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ヒルター「ここに、プリシアナッツがあるんだな。」
あっちゃん「そうですよ~ ヒルター様~」
ロビン「ひ、広くて……寒いな。」
ダイ「ぼ、ボク、水術師なんだけど……ここは相性悪くないかな……? こんな環境だと、敵も水属性でしょ……?」
ナーシャ「悪いわね。別にいいじゃない。どうせダイ、ヒールしかしないでしょ?」
ダイ「う、うう……そうなんだけど……」
リュー「あなただってそれほどかわらな……え、手に持ってるそれ、何?」
ナーシャ「ブーメラン。」
リュー「いや、みりゃわかるわよ。どうしたのそれ。」
ナーシャ「……知らない。ロビンが誰かにもらったとか言ってたわ。」
ロビン「いい武器が手に入ったからこっちはいらなくなったって話しているのが聞こえたからさ。ちょっと声掛けたんだ。お願いしたら安く売ってくれるっていったから、買ったんだ。ナーシャのために。」
ナーシャ「……つまりこれで貴方を倒せと」
ロビン「冗談が本当に通じないなぁ……」
ナーシャ「貴方は冗談が冗談じゃなく聞こえる。だから冗談なら最初に『冗談だ』って言ってから初めて?」
ロビン「それじゃあ意味がないだろう!?」
ナーシャ「ええ、意味ないわ。」
あっちゃん「こらこら~ コントしてないでいくわよ~ さっきロビンが言ったとおりここって広いんだからいつものペースで進んでると野宿よ~? わたし野宿は嫌よ~?」
ヒルター「……途中までは、普通にいい台詞だなと思ったんだが。最後の一言が全てをダメにしているな……」
ナーシャ「やああ!」
ヒルター「ナーシャがブーメランを持った途端に火力が上がったな……」
ロビン「ナーシャにブーメランはぴったりだったみたいだな。武器の性能をきちんと引き出せてる。」
あっちゃん「そうね~ これがダイくんだったらあまり上がってなかったと思うわ~」
ヒルター「そうなのか?」
リュー「武器の攻撃力がいくら高くても相性の関係で攻撃力の上昇幅はその武器の攻撃力とイコールになることは少ないんです。」
あっちゃん「だから~ きちんと自分の学科に合う武器を持つことが大事なんですよ~」
ヒルター「そうか、勉強になるな!」
ロビン「実戦が勉強、っていうこの学院のカリキュラムは結構いいよな。仲間を作って仲良くならなきゃ実戦出るには危なすぎるし。俺、この学院にしてよかったよ。」
ダイ「そうだね……でもボクは、最初からボスを倒せなんてカリキュラムじゃない学校がよかったな……」
~数分後~
ダイ「いきなり2つもワープポイントがあるよ……どうしよう?」
リュー「えっと。確かプリシアナッツの木は地図で言うと下の方、つまり南だったはず……だけど。」
あっちゃん「残念ながらわたしたち、地図は人にあげちゃってるのよね~ 正確な場所はわからないわ~」
ヒルター「ん? 2人はきたことあるのか?」
あっちゃん「あるにはあるけどいい思い出はないですね~」
リュー「そう、ね。」
ヒルター「すまないな、嫌なことを思い出させてしまったか。」
リュー「そ、そんな! アタシ達の勝手な理由ですし。ヒルター様が謝ることのほどでも……」
あっちゃん「そうですよ~ ちょっと、昔に友達がここで落っこちちゃっただけで」
リュー「あっちゃん!」
あっちゃん「これは隠すようなことでもないでしょ~?」
リュー「……そうなった理由を、話さなくちゃいけなくなるでしょうが。」
あっちゃん「あ、それもそうね~」
ナーシャ「無理には聞かないけれど。でもリュー、あっちゃん?」
あっちゃん「何~? ナーシャちゃん? 珍しいわね、わたし達ご指名だなんて~」
ナーシャ「話せるようになったら、話して? 仲間でしょ?」
あっちゃん「あらあら、怒られちゃったわ~ リュー?」
リュー「あんたが主に怒られたんでしょう、あんたが……でも。ええ、わかったわ。」
ヒルター「……ナーシャは、凄いな。」
ロビン「なんというか、嫌々ついてきた、といっている割には一番リーダーっぽくなってるね、ナーシャって。」
ダイ「そうだね……ダメなことはダメってはっきり言うし。元々リーダー気質なのかもね。」
ロビン「こりゃ、気を抜いたらリーダーが取られるな……よし、俺もがんばるか。」
ダイ「何を?」
ロビン「リューさんの記憶を信じて南のワープポイントから進むぞ!」
ヒルター「そういえばそうだったな。うん、リーダーが言うのならそれに従うまでだ。」
リュー「記憶違いだったらごめんなさいね?」
ロビン「別に問題ないって。間違っていたら戻ればいいだけだしね。」
ダイ「そうですよ。絶対に戻れない、なんて袋小路、そうそうありませんよ!」
~南のワープポイントを選択して十数分後~
ナーシャ「で? 下手すれば袋小路のこの道を行くの? それともつながっていそうなこっちの道にするの? どっち?」
ロビン「さ、さっきの2択より難しいな……両方、南だし。」
ダイ「ろ、ロビン……今回は一つ間違えばボクとナーシャさんのMPが尽きて全滅の危機だよ? ここ、敵が強いよ……」
ロビン「そうだな……こっちの小道は……前の階層では行き止まりもあったしなぁ……やっぱりこっちの奥に続きそうな道にしておくか。」
あっちゃん「本当にそっちでいいのかしら~? どうも違う気がするのよね~?」
リュー「う、うーん。アタシもはっきり覚えているわけじゃないのよね。ここはロビンに任せるわ。」
ヒルター「なに、目的地だったら目的地だったで問題はないし、別の休息できそうな場所に出れればそこで休んでまたくればいいだけのことさ。深く考える必要もないだろう。」
ロビン「それもそうだな。じゃあこっちで。」
リュー「しかし……この崖、本当に高いわね。下から見上げるとよくわかるわ。」
ダイ「こういうところは一つの大地だった所が割れて、それで崖みたいになっちゃった、って地形もあるらしいですよ。」
リュー「あら、詳しいわね。」
ダイ「い、いえ。こういう勉強しかしてきてなかったから……」
リュー「でも。そういう勉強は大事よ?」
ナーシャ「でも本当に高いわね……こんな所から落ちたら、どうなるのかしら?」
ロビン「そりゃ、無事じゃすまないだろ。」
ダイ「下が雪だから死ぬことはなさそうですけど、記憶の1個や2個、飛んでいっちゃってもおかしくなさそうですね……」
ナーシャ「あなたが言っても説得力ないわ。落ちても飛べばいいじゃない。」
ダイ「あ……それも、そうですね。」
あっちゃん「ほら、いくわよ~? 思ったよりも早いけど、目的地じゃなかったらまた引き返さなくちゃいけないんだから~」
ロビン「ごめんごめん。今すぐいくよ!」
おまけ
リュー「……本当。高いわねぇ……」
ナーシャ「何してるの。崖下だからって油断してると岩が落ちてくるかもしれないわよ? 危ないから離れたら?」
リュー「ああ、うん。そうね。」
ナーシャ「落ちてきた岩にぶつかって記憶が吹っ飛んでも知らないんだからね。」
リュー「人の記憶なんてそうそう吹き飛ぶもんじゃないわよ。」
ナーシャ「そうかしら? 案外、複雑な物ほど簡単なことで壊れるものよ。物だって、人間関係だって……」
リュー「……」
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