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2010年12月30日に公開しました、第2PT第8話です。
2更新分で、何故か題名が親衛隊寄りの話となっています。

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ゆづき達はプリシアナ学院にしばらく残るらしいとのことを聞いたロビン達は3学校交流クエストを受領し、まずはタカチホへと歩を進めていた。

ロビン「しかしなんでドラッケンは最後にしたんだ、ナーシャ?」

ナーシャ「何? 何か問題でもあるの?」

ロビン「いや、ないけどさ。でも珍しいなと思って。ナーシャが行く場所を指定するなんて。」

ナーシャ「……そうね。でも、ドラッケンは最後がよかったの。何か文句でもあるの?」

ロビン「いや、ないっていってるだろう?」

ナーシャ「ならこの話はこれで終わり。」

ロビン「だけど」

ダイ「ほ、ほら、ロビン。しつこいのは嫌われるよ?」

ナーシャ「ダイの方がよほど女性の扱いがわかってるんじゃない?」

ロビン「いや、でも気になることは」

あっちゃん「でもタカチホはわたし達も賛成よ~? ね、リュー?」

リュー「そうね……ようやく、ゆづきの話をタカチホの許婚にできるしね。」

ヒルター「許婚、だって?」

あっちゃん「そうなのよ~ わたしはあまり詳しい話は知らないけれど、ゆづきってタカチホのあたりの出身みたいなのよね~ そうだったわよね、リュー?」

リュー「ええ。よく覚えてたじゃない。しかも結構いい所の家系。少なくとも、許婚がいるぐらいにはね。でも本人はそもそも乗り気じゃないし……プリシアナに入学したのも、許婚から逃げるとかそういう理由だったはずよ。……はずってのは、本人から聞いた話じゃないから、だけど。」

あっちゃん「リューって許婚の相手側の人からゆづきを連れ戻して欲しいっていう潜入入学なのよね~ だから余計に本人には聞きづらかったのよ~ わかってあげて~?」

リュー「ちょ、ちょっと! アタシが説明すべき台詞をとらないでよ! ……その、アタシは、無理にゆづきを連れ戻す気もなかったんだけど……」

ナーシャ「あら。お姫様が一人出て行って、追っ手が来るなんてよくある話じゃない。」

ダイ「ないよ! そんな話なかなかないよ!」

ナーシャ「……小説の中で。」

ダイ「そ、それを早く言ってよ! 確かに、小説とかだとドラマチックなシチュエーション作るためによく使われる手段だとは思うけど……」

ナーシャ「ついでにその追っ手がお姫様を好きになって……あ、これは女同士だから成立したらまずいわね。」

ロビン「……追っ手が、あのプリシアナで交戦した時の状態のさくやさんだったらって思うと現実味を帯びてぞっとするけどな?」

ダイ「ロビンでもそう思うことあるんだ……」

ロビン「流石の俺でもあの時のさくやさんは異常だと思った! 元の道に戻してやらなきゃと思った!」

ナーシャ「あんたは結局そっちの方向に走るのね……!」

ロビン「あ! な、なんでこれでナーシャが怒る……ああ、そうか! そういうことか! そこまで思われているとは嬉しいけど、俺は今はナーシャ一筋だから安心していいぜ!」

ナーシャ「今は、ってなに、今はって!」

ヒルター「脱線が多いな……ゆづきの話をしていたはずなのにいつの間にさくやの話に飛び、ナーシャとロビンの話になっているんだ?」

あっちゃん「でも想定内ですから~ そもそもこのメンバーで脱線しない方がおかしいのよ~」

リュー「そうね、アタシも結構脱線する方だし……って話してるアタシが脱線しようとしてどうするのよ!」

あっちゃん「そうね~ なんだかんだでリューもノリいいほうだしね~ ほら、続けないと本当に脱線しっぱなしになっちゃうわよ~?」

ロビン「あ、ごめんごめん。続けてもらっていいかな?」

リュー「ゴホン、では続けるわね。アタシは無理矢理連れ戻すことなんて考えてなかったけれど、だけど形式上は振りぐらいはしないとだめじゃない? だから入学早々、ゆづきにお願いしてパーティー組んでたの。もちろん、連れ戻すための潜入ってのは伏せて。もっとも、気づかれていたと思うけど。」

ダイ「あ、それが以前はリューさんとゆづきさんのコンビ、という話になるわけですね。」

リュー「ああ、そういえばダイには昔コンビだって話してたわね。そう、そういうことなのよ。だから入学以前、って話の場合、さくやよりはアタシの方が詳しいのよ?」

あっちゃん「多分だからでしょうね~ さくやがわたしたちを避けてた理由。記憶喪失だなんて知ったら絶対、タカチホ連れて行くだろうな、って思ったんじゃないかしら~ 生まれ故郷なわけだし~」

ナーシャ「まって? その話だとさくや『も』ゆづきさんがタカチホ出身だということを知って……」

リュー「ゆづきの出身の話だけは元パーティーのみんな知ってるわよ。でもタカチホに許婚がいるって話はアタシとあっちゃんぐらいしか知らないと思うわ。だって……」

あっちゃん「リューがゆづきと組んで、その後に加入してるのはわたしだもの~ その時にたまたま聞いた話だし~ それでわたし、興味あっていきたーいって話になって、タカチホへ行ってるの~ ゆづき乗り気じゃなかったけど~ そしてさらには会ってるの~ ちなみにゆづきはその時だけは嫌がって宿でふてくされてたわ~」

ロビン「ふてくされるって……」

リュー「……ゆづき、本当に嫌なことがあると結構愚痴るのよ……で、しかも態度物凄く悪くなるから丸わかりで……」

あっちゃん「あれは酷いわよ~ もう二度とあんなゆづき見るものかって思ったもの~ だからわたしもゆづきは本気で怒らせないようにしてるの~」

ナーシャ「……貴方が、気をつけるって相当よね……わかったわ。ワタシも気をつけるわ。この調子だとまた会う事になりそうだし。」

ヒルター「しかし……ゆづきの許婚とはどんな人物なんだ? 興味があるな。」

あっちゃん「なんと! フェルパーのイケメンさんよ~ あれはフェルパーの中じゃかなりの上玉よね~」

リュー「まあ、カッコいいか悪いかって言われればカッコいい部類だとは思うけど……ヒルター様より落ちるわね。じゃなくて! いいところの坊ちゃんなんだけど……ちょっと、性格に問題が……アタシが連れ戻す気がなくなる程度には、問題が。」

あっちゃん「つまりは普通じゃないってことよね~」

ダイ「ああ……リューさんは普通の人ですもんね。」

ロビン「このメンバーで誰が一番普通かといわれたら、リューさんだな。」

ナーシャ「というか、本人認めてなかった? 自分はノーマルだって。」

リュー「なんというか、突っ込みたい所は沢山あるけどこれだけははっきり言わないとダメよね。ナーシャ! それはそういう意味じゃないから!

ヒルター「平均的に物が見れるというのはある意味才能だ。誰しもできることじゃない。人は必ず自分を中心に考えてしまうものだからな。……リューは、凄いな。」

リュー「いえ、そういう意味でもないんですけど! ……まあ、一般感覚に近い? いや、そもそも一般感覚って何って話なんだろうけど……とにかく。許婚側にゆづきが学院に今もいる理由の説明ってのがアタシまだしてなかったのよ。そろそろ説明しないとまずいかなと思っていた頃ではあるのだけど……」

あっちゃん「そもそも何でゆづきが単位もとらずに親衛隊活動なんかしてたのかがわからなかったから説明のしようがなかったのよね~」

ヒルター「……確かに。」

ナーシャ「なるほど、だからタカチホは都合がいいってことね。納得。」

ロビン「俺的にはナーシャがドラッケンを嫌う理由も気になる所だけど……まあ、それはまた今度にして。早くタカチホに着くようペースを上げようか。ゆづきさんも親衛隊の件が片付いたから、タカチホへ移動する可能性もある。それよりも先に説明しないと色々まずい。」

あっちゃん「そうね~ さくやも引き止める理由がなくなっちゃったから、話が出たら移動しそうよね~」

リュー「せめてあいつにだけはきちんと説明しておかないと……大事になりかねないわ。」


ロビン(あっちゃんさん、ありがとな?)

あっちゃん(何が~?)

ロビン(あの時さ、話題変えてくれたんだろ? わりぃ、どうしても聞きたいなって思ったら、ついさ。)

あっちゃん(いいのよ~ 誰しもそういうことはあるもの~ でも今度は気をつけてね~? 今度は助けるかわからないわよ~?)

ロビン(わかった。ホント、ありがとな。)


あっちゃん(……ありがとうはこっちよ。別に言わなくてもいいありがとう、なんて……言葉にできる方が珍しいんだから。)

こうしてロビン達は足早に拭えぬ過去の道を後にした。


おまけ
ナーシャ(まさか設定被りがいるとは思ってなかったわ……それもあの先輩……)

ロビン「? ナーシャ、どうした? そんなところで考え込んで?」

ナーシャ「ねえ、ロビン。ゆづきさんって、ロビンの好み?」

ロビン「ハァッ!? 突然何を……なるほど、俺のナーシャへの愛が」

ナーシャ「真剣に答えて?」

ロビン「……まあ、悪くはないと思うよ。好みかって言われるとナーシャには劣るがなしではない。」

ナーシャ「それ、真剣?」

ロビン「真剣だよ。」

ナーシャ「ふーん……」

ロビン「? 変なナーシャだな……」

----↑ここまで↑----

色々拡張部分が存在しています。
主にゆづき関連が1話題追加の他、ロビンフォローのあっちゃん及びフォローに対してあっちゃんの意味深発言。
それぞれが現在進行中のドラッケン編への布石追加の形となっています。

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