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2010年11月9日~11日に公開しました親衛隊第2話です。
3更新分です。


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なつき「というわけなんですよ~」

ゆづき「あのね、なつき。はしょりすぎて何にも分からないから。」

なつき「も~ ゆづき先輩ったらとぼけちゃって! 新入生歓迎クエストですよ、歓迎クエスト!

ゆづき「……付き合えって?」

なつき「そうなんですよ~ なつき、今まではゆづき先輩があそこまで強いとは思っていなかったからお願いしてこなかったんですけど。先輩ならあのボス、一人でも行けちゃわないかなーって!」

さくや「なつき、分かってる? わたくしたちの目標はあくまで雪原、ローズガーデン。確かに道中にはあるけれどそんな寄り道……」

なつき「寄り道じゃないですよ~ 思いっきり通り道ですよ~ 報告は、先輩の用事が終わった後まで待ちますからお願いしますよ~!」

ゆづき「確かにあのクエストはプチ死神が後衛まで攻撃する関係上、装備を整えられない新入生だけではきついわ。だからこそ学年問わずパーティーを組んで挑むのが主流だけれど……」

なつき「なつきはほら、親衛隊でヒルター様にかかりっきりだったから先輩達ぐらいしかパーティーを組んでくれるぐらい親しいお友達っていないのですよ~」

さくや「そうよね……むしろ、遠ざけていたぐらいだったし……」

なつき「ものすごーーく、都合のいいこといってるのは承知の上ですよ? でもここで先輩達のついででもなければきっとなつき、この学院追い出されるまでこのクエスト、クリアできないと思うんですよ。」

ゆづき「そ、それは……大変ね。」

カスミ「……一つ目魔道は瞬殺してたじゃん、なつきちゃんって。」

ローズ「学院に戻ることを面倒臭がらなければ一つ目魔道でも倒せる以上、いつかレベルが上がって倒せるようになるからずっと歓迎クエストがクリアできないなんてことには……」

なつき「外野、うるさいですよ?」

ツカヅチ「いや、なつきちゃんが都合のいい事を言っているんだから少しぐらいは当然で……」

なつき「なつきはいつだって自分に都合のいいことしか言わないですよ。これぐらいでごちゃごちゃ言わないでほしいですよ。」

カスミ・ローズ・ツカヅチ「言い切った……!」

なつき「とにかく!! なつきは今、歓迎クエストをクリアしたいのでゆづき先輩、すこーしだけでいいからお時間が欲しいのですよ!!」

ゆづき「……報告は、あとでいいのね?」

さくや「ゆづき先輩、あまりなつきを甘やかさないでください。」

ゆづき「どうせ通り道。報告が後でいいって言うなら、付き合ってあげてもいいでしょう? それに。」

さくや「それに?」

ゆづき「もしもここで、なつきを放っておいたら、後でここにいる別の誰かがつき合わされて痛い目合うのは見えてる。」

さくや「……ああ……確かに……」

なつき「なつきもそこまで人に迷惑かけないですよ~ さくや先輩とは違って!

さくや「……なつき? わたくしがいつ、どこで、どう、人様に迷惑をかけました? 証拠は? どこにあるのかしら?」

カスミ「で、でた! さくや先輩の理論武装モード!!」

ローズ「下手なことをいうと、こうなってしまうから怖いよね……」

なつき「今、ここで、なつきの歓迎クエスト完遂の妨害をしたですよ! 証拠は、なつきです!!

ツカヅチ「なっ、なんという暴論……!」

ローズ「い、一応、さくや先輩の要望通りの答えではありますけど……!」

さくや「証拠不十分で検挙できず、よ?」

なつき「どこが不十分なのですか!? なつきは立派な証拠じゃないですか!

カスミ「というか検挙って……」

さくや「当人が証拠になるような法廷、教えていただきたいものですわね?」

ローズ「誰も裁く気なんてないし……」

ゆづき「……また始まった……わたし、こうなるとどうしていいかわからないんだけど……貴方達、何とかできない?」

ローズ「一番なれているんじゃないんですか……!?」

カスミ「そうですよ! 今までどうやって親衛隊をまとめて……!」

ゆづき「ほとんど、さくやが、一人でやってた。」

ツカヅチ「……え?」

ゆづき「わたし、みんなが思っているほどはっきり意見いわないわよ……? 単なる頑固者なだけで。それも決めるまでちょっと、時間欲しいわ……」

カスミ「えっと。一応、お伺いしますが。ヒルター様が出て行ってから、追いかけると結論するまでに要した時間は?」

ゆづき「……ヒルター様と一緒に出て行ったパーティーが歓迎クエストでプチ死神を倒せるようになるまでの時間。」

カスミ「……あれ、ローズちゃん。あたしたちって、どれくらいかかったっけ?」

ローズ「あの時は……2人だけで倒そうなんて無茶なことをカスミちゃんが言うから……1ヶ月近く? 最終的にはカスミちゃんのお兄さんの武器をこっそり借りてこなしたよね?」

カスミ「あんな隠し財産あるなんて知らなかったよね~ あのままカリパクしちゃおうかと思った!」

ローズ「ダメだよ、カリパクも犯罪!」

ツカヅチ「何無謀なことをしてるんですか、2人は!? おとなしくパーティー組んでください! そういう訓練もかねたクエストですから!」

カスミ「え~ だってさぁ……」

ローズ「私もそうやって一応は説得したんですよ?」

カスミ「でもだめだとは言わなかったよね?」

ローズ「……私、あまり人に声かけるのは好きじゃないし……カスミちゃんがやりたがってたし、まあ、いいやって……」

カスミ「最終的にこなせてるんだし、いいよね。」

ローズ「……まあ。」


ツカヅチ「ローズさん、そこは止めてください! それに、そんな無謀なことをしないなら普通は大体1~2週間程度で終わります!」

カスミ「十分、長いよ!」

ゆづき「……ごめんなさい……本当に1週間近くずっとうじうじ考えてた……」

ローズ「え? でもみんなの前では……即決即断、みたいな態度でしたよね?」

ゆづき「そうしないとまとまらないって、さくやが。大体がさくやの意見を採用してそうしているだけだし。」

カスミ「えっと……つまり親衛隊って……」

ゆづき「実質のトップは、さくや。」

カスミ・ローズ・ツカヅチ「……」

ゆづき「まあ、さくやがやりすぎだと思ったら、とめるぐらいは、するけど。」

カスミ「さくや先輩が、やりすぎる?」

ローズ「ま、まさか……」

なつき「なつき知ってるんですよ~ さくや先輩が本当はホラー話だーい好きな、ホラーマニアだってこと!」

さくや「それは違うわね。正確には、うるさい人を黙らせるためのホラー話を常日頃から集めているだけよ? やっぱり人に言うことを聞かせるなら恐怖心をあおるのが……」

ローズ「ねえ、カスミちゃん?」

カスミ「……うん、わかるよ、ローズちゃん。ゆづき先輩の言葉が、一番信用できるみたいだってこと……」

ツカヅチ「でもなんで……さくや先輩の趣味の話に発展してるんだろう……」

ゆづき「放っておいていい……いつものことだし……長くなりそうだし、出発は明日にした方が良さそうね……それとも貴方たち。この様子、まだ見る? 見るなら茣蓙、用意するわ。」

ローズ「いやいや、先輩! ここはまだ突っ込みどころが!! というか先輩にも突っ込みいれなくちゃいけなくなったんですが!」

カスミ「そうそう! なんでなつきちゃんがさくや先輩の趣味を知っているんだろう。とか、何でさくや先輩は人を従わせる話をしているんだろう。とか……!」

ツカヅチ「なんで先輩は茣蓙をさも普通に取り出しているんだとか、さりげなくやかんまでだして水を汲んでいるとか……!」

ゆづき「人の趣味は人それぞれ。突っ込んでたらきりがないわ。あと、今からお茶を入れようと……」

ツカヅチ「確かにそれはその通りなんですけれど! いや、お茶が飲めるぐらい長くなるんですかこれは!?」

ゆづき「うん。」

カスミ「な、なんっていうか先輩って意外とのんびり屋さん……?」

ゆづき「それに、さっきも言ったけど……さくやがああなるのは、いつもだから放っておいていいわ。終われば戻るから。」

ローズ「いつも!? なんだか、あまり聞きたくないことを聞いてしまった気分……」

この親衛隊3人に、どこまで着いていけるか一抹の不安を覚えた3人であった。


おまけ
なつき「ですから! なつきは無理矢理人に押し付けるようなことだけはしないのですよ~ さくや先輩とは違うのですよ~!! さくや先輩のさくやってきっと、策謀の「策」に野望の「野」で「策野」なのですよね~きっと!」

さくや「……なつき、あなた、どうしてもわたくしを黒い女にしたいの?」

なつき「したいじゃなくてそうじゃないですか~!」

さくや「……」

なつき「!? な、今更無言で睨んでも無駄ですよーだ!!」

さくや「……」

なつき「えっ!? ちょっとまつですよ!? 体格差で圧倒の力技はなしですよ! そんなの反則なのですよ~!!」

----↑ここまで↑----

若干の追記があります。
カスミ&ローズの歓迎クエスト話に追加。
実は原文→SNSでもこの部分は追加しており、今回、さらに再追加。
前回は2人のクエストがどう行われ、どう終わったのかという話でしたが、
今回は2人でクエストにいたるまでの部分の追加になっています。

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