本家4更新分と珍しく適正サイズとなっておりましたが、
コピペの際に手直しをしたくなったので、一部手直しをしました。
まったく重要でない所でニーナの台詞が増量されております。
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ユッキー「ほ、本当に大丈夫なんだろうな?」
ブレーミー「わー ユッキーったら引きこもりっぽい反応見せるー 面白いー!」
シアン「いや、大丈夫、の意味がだな……」
ここは雪原。苦戦していた残虐ピクシーなど可愛いものと言い切れてしまう。
そんなモンスターの巣窟。
ニーナ「た、確かに。私の踊りで経験値を上げればすぐにレベルは上がるでしょうが……」
ヨシマーサ「やめといたほうがよくね? ここ、オレと相性悪いよ。」
ブレーミー「そう、そこがちょっと痛いんだよね~ ヨシマーサって炎術師だから。水にはそれほど強くないし。」
ショーゴ「弱点がつければいいというわけでもあるまい。今はレベルを上げ、シアンと俺のHPをあげなければ。」
ブレーミー「そう、そうなんだよね。行こうとしている所って結構きついんだけど。今のHPじゃ装備整えても到底無理!」
シアン「あのな、こういうのは小さなことからこつこつとだな?」
ブレーミー「それで単位が今までまったく取れなかったんでしょ? まったく。」
シアン「それをいわれると……」
ブレーミー「幸い、回復は3人もできるんだから戦闘でダメージを1度にくらい過ぎない限りは倒れることはないよ。ささ、いこう!」
他のパーティーが通った後なのか。
それともブレーミー達の武具が整い始めているからなのか。
案外あっさり、ワープポイントにたどり着く。
ブレーミー「さて、どうしよう?」
ニーナ「え? この階層でレベルを上げるのでは?」
ブレーミー「だって、結構楽だったし。そうだ! プリシアナッツの木を見に行こうよ!」
シアン「え? なんで? 誰もプリシアナッツの実採取クエスト受領してないだろ。そもそもあんな簡単なクエストだれだってすぐに」
ユッキー「すまん、俺がした。」
シアン・ヨシマーサ「……」
ニーナ「そ、そうです、よね。歓迎クエストすら、まだ、だったわけですし……」
ブレーミー「……ほら、ユッキーってさ。引きこもりだから。」
ユッキー「引きこもりじゃない。不良だ。」
ニーナ「どっちもどっちだと思うのですが……」
ショーゴ「だな。まったく。時間というのは過ぎていくもの。大切にせねばいかんぞ?」
ユッキー(ショーゴに説教されるなんて……不覚っ!)
ショーゴ「しかし……ここは寒いな。ニーナ様は結構軽装なのだから寄り道せずさっさとプリシアナッツの木まで行こうではないか。」
ブレーミー「残念ながらそうもいかないんだよね~」
ショーゴ「?」
ニーナ「そう……でしょうね……」
ショーゴ「ニーナ様、何、地図を見て、そんなうなだれて……」
ブレーミー「こっちのワープポイント、プリシアナッツから一番遠いワープポイントだったりして! ほら、やっぱりレベル上げ、しないとね?」
ブレーミー以外全員(結局レベル上げするのか……!)
プリシアナッツの木までたどり着いた6人。
ブレーミー「はいは~い。ストップだよ~ みんな!」
ニーナ「え? どうしてですか? あの木に近寄って。それで怪物を倒して。それでクエスト終了でしょう?」
ブレーミー「ニーナさんは優等生だなぁ……別にボクらが怪物倒さなくてもいいじゃん!」
ニーナ「ええ!?」
ブレーミー「要するに実さえ手に入ればいいの。だから。」
シアン「ま、まさかお前……ここに張り込む気か!?」
ブレーミー「ピンポーン! その通り! そもそもさ、あの怪物って油断すると危ないし。ボクらの今のレベルじゃ100%安全って言い切れないじゃん?」
ヨシマーサ「……まあ、オレいるし。寒いのは何とかなるだろ。安全が一番。」
ユッキー「そうだな。無駄な労力は使わないに限る。」
ショーゴ「き、貴様ら! 真面目にクエスト……ん! 誰かきたぞ! 隠れろ!」
ブレーミー「なんだかんだでショーゴもワルだね~ さ、こっちだよ。」
やってきたのは女5人男1人のパーティー。
青髪のヒューマンらしき女が前に出たがり紫髪のエルフの女に制止され、
その横を黒髪のバハムーンの女が通り、
その後ろを金髪のエルフの女、緑髪のフェアリーの女、白髪のノームの男という順でこのエリアへと入ってきた。
ショーゴ「あれは……ブレーミー、カメラで拡大できるか?」
ブレーミー「どうしたの? 突然。……んー あ。あれはヒルターの親衛隊の人たちだね~ 黒髪のバハムーンに金髪のエルフに緑髪のフェアリー。」
ショーゴ「そっちじゃない。あっちの少し離れた所にいる青髪のヒューマンだ。拡大しろ。」
ブレーミー「えー あんな子何処にでもいるじゃん。なに? ショーゴのタイプ?」
ショーゴ「違う、カスミかもしれん。あの青髪は案外目立つ……俺の妹だ。」
ニーナ「あら、ショーゴさん。妹さんがいらしたの? でも、ショーゴさんとは髪色が……」
ショーゴ「義理の、という前置きが付がますがね。ヒルターのファンなんかやっているみたいだが、明るくていい子なんです。そうだ。あとでニーナ様に紹介しましょう。」
ニーナ「本当に? あら、楽しみだわ。」
シアン「ショーゴ……てめぇ……!」
ブレーミー「シアンストップ! ニーナさんのこと好きなのはもろバレだけど、ここでやりあっちゃうとボクらが気づかれそうだからだめ。あとショーゴはこういう状況で喋り過ぎだからあとでお仕置きだよ!」
ショーゴ「こういう時でもないとしゃべれんだろうが!」
ブレーミー「もう少しユッキーを見習おうよ。ものすごく静かだよ?」
ユッキー「話題がなくて暇だ……つまらん……いっそボス戦でも」
ブレーミー「ああもう! だめだって! ……話題、話題かぁ……シアンも怒らない話題となると……そうだ!」
ニーナ「何かあるのですか?」
ブレーミー「うんうん! 少し前の隠滅されたプリシアナッツ事件!」
シアン「何だそれ? 『隠滅された』? ちょっと面白そうだな。」
ヨシマーサ「そんな事件の話聞いたことねぇーぜ? ……あ、だから隠滅された、か。」
ユッキー「ジャーナリスト科の中では有名な話なのか?」
ブレーミー「ううん。全然。噂レベル。でもこれ、実際に事件に遭遇した人の名前が在校生の中にあるから信憑性もあるんだよね。」
ニーナ「そうなの……どういうお名前なのかしら?」
ブレーミー「ゆづきっていうの。ほら、今あそこにいる人。先頭切ってる黒髪のバハムーンの人。」
ブレーミー以外全員「何ぃぃぃ!?」
シアン「ちょ、ちょっとまて! つまりあれか? 今、あの黒髪のバハムーンをみて思い出したから話すかってノリなわけ?」
ブレーミー「うん、そうだけど?」
シアン「あのな、こういうのは本人に聞こえちゃまずいからしないもんだぞ?」
ブレーミー「聞こえちゃうかもしれないってスリルがいいんじゃん。ま、こんなに離れてるならまず大丈夫でしょ。」
シアン「そんなスリルはいらねぇ……!」
ブレーミー「まあまあ。そもそも名前がある、ってだけでどのポジションにいたか、まではボクもわからないんだよ。この事件。ポジションが重要だから。」
ニーナ「ポジション?」
ブレーミー「簡単に言うとね。普通、クエストでは出てこないような化け物がその時に限って出ちゃって。それで前衛が1人、崖におっこちそうになったの。」
ショーゴ「……なかなか物騒な話だな……」
ブレーミー「それを助けようとした後衛の人。そう、この後衛の人のうち1人はセレスティアってのがわかっててね。その人が落っこちそうになった人助けにいったの。そうしたら……」
ニーナ「そうしたら?」
ブレーミー「その人がその化け物の標的になっちゃってね。で。それを庇ったもう1人の前衛の人が今度は本格的に崖から落ちてね。」
ヨシマーサ「助けに行ったら自分が助けられる対象になっちまったってことか……その後衛のセレスティア、責任感じてんじゃね?」
ブレーミー「残った前衛の人と後衛の人2人で何とか倒しきって、崖に落ちた仲間を助けに行くんだけど。その時に最初に崖に落っこちそうになっていた人を助けにいったセレスティアの人は一度学院に戻っちゃったらしくこなくてね。」
ユッキー「む? 何故だ?」
ブレーミー「このパーティーじゃ勝てないかもしれないと思って、救助を呼びにいってたらしいよ? でもそのパーティー揉めたらしいよ。途中で帰っちゃったことに関して。」
シアン「そりゃ、揉めるだろうな。そいつも一言言うべきだっただろ。」
ブレーミー「それでそのパーティーは解散。かなり優秀なパーティーだったらしくメンバーは結構勧誘受けたらしいけど。どうも誰も最近までパーティー勧誘を受けてこなかったらしいよ。」
シアン「なんで、最近まで受けてこなかったってわかるんだ?」
ブレーミー「だってほら、あそこに1人。どう考えてもあれはパーティーでしょ?」
ニーナ「でも……よかったじゃないですか。信頼が崩れてきっと人を信じられない、そんな心境だったのでしょう……立ち直ってくれたんですよ。きっと。」
ブレーミー「さてねぇ……それにしても。あの人たち何しに来たんだろう? 全然取る気なさそうだけど。」
ショーゴ「た、確かに。カスミにいたってははしゃいでいるぞ……崖から落ちたらどうする!」
ブレーミー「ショーゴはシスコンだねぇ……」
ニーナ「いえ、この話を聞いた後なら、不安に思って当然かと……」
ショーゴ「そうだ、これぐらいでシスコン扱いするな! はっ、何をしているカスミ! おい! カスミ! それに近づくな!」
ブレーミー「あ、これはカスミちゃんお手柄! これでただ乗りできるぞー!」
ショーゴ「こら、何をする! 離せ!!」
シアン「落ち着けって! どう考えてもあのパーティー、俺らより強いって! あの黒髪バハムーン、やたらつえぇ……!」
ユッキー「あの紫髪のエルフは何をしているんだ? 逃げてばかりだ。」
ブレーミー「生き延びるのに必死なのかもね。生きるために必死って一番大切だと思うよ?」
シアン「だな、命あっての、だ。」
ユッキー「それもそうか……ふむ。早いな。もう終わりか。」
ブレーミー「火力が違うね。ボクらとは大違い!」
ニーナ「そうですね……力ない後衛ばかりですから……」
ブレーミー「ニーナさんは責めていませんよ! 責めるべきは火力になる魔法攻撃力を保持できないユッキー&ヨシマーサ!」
ユッキー「……すまん……」
ヨシマーサ「いや、大して熟練してない術者に魔法攻撃力を求めてもだな……」
ブレーミー「さて、あの人たちが行ったら即行で取りに行くよ! いつ復活するかわからないからね!」
こうしてブレーミーたちは安全にプリシアナッツの実を確保し、スノードロップという街へ歩を進めることとなった。
ヨシマーサ「って無視かよ……お、おい! 置いていくなよ!」
彼らが隠れていたのは少し離れた洞穴。
彼が立ち上がったそのとき、生徒手帳がポケットから落ちたのだが、
それはここにいる誰も気づきはしなかった。
おまけ
シアン「でもさ、噂にしちゃ結構細かいな。あの話。」
ブレーミー「あ、あれは他言禁止ね? そもそも隠滅された、なんて前置きがつくんだよ? それなりに出回らない理由があるんだ。」
シアン「何でそれをいわないんだよ。その理由ってのが気になっちまうだろうが。」
ブレーミー「なに、シアン? これに命かける気あるの? うわー 頼もしいな~」
シアン「え、え!? そんなやばい話なの!?」
ブレーミーの笑顔から、やばい話であることを感じ取ったシアンはそれ以上はきくことはしなかったという。
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