2010年ラスト更新はこの話で、全3構成編成でした。
無事、ドラッケン学園につき休息のひと時を過ごしていたブレーミーたち。
ブレーミーとショーゴは何気ない会話をしているとショーゴのポケットから着信音が……
ショーゴ「む?」
ブレーミー「どうしたの?」
ショーゴ「いやなに。携帯がな。」
ブレーミー「あれ? そういえばショーゴって携帯持ってるんだ。意外~」
ショーゴ「妹との連絡用にな……はっ、あの時携帯を使っていればよかったんだ! 鳴らせばカスミだって気づいていたはず!」
ブレーミー「プリシアナッツの時? 今更思い出しても……あれ、鳴り止んじゃった。」
ショーゴ「ああ、この着信音はただのメールだ。……なになに。『ショーゴ、久しぶり!\(^○^)/ ねね、突然で悪いんだけどこの人の名前知らない?(^^;)』……」
添付ファイルには黒……いや、グレーか? 短髪のノームの写真。
しかも男である。
ショーゴ「俺がわかるかぁぁあああ!」
ブレーミー「あれ、これマー君じゃん! 女の人2人に挟まって何してるのさ。ってあれ、この2人もどこかで……切れててわかりずらいなぁ……」
ショーゴ「は?」
ブレーミー「ん? ああ、これね、知り合い。名前はね。マクスラーク。」
ショーゴ「お、おおお! は、初めてお前と一緒にいてよかったと思っているぞ! どれどれ、さっそく返信……」
ブレーミー「あれ、でもこのメールおかしくない? ほら、時間のところ。」
ショーゴ「む? むむむ……何故、何故日付になっている? 何故今さっき受信したのに日付なんだ。こういう時はいつも時間がでているのに。しかもこの日付は……4日前だと!?」
ブレーミー「もしかして……ほら、ショーゴ……ボクらさ、スノードロップとダンジョンいったりきたりだったじゃん? あの辺って明らかに電波悪そうじゃん? だから今の今までまともに受信できなかったんじゃないかな? 流石に洞窟内に電波塔建てれないしさ。」
ショーゴ「なにぃぃぃぃ!」
ブレーミー「どうする? この手のメールって返信速度が重要じゃん? 今から、どう返すの? もう数日前のだよ?」
ショーゴ「う、うむむ……」
シアン「ん? 2人で何してるんだよ。」
ブレーミー「あ、シアン! あのね、ショーゴの妹さんからの写真つきのメールの返信をどうしようかって話。はい、これ写真。」
シアン「ん? メール? 携帯の? 珍しいことしてるんだな。こんなの道具袋使えば一発じゃん。あー でも結構綺麗だな、この画像。ノームの奴の顔、はっきりわかるじゃねーか。でもこれ誰だ?」
ブレーミー「四次元袋だもんね、この袋……でも同じ学院内でしか使えないから結構不便だよ? そういうこと考えると声も運べる携帯って結構便利……あ、そうだ!」
ショーゴ「何かいいアイデアがあるのか!?」
ブレーミー「そうだよ、このシーンがどういう状況かがわかれば返信しやすいじゃん! まだ答えが出てなければラッキーだし、間に合わなかったら間に合わなかったできちんと謝罪から一応答えに入ればいいし!」
ショーゴ「む? ま、まあそうだな。だが直接聞く訳にも」
ブレーミー「いったでしょ? マー君とは知り合いだって。」
そういうが早いか自分の携帯を操作し始めるブレーミー。
シアン「なるほど。写真の奴に聞きゃ早いってか。」
ショーゴ「確かに。どういう状況下で撮られたのか、それがわかれば返信もしやすいが……バレやしないか?」
シアン「そこはお前が上手くやれよ。」
ショーゴ「……すまん、アドバイス頼むぞ。」
ブレーミー「……あ! マー君! ひさしぶりー 元気だった?」
マクスラーク「おや、ブレーミー君か。……突然すぎるだろう、このタイミングは。」
ブレーミー「あれ、まずかった? まずかったらかけなおすけど?」
マクスラーク「いや何。僕は構わない。しかしいいのかい? 今、僕は君のお姉さんと一緒にパーティー組んでいるんだよ? ばれたらまずいのだろう?」
ブレーミー「流石マー君! そこまで気にしてくれるなんてやさしいなぁ! でもそれだけ話せるってことは今は離れてるってことだよね?」
マクスラーク「……まあね。君からの着信とわかった地点で離れたよ。僕だってドジしないわけじゃないからね。で、用件はなんだい? あまり離れすぎていても不審がられてしまうよ。」
ブレーミー「ごめんごめん。あのさ。マー君ってさ。青髪で短髪のヒューマンの女の子で『カスミ』って名前の子と知り合いだったりする?」
マクスラーク「む? どこでそんなことを調べたのかな? 確かに最近知り合ったが。」
ブレーミー「そのとき写真撮られた?」
マクスラーク「……覚えはないが、撮られた、としたらその時だろうね。どうしてだい?」
ブレーミー「いやね、ボクの仲間に知り合いがいてね。それで今ちょうどその話題になったから。」
マクスラーク「……そ、それだけでかけてきたのかい? 君らしいといえば君らしいが……」
ブレーミー「ん、ちょっと待っててね。」
ブレーミーは自分の携帯電話のマイク部分を押さえる。
ブレーミー「やっぱり知り合いだって。でも本人撮られたか覚えがないらしいから、隠し撮りっぽいよ、それ。」
ショーゴ「……か、カスミ……まだ、ヒルターのほうがいいぞ……」
シアン「た、確かにこいつよりはまだヒルターのほうがかっこいいよな……」
ブレーミー「あはは……で、ちょっとついでに話したいことを思い出したから、2人とも外してくれる?」
シアン「……なあ、こういう時って普通、自分が外れるんじゃね?」
ブレーミー「えー まあいいけど。」
そういうが早いか上空へ待避するブレーミー。
シアン「……え?」
ショーゴ「やけに素直だったな。何か重要なことだったのか? 少し悪いことをしたな。」
ブレーミーはマイク部分を覆っていた手を外す。
ブレーミー「ここなら聞こえないかな……」
マクスラーク「どれくらい離れたかは知らないが……君が大丈夫だと思うのなら、多分大丈夫だろう。」
ブレーミー「さっきはありがと。それで話題はだいぶ変わるけど……ねぇ、マー君。カスミちゃんの頭髪って採取したの?」
マクスラーク「は? 君は何を言っているのかね? 確かに頭髪も毛髪というぐらいだ。毛には違いないが……」
ブレーミー「だって、青じゃん。カスミちゃん。それも鮮やかな青。」
マクスラーク「む……まあ彼女のあの青い髪は印象的だったが。」
ブレーミー「あれもそう。結構鮮やか。……ねえ、こうは考えられない?」
マクスラーク「聞こうか。」
ブレーミー「あそこにいたのは長髪だった頃のカスミちゃん。で、短髪にしたのはあの事件以降。理由はそっちの方が似合うと思ったから、とか。」
マクスラーク「それはちょっと発想が飛躍しすぎていないかね?」
ブレーミー「遠くから行動を見ていても彼女が単純な理由で髪形変えそうなタイプ、って思ったんだけど、マー君はどう思った?」
マクスラーク「確かに、結構単純そうな所はあったね……だが、しかしだね……それだけで彼女と言い切るのも」
ブレーミー「じゃあさ、シアンとかそっちのちあきさんの結果はどうなのさ?」
マクスラーク「……シロだよ。シロだった。君のお気に入りのシアン君も。こちらのボクの愛しのタスク君を独占するちあき君も。シロさ。あの事件以降、色々な毛を調べてみたが……もう毛髪ぐらいしか調べる毛がないかもしれないな。」
ブレーミー「……でしょ? でも、今このタイミングでシアンがシロってのが聞けるのは嬉しいかな。」
マクスラーク「ふふ、シアン君も幸せ者だね。君に好かれるなんて。」
ブレーミー「ち、違うよ! 確かに好きは好きだけどさ。Love! じゃなくてさ。Likeだよ。」
マクスラーク「そうかいそうかい……そういう所は似ているね。」
ブレーミー「もー! マー君の意地悪! ……さて、そろそろ戻らないと2人が可哀想かな?」
マクスラーク「ははっ、とんだ長話になってしまったな。僕もそろそろ戻ろうか。君は今、ドラッケンかい?」
ブレーミー「そうだよ? よくわかったね。」
マクスラーク「仲間が出来たらドラッケンへ行きたいと以前からいっていただろう? こちらに声が聞こえるぐらい元気のいい仲間達と一緒なら、もうきっとドラッケンにいるんだろうなと思っただけだよ。」
ブレーミー「さっすが、マー君! そうだ、マー君は?」
マクスラーク「しばらくプリシアナっぽいよ、僕らは。……もし、カスミ君に会うことがあったら。」
ブレーミー「うん、ショーゴにお願いしてカスミちゃんの頭髪、採取するよ。」
マクスラーク「ふむ。すまないな。しかしドラッケンか。例の件も、頼むよ。」
ブレーミー「うん、了解だよ! マー君も気をつけてね!」
マクスラーク「ああ、君も、気をつけて。」
ブレーミーは携帯をしまい、地上の2人に向かって飛んでいった。
おまけ
ニーナ「……えっと。おひねりはいらなかったのですが……」
???「いいさ、もらっときな。アタシからの、せめてもの気持ちさ。」
ニーナ「そういう気持ちで踊ったのではないので。ですので……」
???「こういう時に貰ってもやらないと逆に人の気持ちを傷つけることになるよ? 覚えておきな?」
ニーナ「え、あ、はい……」
ユッキー「……雷華姉? なぜ……いや、ここはドラッケンだったな。当然か……見つかる前に逃げるか。」
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