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2010年12月26日に公開しました第3PT第8話です。
休日でしたので2更新分です。

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ブレーミー「さぁ! 昨日はよく眠れたし! 断たれた絆の道、いってみよーー!」

シアン「待て待て待てぇえい!!」

ブレーミー「どうしたの? いつものごとく。」

シアン「どう考えてもね。レベルが足りないの。わかる? 俺ら下手すれば一撃よ?」

ブレーミー「そんなのわかってるけどさー 正直さっさとボク、ドラッケン学園いきたいんだよね。

シアン「やっぱりお前の都合かよ!!」

ユッキー「む? ドラッケンに向かっていたのか?」

ヨシマーサ「なんでドラッケンに? 用事なんてないだろ?」

ブレーミー「用事がなければいかないよ! ちょっと調べ事があってね。そういうことならやっぱり伝統あふれるドラッケンかな~ って思ってね。」

シアン「そういやお前、一応はジャーナリスト科だっけか……なんかそういう課題でも出てんのか?」

ブレーミー「そういうわけじゃないよ? でもね、ちょっと古い書物の方が都合のいい調べ物なの。」

ニーナ「確かにあそこは古い書物も揃っていそうですよね……私、個人的にも興味がありますね。」

ショーゴ「ふむ確かに。そういう用事ならばドラッケンも悪くないんじゃないか? レベルは不安だが。」

ブレーミー「それはお任せ! 何のために昨日買出しに出てたと思っているのさ!」

シアン「……え、ミトンだろ? 違うの?」

ブレーミー「チッチッチッ……確かにそれも目的さ。でもね、メインはこっち!」

道具袋には大量のけむり玉。
けむり玉以外の物が入っているのか確認できないほど大量に。

ニーナ「……ま、まさか。」

ブレーミー「シアンはものすごーく足が速いんだよ? これを使わない手はないよ!」

シアン「つまり、行きがけの戦闘は全部逃げちまおうと?」

ブレーミー「ううん。3匹ぐらいまでの時は、相手するの。」

ユッキー「なるほど……袋叩きにしてしまおうというわけだな。悪くないな。」

ヨシマーサ「確かに相手の方が強いぐらいの方が経験値は入るからなぁ……」

ブレーミー「ね? 何とかなりそうな気がしてきたでしょ?」

シアン「少しだけ……な?」 

ニーナ「その袋叩きの際って……も、もしかして私は……」

 

ブレーミー「ニーナさん、ごめんね? ほぼ毎回踊ることになるよ?」

ニーナ(……体力、持つかしら……)

しかし、逃げ足は速いこのパーティーにもいくつか欠点があった。

ニーナ「キャア!」

ブレーミー「あ! ニーナさん!」

ショーゴ「す、すまん! 真っ暗で何も見えなかった! ショック床を気にしすぎてショックウォールを……」

ブレーミー「言い訳は後だよ! えっと、帰還札の準備、と……」

シアン「ギャアア!」

ブレーミー「ええ!? そっちがショック床なの! うわぁ……進みにくいなぁ……」

ユッキー「マップを貸せ。きちんと全部罠を書き込んで進むぞ。戦闘はそうだな……まだシアンはギリギリ生きてる。シアンが倒れるまでは書き込みながら逃げるぞ。」

ヨシマーサ「それしかないでしょうね。ほら、シアン。ヒールだ。もう少しがんばれやがれ。」

シアン「す、すまん……」

ブレーミー「ユッキー、結構細かく書き込むね……ねぇ、本当なんで引きこもりなんてやってるの?」

ユッキー「だから。俺は不良だ……ああ、いざとなったらお前が帰還札を使うんだぞ。浮遊持ちはお前だけになったんだから。」

ブレーミー「違うでしょ。一応、ユッキーに浮遊付のアクセ渡したじゃん。でも、ここのダークゾーン書き込んだら一度出るよ。ニーナさんいないんじゃ経験値がもったいないしね。」

ヨシマーサ「……まあ、戦闘回数考えると、そうなるわな。」


ニーナ「……これは……戦わないと……進めませんよね……」

ショーゴ「MPなし。ふむ。絶体絶命だな。」

ブレーミー「うーん。低レベルでやってきた弊害が出たね。仕方がない。マップを埋めつつ宝箱探そう? レベル上がればMPも回復するよ。」

シアン「何でそこで宝箱!?」

ブレーミー「だってただレベル上げのために戦闘なんて嫌じゃん?」

シアン「お、お前は……」

ニーナ「目的があった方が進みやすい、って言ってるだけですよ。そう怒らないであげてください。」

シアン「……確かに。言い方の問題か……流石ニーナさん、フォローもお上手ですね。」


シアン「あ、危なかった!」

ブレーミー「シアンってさ。盗賊の割には結構罠解除失敗するよね?」

シアン「罠自体には当たってねぇーよ。……レベルのせい。レベルの。」

ショーゴ「確かに。罠の種類はまともに当たっているしな。罠が解除できんだけで責めるのも悪かろう。」

ユッキー「よかったな、低レベルで。レベルのせいにできるぞ。」

ヨシマーサ「レベル上がったら言い訳なんかさせねぇーからな?」

シアン(え、俺ってレベル上がらないほうが安全じゃね?)

このような調子で何とか切り抜けつつ、
奇跡的にも出入り口付近までたどり着いた一行だったが……

ブレーミー「まった!」

シアン「え、なんでだよ。この先がドラッケンだろ? さっさと」

ブレーミー「シアン、こういう時はお約束という物があるんだよ?」

シアン「お約束?」

ユッキー「RPGの物語の締めくくりといえばあれだな。」

ヨシマーサ「そうっすね。締めくくりといえばあれですね。」

ニーナ「……そんなお約束、なくてもいいのに。」

シアン「え、つまりまさか。」

警備員「なんだ貴様ら!!」 

ショーゴ「……倒して、証明しろと、そういう展開っぽいな……」

 

シアン「そんな熱血展開いらねえええええ!!」

結局ブレーミー達は何十ターンもの時間を費やし何とか(毒によって)警備員達をなぎ倒し、
見事ドラッケン学園に入ることができたという。


おまけ
ニーナ「……あの。ブレーミーさん?」

ブレーミー「何ですか、ニーナさん?」

ニーナ「何で、私だけさん付けで、他はみんな呼び捨てなんですか?」

ブレーミー「? 気になるんですか?」

ニーナ「その、私は特別なのは嫌なので……呼び捨ててもらってもいいんですよ?」

ブレーミー「……ボクなりのけじめなんだけどなぁ……でも、特別が嫌ってのはわかるし。わかった。これからはみんなと同じようにするね!」

ニーナ「はいっ」

暗い通路。『断たれた絆の道』という不吉な名前。
それでも明るい笑顔で繋がれた絆も、ここにはあった。

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