2更新分ですが初期の2更新分なので長めです。
ヒルター「ところでこのパーティーは何処に向かっているんだ? オレは目的を聞いていないんだが。」
ナーシャ「ひとまず、プリシアナッツ。ワタシがまだ取ってきていないからお願いしたの。」
ヒルター「プリシアナッツ……しまった。オレも受けてくればよかったか。」
ナーシャ「あら? ヒルターも受けてなかったの?」
ヒルター「新入生歓迎クエストのあと、ちょっと色々あってな……ろくに進めれなかったんだ。」
ロビン「へぇ、案外優等生ってわけでもなかったのか。」
リュー「あの状態じゃまともにクエストできるほうがおかしいわよ。」
あっちゃん「そうそう~ わたしたちみたいに暇してるならともかくね~」
リュー「暇なんてしてないわよ……」
ダイ「それで、ボク達の歓迎クエストも一緒にやっていこうかって話になっていたんです。でも、ヒルターさんが受けてないのなら一度、戻りますか?」
ヒルター「いや、いい。また改めて取るよ。今は先に進もう。」
リュー「ヒルター様ならすぐですよ。」
ロビン(……もしかしてこいつ、このパターンでいつもとり忘れて全然進めてないだけなんじゃないか……?)
あっちゃん「それもそうね~ あ、敵だわ~」
ロビン「さっさと終わらせようか……もらったよ!」
あっちゃん「これで終わりね~」
ダイ「はい!」
リュー「はい、そこのフェアリー君。」
ダイ「ロビンってたまに『もらったよ』とか『きめる!』とか言ってるけど、どうしてですか?」
リュー「ああ、あれは状態異常が決まった時の掛け声ね。」
あっちゃん「あいつの武器、いい武器じゃない~? 状態異常付くような武器なのよね、あれ。」
ダイ「あ、なるほど!」
あっちゃん「他にエモーションが付くのは……ヒートアップっていうのがあるのよ~ わたしとリューが使えるわよ。」
ナーシャ「ヒートアップ?」
ヒルター「タイミングよく気合を入れれるかどうか、みたいなものだ。威力が上がる。実はオレも使える。ちなみに火力が高ければ高いほど威力の上がり幅も多いようだ。」
ダイ「え!? ってことはこのパーティーって……」
ナーシャ「プレイヤースキルとかいうのがあれば強いわね。」
ダイ「ぷれいやーすきるは置いておいて。強いんだったら早く先に進もうよ! あまりこんなところでうろうろしててもヒルターさんの追っかけの人たちが迫ってくるかもしれないし!」
ヒルター「確かに、学院近くで戦うといつの間にか人が集まっていたりするな……」
ロビン「まあまて、ダイ。確かに強い。強いけど一つ問題があるんだ。」
ダイ「問題って?」
ロビン「ナーシャ。実は君、ものすごく弱いだろ?」
ナーシャ「……」
ロビン「エルフはそもそもHPが少ない。ツンデレ学科は万能ではあるが、やっぱりHPはそれほど多くない。しかもレベルが低くMPが少ない上、魔法もブラストのみ……いや、ヒールを覚えたか。こうなると例え将来性があっても今は、ものすごく弱い。」
ナーシャ「ええそうよ、弱いわよ! それがなにか!?」
ダイ「ひ、開き直っちゃったよ!?」
リュー「あらら、流石というかなんと言うか……」
ロビン「だからせめてナーシャが他の魔法を覚えるまではこの辺で……」
ナーシャ「別にワタシのことなんて気にしなくてもいいわよ。この辺の奴で後衛まで攻撃してくる奴なんてそういないでしょ? 後ろから攻撃できないのも武器がないだけだし。」
あっちゃん「確かにそうね~ この森で後衛まで攻撃してくる奴は確か、ボスぐらいだったはずよ~?」
リュー「武器も運がよければ敵が落とす可能性はあるわね。」
ナーシャ「だから。ワタシのことは気にしないで。……きちんと強くなったら、サポートしてあげるから。だから本当、今はワタシなんていないものとして気にしないでよ……」
ロビン「そういうわけにもいかないさ。せっかくならみんなで楽しくいきたいんだからさ。俺は。」
ヒルター「そうだな。戦闘に参加できなくて気まずいって思うなら……そうだな。あいつに頼むか。」
ロビン「ヒルター?」
ヒルター「ダイとナーシャは攻撃に参加していないだろう? これでは気まずいって思うのは仕方がないだろう。実は武器にあてがある。一度、学院に戻らないか?」
ロビン「購買部だったら無駄だぜ? 目ぼしい遠距離武器は全部売り切れ……」
ヒルター「いや、釣竿を買わないかという、メールがついさっきあってな。それで……」
リュー「えっ!? なかなかいい話じゃないですか!」
あっちゃん「釣竿は安価な遠距離武器ですからね~ いくらかにもよりますが、今の状況だと受けて損はないお話かと~」
ロビン「……確かにな。よし。一度学院に戻ろう! ヒルターもクエスト受けれるしちょうどいいだろ?」
ヒルター「恩に着る。」
おまけ
リュー「結構気が強いな、って思ってたんだけど心配性な上に結構、周りに迷惑かけるのを気にする性格だったなんて、可愛らしい所あるじゃない。」
ナーシャ「う、うるさいわね! 女に誉められた所で嬉しくなんてないわよ!」
リュー「あ、じゃあロビンがよかった?」
ナーシャ「なんであいつに……!」
リュー「冗談冗談。本気にしないの。ほら、置いていかれるわよ。」
ナーシャ「……リューにしてもあっちゃんにしても、あったばかりのワタシたちにどうして……こんな優しく、接してくれるのよ……わからないわ……」
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