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2010年10月31日に公開した第3PT第4話です。
休日更新の関係で1日で公開しきっておりますが2更新分です。

前回に引き続き、加筆大目でお送りします。

----↓ここから↓----

シアン「ハァ、ハァ……! こ、この残虐ピクシーって奴、無茶苦茶攻撃が痛いぞ!? ってかここどこだよ!」

ブレーミー「ここの辺りは……ああ、もう大分ローズガーデンに近い所にいるんだね。だからかな。」

シアン「ろーずがーでん?」

ニーナ「学院から一番近い街の名前ですね。」

シアン「他の街が近いと敵が強いの?」

ブレーミー「そういうわけじゃないよ。学院の周りは弱い敵が多いの。なんでかしらないけどね。」

ユッキー「離れれば離れるほど敵は強くなる。ぐらいに思っていて大丈夫だ。」

ヨシマーサ「へぇーそうなのか。しっかしこんな山の中に街があるのか。知らなかったぜ。」

ユッキー「せめてそれぐらい知っておけ、ヨシ。」

ヨシマーサ「いやぁ。オレ本当に授業って奴が嫌いでさぁ……」

シアン「分かる分かる。眠くなんだよなぁ、話を聞くだけなんて。」

ブレーミー「知ってる? 13回生は授業なしで入学式でいきなり実習の説明になったのってそういう生徒が増えてきたかららしいよ?」

シアン「あっ! ずりぃ!!」

ショーゴ「何がずるいものか! この中には13回生は1人もいないが、ここにいる面子のせいで13回生が必要以上の苦労をする羽目になっているとは考えられないのか!?」

ヨシマーサ「だってよー 眠いもんは眠いんだよ。」

ニーナ「あら、そうだったの……だとすると今期から入学の方は苦労もするでしょうけど真面目に受講していけば相当早く卒業できるのでは?」

シアン「え、俺よりも早く卒業されちまうかもしれないのか!? そりゃ困るな……」

ヨシマーサ「ああ、お前まだそういう経験なかったのか。1度経験するともうどうでもよくなるぜ? 経験しとけ。」

シアン「俺、そこまで落ちぶれたくねぇ……!」

ユッキー「……」

ブレーミー「ほらほら、そんな話題はまた街についてからでもいいじゃない。ね、ユッキー?」

ユッキー「できれば……もうしないでくれると助かる。」


ブレーミー(あれ、案外気にしてるの?)

ユッキー(……俺が学生がいたいがためにこんなことになっているとしたら、心を痛めないわけがなかろう?)

ブレーミー(ユッキーって不良やってるわりには結構頭回るし優しいよねぇ。ボクが同じ立場だったとしても別になんともないもん。)

ユッキー(俺はお前がどうしてそこまで目的のために手段を選ばない性格なのかが分からん。)

ブレーミー(あったりまえじゃん。ボクはユッキーじゃないし、ユッキーもボクじゃないもん。)

ユッキー(しかし。)

ブレーミー(しかし? どうしたの?)

ユッキー(ヨシはよく、平気だな……)

ブレーミー(あ、ああ。確かにそうだね。ヨシの方が案外大物になったりして。)

ユッキー(ないな。)

ブレーミー(どうして?)

ユッキー(……出会いからして。)

ブレーミー(ふーん……でもそうなると、案外留年に理由があったりしてね~?)

ユッキー(俺もヨシの全てを知っているわけじゃない……詳しく、聞いたこともない。まあ、この話はどうでもよかろう。)

ニーナ「あら、何か見えるわ……? ブレーミーさん。カメラのズームアップ機能を使ってあちらの方を確認してもらえない?」

ブレーミー「え? あまり良く見えないけど……わかりました。今確認しますね。」

ショーゴ「早くしてくれ。あまりとどまっているとモンスターに気づかれる。」

シアン「いや、言ってる側から気が付かれてるって感じだぜ、これは!」

ヨシマーサ「ん? ありゃ!? こりゃ囲まれてねぇーか?」

ユッキー「まずいな……ブレーミー後でいい! 戻って来い!」

ブレーミー「嫌だよ、今降りたら格好の的じゃん。シアンとショーゴで受けておいてよ。」

シアン「なんって自分勝手なんだあいつ……!」

ショーゴ「恨み言は後にしろ! ぐぅ!!」

シアン「悪魔の占い師だけでよかったぜ……くっ!」

ニーナ「ああ! だ、大丈夫ですか!」

ユッキー「回復魔法の準備をしておけ、ヨシ。」

ヨシマーサ「了解!」


シアン「ハァ……何とか切り抜けられたぜ。」

ブレーミー「シアン死に掛けたけどね~」

シアン「お前がさっさと降りてこないからだろうが!!」

ブレーミー「まあまあ……はい、これ。」

シアン「ん? 写真? あ!」

ニーナ「どうしたんですか? ……あ。」

ブレーミー「後はこの道を左に曲がればローズガーデンです。そこまで頑張ろう?」

ユッキー「わざわざそれを証明するために写真を撮ってきたのか……」

ブレーミー「実際に目にした方が、あと少しって気力わくでしょ?」

ユッキー「なるほどな……」

ブレーミー「というわけで。街に着いたら少し休んで。それでまた学院に戻ろう?」

シアン「え? 先に進むんじゃねぇーの?」

ブレーミー「残虐ピクシーごときに苦戦してたらこの先なんて進めないよ。学院できちんと装備整えて、それからだよそれから。」

ユッキー「何処へ行くかは知らんが確かにそれが無難かも知れんな……」


おまけ
無事にローズガーデンに到着し買出しをしているショーゴとブレーミー。

ショーゴ「しかし新しい町となると心機一転頑張ろうって気持ちになるな!」

ブレーミー「そんな風に思うのボク達の中じゃショーゴぐらいだって。ま、普通はそう思うんだろうから流石ショーゴなんだろうけど。」

ショーゴ「なんだと! 見たこともない新たな風景が広がるんだぞ? 感動ぐらい……!」

ブレーミー「学院じゃないから宿泊費も取られるし。目新しくて助かるのは装備ぐらいでしょ? あ、この釣竿いいね。そういえばヒルターさんのパーティー、後衛が攻撃できないっていってたっけ。よし、トレードに使おう!」

釣竿を手に明るい笑顔を見せるブレーミーを見てショーゴは思った。
ブレーミーは自分の利益に関することしか興味がないのではないかと。
あながちそれは間違いではないということを彼は次回身をもって知ることとなる。

----↑ここまで↑----

前回に引き続き中盤に今回はヨシマーサについての加筆部分があります。
実はヨシマーサ、新ストーリーにしてようやく方向性が決まったキャラです。
そのためプリシアナ編・タカチホ編・ドラッケン編の3編構成の『隠滅されたプリシアナッツ』では非常に無難です。
この二次創作SSは最初特に目的を定めずに書き始めたものですので、
このように最初はまったく方向性すら決めずに登場しているキャラも多いのです。

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