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2010年10月20日、21日に公開しました第1PT第1話後半です。
2更新分ですがそもそも長めの2更新に追加を加えているのでかなり長いです。
またSNS版第2話は第3話となり、この話の続き物扱いに変更しています。


----↓ここから↓----

ヒルター「やれやれ……すまなかった。最近彼女達はすぐに人を追い返してしまうんだ。悪気があってやっていることじゃないんだ。許してくれないか?」

ロビン「お前がそうやって甘いから、彼女達もちょっとやりすぎちまってんじゃないのか?」

ヒルター「……かもしれない。強く言うべきなんだろうが俺のためにやっていると思うといいづらくてな……」

ロビン「なんだ、自覚はあるのか。自覚がないならちょいと女の子の扱いの話をすべきと思っていたが……もうこの話はいいや。さて用件だ。単刀直入に言う。俺達のパーティーに入ってくれ!」

ヒルター「!? 突然現れて突然そんなことを言われても困る!」

ロビン「だろうな。だが俺も男に回りくどく言うのも嫌だ。とにかくお前が俺らのパーティーに入ってくれないと、俺の恋のチャンスすらやってこない! だから頼む!」

ヒルター「恋のチャンス!? なぜパーティーに恋愛の話が出てくるんだ!? パーティーとは仲間と力を合わせて巨悪を倒す、そのために結成するもののはずだぞ!」

ロビン「前提が間違っている気もするが……この際無視だ無視! その課程で友情とか恋愛とか出てくんの! お前がそれを希望するなら、希望通り悪を倒すぐらいしてやるよ! だから俺のパーティーに入ってくれ!」

ヒルター「しかし、巨悪を倒すという共通の目標を持った仲間でなくては……」

ロビン「じゃあお前の周りにいる連中はなんだ? お前とつるんで、仲良くなりたい、そういう連中ばかりじゃないってお前は言えるか?」

ヒルター「それは……」

ロビン「少なくとも俺らのパーティーはあんたのために力を合わせて悪を討つぐらいする奴はいる! 俺と、俺のダチはあんたがパーティーに入ってくれた恩を返すために戦う。そしてもう一人は……約束のために戦う……はず。」

ヒルター「最後の1人は……いったい?」

ロビン「と・に・か・く! お前が悪を討ちたいって言うんなら! それに同調して戦う心意気のある奴は5人ももう揃ってる! あとはお前の決断だけ!」

ヒルター「5人も揃っているのか。なら5人でも問題ないだろう?」

ロビン「ああ、揃ってるさ。だがあんたがいないとバラバラになっちまう。」

ヒルター「なんで、俺なんだ? それがここに来た理由なのか? できれば、話して欲しい。そうでなくては他を断る理由も説明できなくなる。」

ロビン「……あんた結構律儀だな。あ、そうだ。あの親衛隊の子達、名前分かる?」

ヒルター「金髪のエルフがさくや、緑髪のフェアリーがなつき、黒髪のバハムーンがゆづきだ。突然どうした?」

ロビン「じゃあ、そいつらが現れる前、赤髪のバハムーンと白毛のフェルパーが良く話しかけに来てなかったか? 覚えているか?」

ヒルター「リューにあっちゃんか? この頃見かけないなと思っていたんだが知り合いなのか?」

ロビン「殊勝だね、きちんと女の子の名前を覚えているなんて。そう、その2人さ。俺のパーティーにいる。親衛隊に邪魔されてあんたと話せなくて寂しがってる。」

ヒルター「な、なんだって!? オレはそんなこと一言も聞いていない! あの2人は特に冒険の話が面白いからよく覚えているし、親衛隊、特にゆづきもわかっているはず……!」

ロビン「なるほど、ちょっとってそういう意味か……その親衛隊にいつも追い返されて困っているんだそうだ。で、一緒のパーティーになれば話せる機会が手に入ると思っている。ここに集まったファンも同じ気持ちなんじゃね? パーティーメンバー選考ごときでここまで大事になってるのは……あんたのせいだ。」

ヒルター「……」

ロビン「まあ、俺のパーティーがあんたがいないとバラバラ、っていうのはそういうこった。さて俺はそろそろ帰るぜ。」

ヒルター「オレを誘いにきたんじゃないのか?」

ロビン「あんたは真面目な奴だってのがわかったから、今すぐ入れっていうのは逆効果だろ。ダメならきちんと2人に話して別あたってもらうさ。それに親衛隊もそろそろ我慢の限界だろうよ。」

ヒルター「加入の件だが……時間が欲しい。」

ロビン「決まったらでいいから、あんたの方から俺に声をかけてくれ。俺からだとまた騒ぎになっちまう。」

ヒルター「明日にでも、答える。」

ロビン「そこまで早くなくてもいいよ、あんたの気持ちが決まってからでいい。」

ヒルター「そういえばお前、名前は?」

ロビン「ロビンだ。別に覚えなくていいからな。男に名前を覚えてもらっても嬉しくない。」

ヒルター「さくや、ロビンが帰るそうだから道を開けてやってくれ。丁重にな。」

さくや(親衛隊B)「……わかりました。ロビンさん、こちらへ。」

親衛隊A「……なぜ、丁重に?」

ヒルター「気づかなかったことに気づかせてもらったから、だ。あと、ゆづき。できれば集まってくれた人全員と話がしたい。何とかできないか?」

親衛隊C「何時間もかかってしまいますし、そんな長時間、ヒルター様がお疲れに!」

ヒルター「話がしたいんだ。頼む。」

ゆづき(親衛隊A)「……了解しました。」

親衛隊C「ゆづき先輩!! ダメですよ! ヒルター様はお優しい上純粋だからあんな奴のいうことを」

ゆづき(親衛隊A)「なつき、ヒルター様がやりたい、とおっしゃるんだから準備する。それでいいの。」

なつき(親衛隊C)「でも!!」

ヒルター「頼む。」

さくや(親衛隊B)「ゆづき先輩、なつきはわたくしが。ヒルター様、準備いたしますので少々お待ちを。」

ヒルター「あとゆづき。全て終わった後に話がある。時間を作っておいてくれ。」

ゆづき(親衛隊A)「かしこまりました。」

ロビン「なんだ、あの子ら話せば分かるタイプじゃないか……ん? なつきっていうと確か……」

さくや「待ちなさい。」

ロビン「ん? 確かあんたは……さくやさん。」

さくや「……」

ロビン「な、なんだよ?」

さくや「どうして先輩は貴方をあっさり通したりなんかしたのかしらね?」

ロビン「んなもん本人に聞けよ。」

さくや「……貴方の目的は、ヒルター様。そうよね?」

ロビン「そうだ。口説きにってのは冗談だよ。気を悪くしたなら謝るよ。」

さくや「いいえ。口説きにきたというあの言葉。あれが冗談ならそれでいいの。」

ロビン「?」


ダイ「だ、大丈夫だった、ロビン!」

ロビン「ああ。そういや、ダイ。なつきってフェアリー。確か妹学科の奴でお前の従兄弟だよな?」

ダイ「え? う、うん。ちょっと我がままで、しかも口が上手くて頭がいいもんだから周りを利用する策謀家……とまでいわれてる、かな。とにかくボクとは正反対。」

ロビン「なるほどな……いや、違うか?」

リュー「ヒルター様と一緒じゃない、ってことは失敗? ま、無事に戻ってこれたのは良かった良かった。」

ロビン「なあ、リュー。もしかして親衛隊の中でもあのフェアリーの子が入ってから話せなくなってきた……なんてことはないか?」

リュー「そうよ。元々結構エルフ……さくやの方が極端にヒルター様に近づけなくしていたのだけれど、最近入ったあのなつきって子もなかなかの曲者でね。」

あっちゃん「ゆづきは元々それほど強引な方じゃないんだけれど~ というかいること自体疑問なんだけど、さくやの言いなりっぽい所があるのよね~ なつきが入ってから余計にそういう所が目立つようになったの~」

ロビン「なるほどな……」

ロビン(あのゆづきってバハムーンは指示待ちタイプ。そして一番ヒルターに近い。で、残りの2人が親衛隊暴走の主因。その2人に指示を出さない・出せないゆづきさんが問題なわけだけどヒルターも暴走に気がついたわけだから……)

ロビン「うん、問題は多分解決するぜ?」

リュー「あんた、何してきたのよ。」

ロビン「ありのままを話してきただけ。」

リュー「ふーん……」

ロビン「そうだ。ヒルターは時間くれって返事。まだ失敗確定ってわけじゃあない。」

リュー「え? 意外にいい返事じゃないの、それ。」

ロビン「そうなの?」

リュー「そういって、ノーと答えてるヒルター様はアタシは見たことないもの。」

ダイ「すごいや、ロビン! 女の人は全然口説き落とせたことないのに! 男を口説き落とす方に回った方がいいんじゃない!?」

ロビン「俺にそっちの趣味はないぞ。じゃあ、また明日な?」

リュー「ちょっと! あっちゃんやナーシャには報告していかないの!?」

ロビン「ダイとリューさんから伝えてくれよ。流石に今日はもう疲れたぜ……俺、体力ないんだから。」

ダイ「あ、あはは……確かに朝早くから起き出して、今日だけで何人もの女の人に声をかけてナーシャさんを捕まえて、その後さらに男の人まで口説き落とす展開だもんね。疲れない方がおかしいか。うん。ボクから伝えておくよ。ロビン、おやすみ。」

ロビン「ああ、じゃあな、ダイ、リュー」


リュー「いっちゃった。案外あいつ、いいやつなの?」

ダイ「本気になると凄いんだ。ボク、本気のロビンのことは尊敬してる。」

リュー「……どーれ。あっちゃんとナーシャに事情を説明しがてら、あんた達の馴れ初めでも聞いてやるかね。」

ダイ「えっ!? えぇぇ!!!」

リュー「ほら、いくよ?」


おまけ

ナーシャ「あいつら遅すぎる……!」

あっちゃん「あんたはもうちょっと気長になった方がいいわよ~?」

ナーシャ「無事に戻ってこなかったら無茶言った私が悪いみたいじゃない。後味が悪いわ。」

あっちゃん「……それさ、心配してるの? デレ?」

ナーシャ「べ、別にデレてなんかいないわよ!!」

あっちゃん「あんたさ……それ本編でやらないとみんな、デレがないツンツン女だって勘違いしちゃうでしょ~?」

ナーシャ「別に読者のためにいったんじゃないんだから!!」

----↑ここまで↑----

ヒルター接触後にさくやとの会話を追加しました。
さくやが気になるその訳は……結局SNS版の通りの所に行き着くようになっているはずです。

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