、最初の話題って何でしたっけ?」
カスミ「一言も進まないうちに脱線しまくりだから忘れて当然だよね! じゃあ改めて! 新しい親衛隊のメンバー探しに、どうしてこのメンバーで旅をする必要があるの?」
なつき「それはですね~ ヒルター様の雄姿を、学院だけで留めておくなんてもったいないと思ったからなのですよ!」
ツカヅチ「え?」
なつき「だから、せっかくなので。ドラッケンとタカチホまで活動範囲を広げようと」
カスミ「まって! いきなり話が大きくなってるよ!? あの事件を通してどうしたらその話に行き着くのかがわからないよ!?」
ツカヅチ「確かにすばらしいアイディアだと思いますが……ドラッケンにタカチホって私達、世界一周旅行をするの?」
ゆづき「温泉あるかな?」
さくや「……タカチホになら火山があります。」
カスミ「そこ! さりげなく観光旅行化しないで!」
なつき「いや~ 皆さんいきなり無意味にドデカく話をしてみたのに乗り気で非常になつきも嬉しいのですよ!」
カスミ「まって、この状況、あたしだけついていけてない雰囲気!?」
ローズ「カスミちゃん……お願い、さくや先輩絡み以外でも私に構って……!」
カスミ「ああ! そういえばローズちゃんもいたね! ってかツカヅチさんですら参加してたのに参加してなかったの!? ごめん、本当に気がつかなかった!」
ツカヅチ「私ですらってカスミさんの中で私はどういう扱いなの!?」
ローズ「どうせ、どうせ私はいじめられてないと出番ありませんよ……いじいじ……」
カスミ「え、ちょっと! みんなしてボケに走らないでよ! あたしだってもう少しね、ほら、前回色々あったし! なのにこのテンションずっとはきついんだよ!?」
なつき「これは皆さんなりのカスミを元気付けよう作戦の一環なのですよ!」
カスミ「え! ほ、本当ですか、先輩?」
ゆづき「多分?」
さくや「先輩……そこは同意すべきなのでは……?」
ゆづき「そうなの?」
カスミ「……ゆづき先輩に聞いたあたしが馬鹿でした……」
ゆづき「でも、元気になったならなつきの言う通りでいいよ。」
カスミ「いや、意図せずやっていたということを自白してますよね、それ?」
ツカヅチ「カスミ、ゆづき先輩だよ?」
ローズ「カスミちゃん、ゆづき先輩が考えて発言していると思う?」
さくや「こういう流れでのゆづき先輩の言葉は、思っていることをそのまま発言しただけの場合が多いのよ?」
なつき「明らかにさっきの流れで観光路線を確定させたのはゆづき先輩ですが、絶対素でボケてたですね。せっかくなつきがナイスフォローしたのに皆さんが突っ込むから台無しですよ。」
さくや「なつき、『ナイスフォロー』というのは自分で言う台詞じゃないわ。」
なつき「でもナイスだったでしょう?」
さくや「結果としては、ね。世界一周で何故温泉が出てくるのかわたくしもよくわからなかったけれど。」
カスミ「結局、観光路線はただの流れじゃん……!」
ローズ「でも、最後私がいじけたのは違うからね?」
カスミ「……ごめん、あたし、あれは本気だと思ってた。」
ローズ(ガーン)
カスミ「あああ! 本格的にいじけないでよ!!」
ゆづき「やっぱり、カスミは騒がしいぐらいの方がパーティーが明るくなっていいわね。」
さくや「……あら、騒がしいのがお好きだったんですか?」
ゆづき「さくやは、嫌い?」
さくや「わたくしは……」
なつき「あーあ。カスミがローズに止めさしたです。せっかくローズはわざといじけてあげていたみたいなのに~」
カスミ「……正直に答えてね、なつきちゃん。なつきちゃんもローズちゃんのあれ、本気だと思ってたんじゃない?」
なつき「それはもちろんですとも!」
ローズ「えええ!? 私、そんなにいじけてますか!? いじけすぎですか? 酷い、酷すぎる扱いです!」
ツカヅチ「……その行動が、原因なんだと思うんだけどな……」
さくや「……その質問の答えは。世界一周旅行が終わってからさせていただきます。」
ゆづき「そう。じゃあ待ってるわね。……約束よ?」
なつき「で、目的地なのですが。……さっきゆづき先輩がさりげなく温泉いいましたので、温泉がありそうなタカチホの方にいくですよ~!」
さくや「あら、わたくしがタカチホにあるといったのは火山よ?」
なつき「さくや先輩? なつきのこと馬鹿だと思ってますね? なつきだって知ってるですよ。火山あるところには大体温泉もあるってこと。一応、気にしてはいたのですね。前回の件。」
さくや「人を悪女みたいに言わないでくれる? 今回の件でみんな疲労困憊でしょう? 温泉は悪くないと思うというのは素直な気持ちよ?」
ローズ「……確かに、カスミちゃんとか結構張り詰めてたし……さくや先輩の策謀だったとしても! きちんと警戒してれば問題ないよね!」
さくや「……貴方、本当面白いことを言うわよね、ローズ……さっき、悪女みたいに言わないでって、言わなかったかしら……?」
ローズ「え、あ! わ、私温泉に沈められるかも! もしもの時はよろしくね、カスミちゃん!」
カスミ「もしもの時ってどういう時!?」
なつき「どざえもんですか~? いやですよ~ リーダー変わった瞬間に死者が出たなんて。そうなる前に助け出すですよ。」
ゆづき「うん、引っ張り出すから大丈夫」
ローズ「そうなる前に助けてくださいっ!」
ツカヅチ「……あの、私、男……温泉はいる前提だと、一人完全に孤立……」
カスミ(……みんな、気にしてはくれてるんだ。……でも、でもなぁ……まだ気持ちの整理ってのが……こんな状態でお兄ちゃんに会っても、心配させるだけ、かなぁ……ごめん。お兄ちゃん。……少し、嘘つくよ?)
『返信、遅くなってごめんねー!ってお互い様か。
こっちもちょっと立て込んでて……(^^;)
大丈夫、あたしは元気だから気にしないでね!
お兄ちゃんはドラッケン? あたし達もドラッケン予定だよー
ドラッケンで会えるといいね!』
おまけ
ゆづき「……タカチホかぁ……」
カスミ「あれ? ゆづき先輩? タカチホに何か思い入れが……ってあれ? 記憶喪失じゃありませんでしたっけ、先輩って。」
ゆづき「ええ、そうよ。でも……」
カスミ「でも?」
ゆづき「タカチホの制服、好き。凄く好き。」
カスミ「……え、制服??」
ゆづき「制服だけじゃなくて武器とかも凄く風情あるわよね。凄く好き。」
カスミ「え、も、もしかしてゆづき先輩ってタカチホ大好きだったりします?」
ゆづき「……多分。でも、なんでだろう? ……いっちゃいけない、そんな気もするの。」
カスミ「???」
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