2010年11月28日に公開しました第1PT第2話です。
1日2更新を行った日の分ですので2更新分です。
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学院に戻ってきたタスク一行。
しかし掲示板に目ぼしいクエストはない。
タスク「あれ? おかしいな? こういうのって1つやったら1つ出てくるもんじゃないの?」
ちあき「……そうよね、おかしいわね……」
マクスラーク「たまにあるのさ。こういうことも。親睦を深めろ、ということだろう。ではタスクくん。」
タスク「なんでソッコー俺を選ぼうとするんだよ? せっかくだから俺はちあきとデートするの!」
マクスラーク「つれないな……アサミンくんからもいってやってくれないか?」
アサミン「そのデート。私もついていってもいいわよね?」
ミュール「アサミンさんがいくなら!」
タケシ「オレっちもいくっす!!」
ちあき「それじゃあデートじゃないでしょう!? ……! そうだわ!」
タスク「じゃ、じゃあやっぱりこっそりと……」
ちあき「いえ、デートしましょう。堂々と。」
タスク「え、でも邪魔されるのは見えて……」
ちあき「流石に、みんなで一緒、というのはさっきまでと変わらなくてつまらないでしょう、ミュール?」
ミュール「ん? あ、まあ。せっかくの休暇、どうせなら特定の人と仲良くなれると嬉しいわね。」
ちあき「だから。ダブルデートにしましょう。」
ミュール「!! それいいアイデアね、ちあき!!」
アサミン「まって? 片方は、わかるわ。さっき希望も聞いたもの。で? もう片方は?」
ミュール「それは、あたしとアサミンさん!!」
タケシ「オレっちとアサミンさんに決まってるじゃないっすか!!」
ミュール&タケシ「!?」
ミュール「その前にあなたとの決着が先みたいね?」
タケシ「そのようっすね……!」
ちあき「ちょ、ちょっと! ……これは人選を間違えたかしら。」
マクスラーク「なるほど。そうしたいわけか……タスクくん?」
タスク「なんだよ?」
マクスラーク「今日一日は、ちあきくんと2人きりを許そう。僕も手伝うよ。」
タスク「何でお前の許しがいるのかわかんないけど手伝ってくれるのはマジかよ!? いいのか!?」
マクスラーク「君の毛1本で今回は我慢してあげよう。」
タスク「……なーんか気持ち悪いがそれでいいなら……オレは!」
アサミン「ちょっと! 勝手に話を進めないでよ!!」
マクスラーク「ふむ、確かにいただいた。なに、任せたまえ。アサミンくんは僕が引き受けよう。」
タスク「お前がこんなに頼もしく見えたのは初めてだ……!」
ちあき「本当……本気になると頼もしいのね。」
マクスラーク「よく言われるよ。本気で女の子を落としにいけば落ちない女はいないんじゃないかって。でも残念ながら興味がなくてね……」
ちあき「……で、しょうね。」
タスク「ああ……毛フェチなんて趣味なけりゃーな……」
アサミン「ちょっと……! ちょっと!!」
マクスラーク「では早く行きたまえ。アサミンくんが切れる前にね。結構短気なのだよ、彼女は。」
タスク・ちあき「ありがとう、マクスラーク!!」
アサミン「ああああ! なんってことしてくれるのよ!」
マクスラーク「そう思うなら追えばいいのに……追わないのだね。」
アサミン「そ、それは!」
マクスラーク「あの時とは状況が違うんだから気にすることはないだろう?」
アサミン「それでも……」
マクスラーク「はぁ……逃げてばかりでも何も解決しないのだがね。まあいい、話をかえよう。張り紙をはがしたのは、君だね?」
アサミン「……気に入らない単語があったからはがしただけ。」
マクスラーク「普通こういう時は一応、否定しないかい? 証拠も何もないのだから。だが……嘘が嫌いな君らしいね。しかし公共のものに手を出すのはいただけないな。」
アサミン「……今だこんなこと続けている方がおかしいのよ……また、あんなことが起こるかもしれない。誰も考えないの……?」
マクスラーク「僕らからするとそうだね。だが、ほとんどの生徒にはそれは関係ない。そもそも、あの事件に関しては警告とも取れる噂もあった。それを無視した僕らがどんな行動をしても許されはしないだろう。違うかい?」
アサミン「……わかってるわよ!!」
マクスラーク「おやおや、追い詰めてしまったか……追い詰めるつもりはなかったのだがね。アサミン君の短気も、あそこまでいくと病気だよ。」
去っていくアサミンをただ見送るマクスラーク。
マクスラーク「ああ、そういえば引き止めると約束したのに逃がしてしまった……まあ、あの様子なら茶々を入れるようなことはしないだろう。さて、僕も休暇を楽しむことにしようか……ん?」
マクスラークの前方には2人のエルフ。マクスラークはその一方に見覚えがあった。
マクスラーク「……一応、アサミン君に連絡をすべきかな、これは。まったく、今日は過去の幻影が多い日だ……」
マクスラークは先ほどアサミンが去っていった方向へと走り出した。
おまけ
タスク達が掲示板を見る、数時間前。
アサミン「……!」
ちあき「? アサミンさん、掲示板で何を……え?」
掲示板に張ってある張り紙をはがしたアサミン。どこか様子がおかしい。
ちあき「ちょ、ちょっとまってください! 何をしているんですか、アサミンさん!」
アサミン「……別に?」
いつもならちあきに絡むアサミンだが今日はそれすらせず去っていってしまう。
手には一つの張り紙。「プリシアナッツ」の文字が見える。
ちあきは、このことを誰にも相談できなかった。
誰に相談していいのかも、わからなかったから。
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