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2011年1月4日~6日に公開しました第1PT第9話です。
3更新分です。なんだか、1年前のものをUPしてる形になってきました(汗)

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アサミン「な・ん・で! 約束の雪原なのよ……!」

ちあき「いえ、その。本当にごめんなさい……」

アサミン「……いいわよ。ちあきさんが頼まれ事断れないのはわかっているし、ここを毛嫌いしてるのは私の勝手。ちあきさんがあやまることじゃないわ。」

マクスラーク「その、謝ることないわ、のくだりは君の口癖のようになってしまったね。そもそも君もそこまで卑屈になるようなことはしていなかったわけだろう? やめたまえ。」

アサミン「こればかりは性格。やめろといわれてすぐにやめれるようなものじゃないわ。」

タスク「うう……早く終わらせて戻ろうぜ。寒いのはオレも嫌だし。」

マクスラーク「しかしこのタイミングでここにこれるとはね。」

ちあき「マクスラークさん?」

マクスラーク「ああ、気にしないでくれたまえ。こちらの話だ……前に来たときはまともに調べられなかったからね……」

タスク「調べる? 何を?」

マクスラーク「む、タスク君もいたのか……ふむ。さて。どうするかな。」

タスク「なんだよ~! 何かあるなら教えてくれたっていいじゃんか!」

マクスラーク「そうも可愛くはしゃがれると、僕は君をどうしたらいいかわからなくなってしまうよ……ふむ。そうだね。……理由は、そうだね。行きがけに話そう。……だから、ゆするのはやめたまえ、タスク君……」

タスク「途中気持ち悪いこといったから掴みかかっただけじゃんか……」

タケシ(タスクさん、このメンバーじゃあんたが一番力強いんっすよ。そんな全力で振り回したら生命力ないマクスラークさん、倒れるっすよ……気づいてあげて欲しいっすよ……)


アサミン「ねえ、何でこっち? こっちじゃなかったはずでしょ、雪男の目撃情報。」

マクスラーク「何。それほど急ぎというわけでもあるまい。少しぐらい寄り道してもいいじゃないか。」

アサミン「でも、こっちは!」

ちあき「プリシアナッツの木が、ありますよね。」

ミュール「誰も確か受領してないから化け物は出ることないと思うけど……」

アサミン「でも、だけど!」

マクスラーク「落ち着きたまえ、アサミン君。まず、間違いなく。キメラは出ない。」

タスク「キメラ?」

マクスラーク「ああ。ほら。ゆづき君が記憶喪失になった事件……あの時の化け物はね、キメラ。合成魔獣だったのだよ。」

タスク「ごうせいまじゅう?」

ちあき「……あまり有名じゃないけど。モンスターとモンスターを錬金術の技術を使って混ぜ合わせた、モンスターのことですよね?」

マクスラーク「そうだよ。何故かあの時に限って、そいつがいたのだよ。」

アサミン「……自然に出てくるはずがない。でも、あの時はあそこにいた。でも学院側がクエストのために用意したモンスターだってキメラはいるでしょう? 実はクエストの際に出てくる氷の魔獣。あれが本当はキメラで、あの時のあれは失敗作って可能性だって……」

マクスラーク「ないね。僕ははっきりと見ていないが。間違いなく。あのキメラには学院以外の誰かの、家紋が彫られていた。」

アサミン「! な、なんでそれを話さなかったのよ!」

マクスラーク「僕はゆづき君が話してくれると、そう思っていたのだよ。話せないのは事件のいざこざのせいだともね。だからこそ僕は、君とさくや君の和解を優先して今まで動いていた。」

アサミン「え、まって? どうしてそこでゆづきが!」

ミュール「えっと。その事件って。結局、ゆづき先輩が味方庇って一番近くで戦ってたんですよね? 紋章みたいなのがあるなら、見てるかもしれない。」

アサミン「!」

マクスラーク「そうなのだよ……確かに僕はそれらしい紋章を見た。しかし遠目だ。はっきりとは言い切れないし、もしゆづき君が見ていないといえばそこまで。だからゆづき君に託すしかなかった。しかしゆづき君が記憶喪失……計算違いだ。だからだ。誰の物かは後回しにする。どこで作られたのか。どういう経緯であそこに現れたのか。それを確認したい。」

ちあき「……? でも、おかしくないですか? どこで作られたかなんてそれこそわかるはず……」

マクスラーク「アサミン君もいったあれは失敗作だ。作られたと同時に暴走している。近くで作られたとみていい。そして、人を1人、襲っている。」

タスク「ええ!? だけどさ。プリシアナッツの木付近でそんな事件があったなんてそれこそ噂でしか」

アサミン「そうよ、目撃者なんていなかった! いるはずがなかったじゃない!」

マクスラーク「だが。……あの場に不釣合いな青い毛が、キメラに付着していたのだよ。僕とゆづき君は黒、あっちゃん君は白、アサミン君とさくや君は金、リュー君は……あれは茶なのか? 黒なのか? どちらにせよ。青はいない。」

ちあき「青……青!?」

マクスラーク「ちあき君。僕は最初、君を疑っていたのだよ。君も、青毛だからね。タスク君の毛……確かに魅力的ではあった。しかし。君も、僕の目的だったのだよ。」

アサミン「……あんた。最初から……!」

マクスラーク「アサミン君は可愛い物好きだからねぇ。もし、ちあき君にあっていなくてもあわせていただろうね、僕は。」

アサミン「何、結局私はあんたに動かされていたってこと?」

マクスラーク「そんなに怒らないでくれたまえ……この事件をきちんと解決しなければ、前に進めない。そういう人間も世の中には少なくとも、2人いる。だからね。……気分を害したなら謝ろう。すまなかったね。」

タスク「ふーん。でも確かに。これ以上先に進めようと思ったらゆづきって人の記憶がもどるの待つよか現場に戻って調べた方が早そうだよな~ うん、せっかくだから行こうぜ!」

ちあき「……アサミンさん、ごめんなさい。付き合っていただけますか? タスク、どうも前の事件で何もできなかったのを悔やんでるみたいで……」

アサミン「……まあ、いいわよ。それに、私も無関係じゃないしね。」

タケシ「そうと決まれば! もう大分前の話っすから、まずは木とか、崖の辺りに傷が残ってないかとかの調査っす!」

ミュール「あとは周辺に洞穴みたいなのがないか、とかも。やっぱり錬金なんだし、それなりの準備ができる場所を確保する必要があるだろうし……」

マクスラーク「……本当、みんな、残っていないかもしれないのに……すまないね。」

アサミン「ほら、私は上から見てあげるわよ……何か、上からじゃないと確認できない重要事項とか、ある?」

マクスラーク「……位置関係をこのメモに。僕は当時の流れからどの方向が怪しいかをもう一度確認するよ。しかし君が一番、辛いだろうに……」

アサミン「……進めないのは、私も一緒だもの。これで3人でしょ。」

マクスラーク「そうだね……ああ、それと」

アサミン「なに?」

マクスラーク「僕はさっき、ゆづき君が話せるよう、君とさくや君を和解させたいといったが……僕はまた、あの時の6人でパーティーを組みたいと思っているんだよ。だから、ゆづき君の件がなくても和解させる気ではいるよ? 忘れないでいて欲しいね。」

アサミン「なによ、突然」

マクスラーク「……進めないと、言ってくれたからね……全て終わらせて、また6人で、進めたらいいなと。思っていて、それが実現できそうだったからから、いっただけだよ。」

アサミン「そう。じゃあ果てしなく長くなりそうね。またあの時のあの6人のパーティーでの再結成は。」

マクスラーク「……当人がそういってしまうのかい……これは、手ごわそうだね。」

プリシアナッツの木から大分離れた場所。
ミュールはそこに小さな洞穴があるのを発見した。
そこには生徒手帳が落ちていた。

ミュール「これ、ヨシの……あいつ、ここへ来たの?」

ミュール(……これは、今回の件とは、関係ないよね。あいつがキメラなんかと関わる理由なんてないもの。)

ミュールは生徒手帳を自分のポケットへ押し込むと他のメンバーの下へと戻っていった。


おまけ
タスク「うわ! 本当に洞穴だ! 6人ぐらいは入れそうだよな~」

ミュール「外から見るよりは広いわよ? ただ、最近使われた後があるから多分関係ないわよ。」

マクスラーク「確かに。ここで作業をするにしてもちょっと目立ってしまうしね……ん?」

ミュール「どうしたの?」

マクスラーク「これは、毛か。……紫。ミュール君の毛かな?」

マクスラークは紫の毛をさっと懐へと締まった。

ミュール「目の前でやらないでよ……」

マクスラーク「はは、気にしないでくれたまえ。君も言ったように、ここはおそらく事件には関係ないよ。他を当たろう。」

ミュール「そうね。さっさと出ましょう。」

マクスラーク(もっとも何故君がここにあったであろうものを隠したか、については非常に興味を持ったがね。痕跡は残さないつもりだったんだろうが……毛を残したのは失敗だったね。)

----↑ここまで↑----

おまけは1文追加してよりマクスラークが気持ち悪くなりました。

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