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ラグナロクオンラインSNSの日記、2010年10月11日~16日の間で公開しました第3PT第1話です。
6更新分を1つにまとめているため文章量が多めです。ご了承ください。

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普段は多くの人で賑わう広場。しかしそこは今、静まり返っている。
広場では一人のノームの女性が踊っている。
その周りには何十人もの見物客。
彼女の神秘的な雰囲気はノームであるが故の無機質感からくるものなのか。
見物客達は完全に雰囲気に呑まれ、いや、彼女の虜が正しいか。
とにかく彼女に見はまっている。
彼女が動きを止める。それと同時に喝采が起こる。
これが最近の広場の日常だ。

彼女はニーナ。
彼女はダンサー修行のため広場で1日1回、入学後から毎日欠かさず踊っている。
そんな彼女が噂にならないわけがない。
またたく間に彼女の噂は学院中に広まり、いつしか3大アイドルにまつりあげられた。
その立役者の名を、ブレーミーという。
ブレーミーはニーナの才能にいち早く気づき、そして広めた。
しかし最近、このまま彼女を取り上げるだけでいいのかを悩み始めていた。


ブレーミー「今日の舞台の感想を一言よろしかったでしょうか?」

ニーナ「いつも通りでしたね。いつものように踊っていつものように歓声を頂きいつものように貴方からの取材を受ける。いつも通りです。」

ブレーミー「あはは、ボクまで含めていつも通り、ですか。……退屈とか、思ったりしません?」

ニーナ「その質問もいつも通りですよ。」

ブレーミー「あ、あはは……すいません。でも、こうも毎日何事もなく過ぎていくと他にきくことがなくて。」

ニーナ「私専属になったこと、後悔していませんか?」

ブレーミー「後悔なんてそんな! プリシアナ学院の中でも3大アイドルに数えられるニーナさん専属なんて、なろうと思ってなれるものじゃありませんよ。」

ニーナ「そんなの人が言っているだけ。……私からみて、ブレーミーさんはすこし、退屈そうに見えます。」

ブレーミー「……」

ニーナ「さっきのも、そう。なろうと思ってなれるものじゃない。確かにそうだけど、貴方はそうしてしまったことを後悔しているようにみえ」

ブレーミー「そうですね。ボクは後悔しています。」

ニーナ「……!」

ブレーミー「今のボクじゃ貴方を、もっと大物にすることなんてできない!!」

ニーナ「はい?」

ブレーミー「ダメなんだ、ボクじゃ! もっとこう、事件性のある出来事を手繰り寄せる、そんな人物がいないと貴方を更に有名にできない!」

ニーナ「いえ、誰も有名になんか……」

ブレーミー「ダメなんだ! 貴方は有名にならなくては! そうでなくては僕が困る!!」

ニーナ「た、確かブレーミーさんは大物ジャーナリストになりたいのよね……? 自分で大物を作り上げるって、それじゃあまるでプロデュ」

ブレーミー「大物になるためにだったら、プロデューサーでも何でもやってやる! ボクには見返さなくちゃいけない人がいるんだ!! だから!」

ニーナ「ぶ、ブレーミーさん、落ち着いて……」

????「そこのジャーナリスト! ニーナさん独り占めなんてずるいぞー!!」

その他大勢「そーだそーだ!」

ニーナ「あ、あのー」

ブレーミー「……! あ、す、すいません、熱くなってしまって! とりあえず、ボクは退散しますね! それではまた!」

ニーナ「は、はい~ また明日~!」

????「あ! ジャーナリストが空に逃げた!! これだからセレスティアは!!」


ブレーミー「あ、あぶなっー! あそこで熱くなっちゃうなんて、ボクもまだまだだなぁ……でもこれからどうしよう。いつもだったらニーナさんにジュースぐらいおごってからその辺を取材するところなんだけど逃げてきちゃたからなぁ。」

普段のコースを確認しながら辺りを見回すブレーミー。
ふと、校舎の裏側に目が行く。

ブレーミー「そうだ、逃げるついでにたまには不良の巣窟とも言われている校舎裏にでもいってみようか。ニーナさんを有名にするためのネタが転がっているかもしれないし。」

その頃、校舎裏では……

ヨシマーサ「ハハッ! よわっちい癖に本当、たてつくよな。お前さっ!」

ユッキー「言ってやるな。器用貧乏のフェルパーの癖にディアボロス相手によくやっているほうだろ。」

ヨシマーサ「違いねぇーや! おら、自分から仕掛けてきてんだからさっさと金をよこせよな!」

シアン「だ、誰が負けただなんて認めたんだコラァ! そもそも手前らから喧嘩売ってきてんだろうが!」

ユッキー「先に、財布に手を出したのはどっちだ? ん?」

シアン「あ、ありゃ、盗賊課程の授業の一環で……!」

ユッキー「よって先に手を出したのはそっちで、悪いのもそっち。しかもヨシ1人相手にぼろぼろ。これで負けを認めないなんて頭いかれてないか、お前。」

シアン「だからって金を出せってのはおかしいだろうが!」

ヨシマーサ「アァ? てめぇ、ここのルールもしらねぇーのか? 負けたやつは勝ったやつに絶対服従。これ、絶対な?」

(ドンッ)

シアン「グハッ……ふ、ふむなっ……」

ヨシマーサ「こうでもしねぇーとにげんだろお前? 面倒だからお前は謝罪の言葉だけでいいわ。あとはオレがぜーんぶやってやっから、さっさと謝罪しろよ!」

シアン(や、やべぇ、やばすぎるぞこの状況! 盗賊第一歩がいきなりこんなやばい奴らだなんて。本当俺は何処までもついてねぇ……!)

ブレーミー「ストーップ! ストップストップ!!」

(パシャパシャ!)

ユッキー「誰だ! 止めにかかると同時にいきなり写真を取るやつは!」

ブレーミー「ボクだよ、ボク! ジャーナリスト科のブレーミー!」

ユッキー「普通はこの場面で名乗らん!! しかしジャーナリストがなんのようだ? こんなの日常茶飯事だろう。ニュースにもなりやしない……まあいい。ヨシ!」

ヨシマーサ「あいよ、ユキにぃ!」

短髪のディアボロスの蹴りがブレーミーを襲う。
しかしブレーミーはその蹴りをバックステップで軽くかわす。

ブレーミー「だめだめ、そんな直線的な蹴り。そんなんじゃボクにはあたらないよっ」

ヨシマーサ「ちっ、あっちのフェルパーより動きがはえぇ! 仕方がねぇ!」

(ボゥ……)

ブレーミー「え!? ちょ、君、炎術師!?」

ヨシマーサ「ハハッ! 残念だったな!! さっさと焼き鳥になれや、セレスティアの坊主!! ファイア!!」

(ゴゴゴゴゴッ!)

ブレーミー「なーんてね。これぐらいは避けれるよー」
※ゲーム中では避けれませんが演出上避けられる設定となっております。ご了承ください。

ヨシマーサ「なっ! ちょこまかと!」

ブレーミー「これで君、MP切れでしょ? 大人しく……」

ユッキー「残念だが、お前の敵はヨシだけじゃないんだぞ?」

長髪のディアボロスはそういうが早いがブレーミーに手をかざす。
するとブレーミーのすぐ側に、黒い光球が現れた。

(ブンッ)

ブレーミー「え? う、うわぁぁぁ!」

黒い光球が炸裂するのと同時に、ブレーミーの意識もそこで途絶えた。


シアン「おい」

ブレーミー「……」

シアン「おい、起きろって!」

ブレーミー「……」

シアン「ま、まさか死んで……いや、息はある。おい、起きろ、起きろ!!」

ブレーミー「……う……う、うん? ここは?」

シアン「ああ、俺がしくじったところ。クソッ、あいつら俺が金持ってないからってお前の財布から金持っていったんだよ。」

ブレーミー「え、ボクの財布……ああっ!?」

シアン「お前もみてりゃぁいいのに何であそこで出てくんだ? ばっかじゃねぇーの?」

ブレーミー「んー 単純に弱い者をこれ以上いたぶる必要ないんじゃないかなーって思って。」

シアン「わ、悪かったな、よわくて!」

ブレーミー「そうだね、もう本当、弱過ぎて見ていて泣けてきたよ、あれ。あんなにいいやられっぷりなんだから君、やられ役専門の俳優になれば?」

シアン「お、お前って……助けてくれたのに結構酷いのな……」

ブレーミー「そりゃそうだよ、財布は君のせいで取られたんだから。これくらい言わせて貰わないと。」

シアン「男勝りなやつだなぁ……だからその格好なわけ?」

ブレーミー「そうそう、女の格好している方が変だろうっていわれて……え?

シアン「あー わかるわかる。お前はどちらかというと男友達っぽいもんなー」

ブレーミー「ストップ。」

シアン「あ?」

ブレーミー「ボク、君に自分が女っていったっけ?」

シアン「ヨシマーサとユッキーとかいう2人組が制服剥いだらあるかないかわからない程度の胸があったから股間も確認して、ないことを確認。ああ、こりゃ女だなと。」

ブレーミー「ストップ。」

シアン「ん?」

ブレーミー「あの2人組と君、グル?」

シアン「んなわけねぇーよ。お前から身包みはがそうして女だとわかって、それで拍子抜けして2人ともいっちまったのよ。

ブレーミー「……で、この制服は?」

シアン「……流石に女を裸にしておくわけにはいかねぇーだろうが。」

ブレーミー「……」

シアン「安心しろって! 気にしてるんなら言いふらしはしないし、お前の制服は俺が必ず盗り返してやるから!」

ブレーミー「安心できない。」

シアン「そりゃそうか……あったばかりでこんなことに巻き込んでるもんな。本当、わりぃ。」

ブレーミー「そういうことじゃない。」

シアン「?」

ブレーミー「あっちの2人も知っている。つまり、あっちの2人も口止めしなくちゃいけない。」

シアン「ハッァ!? 何を言い出すんだお前! というかお前のこと言いふらした所で何も」

ブレーミー「噂というのは意外と手ごわい。少しでも漏れれば即座に広がる。それをいままでは利用してきたからわかる。……まずい、このままじゃあの人にボクがここにいるってばれる……!」

シアン「今まで利用してきた? あの人? お前、何やってるやつなんだよ……」

ブレーミー「ボク? ボクはただのジャーナリスト。今はね……でもただのジャーナリストで終わらないためにも、今ここで、ボクの正体を知る人間に勝手に動かれては困るんだ。」

シアン「ほうほう。」

ブレーミー「よって、君と、あの不良2人組にはボクとパーティーを組んでもらう! 常にボクの目の届く範囲にいてもらう!! ボクの目的が達成されるその日まで!」

シアン「チョットマテェェェイーーー! 発想が飛躍しすぎだぁぁぁ!!!」

ブレーミー「即決即断、有言実行。というわけで。」

シアン「は? その前に話しきこうよ、ね? 何? お前、どうして俺の腕掴むの? 何する気なの、ねぇ?」

ブレーミー「飛ぶ。」

シアン「え、ちょ、おま、さっきまで気絶……うわぁぁぁぁ!?」


ヨシマーサ「ん? な、なあユキにぃ。あれって……」

ユッキー「……身の程知らずのフェルパーと、男の格好してた女のセレスティアだな。」

ブレーミー「そーれーを! くちにだすなぁぁぁぁ!!」

シアン「やめて、俺を投げないで! いやぁぁぁぁぁ!!

ヨシマーサ「あんなもん迎撃してやる! ファイア……あ、しまった! MP切れだったん」

(ガツンッ)

シアン&ヨシマーサ「ガァ!?」

(バタ、ドサッ)

ヨシマーサの上にシアンがきそうなものだが あいにくシアンは横からまっすぐ突き刺すように投げられたので
先に地面に落ち更にはヨシマーサの下になる形となってしまった。

ユッキー「ヨシの馬鹿が……で? 見逃してやったのに、何できた?」

ブレーミーはユッキーの前に降り立つと同時に語りだす。

ブレーミー「通称ユッキー、本名雪ノ丈。プリシアナ学院第4回生。卒業単位が取れず、もう何年も学院にいる……」

ユッキー「……いつのまに、そんな情報掴んだ? その手帳はなんだ?」

ブレーミー「ボクはジャーナリストだ! 目的のために利用できそうな学院の人間の情報は全て網羅しているさっ!

ユッキー「ほぅ……俺を利用する気だったのか。面白い。」

ブレーミー「最初はそんな気なかったけどね……ちょっと気が変わったんだ。ねえ、雪ノ丈さん。卒業単位、欲しくない?」

ユッキー「卒業した所で俺にはニートが向いている……世間は許してはくれんから、学生のままでいい。」

ブレーミー「何十年も学生ってのも世間は許さない。いいじゃん。また入りなおせば。それならきっと許すよ。」

ユッキー「……なるほど、物は考えようということか。それ悪くないな……どれ、話を聞こうか。」


シアン「ん? んん!? ここは?」

ヨシマーサ「どうやら冥府のようだぜ。フェルパー。」

シアン「お前! あ、ああ……ブレーミーのやつが俺をぶん投げて……そう、ぶん投げやがってあの野郎!!」

ヨシマーサ「リーダーをあの野郎とかいうんじゃねぇーよ、お前!」

シアン「はぁ? 誰が、何のリーダー!?」

ユッキー「俺たち4人の、パーティーのリーダーだ。」

シアン「はぁぁあああ!? 俺承諾した覚えがねぇーぞ!? てか、いつの間に買収されてるんだお前ら!?」

ブレーミー「なにいってるの? このパーティーはボクの、ボクによる、ボクのためのパーティーだから他人の承諾なんて必要ないのさ。必要あるのはボクの承諾だけ。

シアン「なんだそれ!? 横暴すぎるだろ、それ!!」

ユッキー「問題、あるか?」

ヨシマーサ「全然ないね。俺たち不良でもきちんと最後まで付き合えば卒業させてくれるらしいぜ、こいつ。」

シアン「なにっぃ!? 卒業だと!!」

ブレーミー「過去の経歴のせいで自分達でハードルあげちゃってるだけでしょ。君達は……ボクに任せておけばハードルなんて下げまくりでらくらくクリアだもんね。任せておいてよ。ニーナさんをプロデュースしたボクの腕前を信用してよ!」

シアン「ハァッ!? お前、ニーナさんと知り合いだったの!? というかプロデュース!? もうわけがわかんねぇ……!」

ブレーミー「ワケなんてボクが知っていればいいのさ。」

シアン「無茶苦茶だ、何でこんな無茶苦茶なんだこいつ!?」

ユッキー「逆らわん方がいいぞ、この手のタイプは火がつくと止まらん。どうも女だというのがばれて火がつき暴走気味っぽいんだ。お前がまいたタネなんだから自分できちんと回収しろ。」

シアン「……くぅぅぅぅ……俺って本当、ついてねぇ……!」

ユッキー「ああ、安心しろ。これからが本当の地獄だからな。お前の。」

シアン「?」

ブレーミー「さてと、じゃあパーティーの隊列! 基本は……君、なんて名前?」

シアン「あ、俺? 俺はシアンだが?」

ブレーミー「そう、シアン。シアン一人だけ前でボクが攻撃したいときだけ前に行く形が基本だよ。」

シアン「おーーーーい! 俺は盗賊……!」

ブレーミー「だって、ヨシマーサとユッキー、術師だし後ろでしょ? 仕方がないじゃん。」

シアン「仕方がなくない!! パーティーは最大6人! あと2人も入るんだ! どこかで調達してきてくれよ!!」

ブレーミー「ぇー ボク、自分の正体知る人増やしたくないよ。」

シアン「お前都合なのなっ!?」

ブレーミー「あったり前じゃん。あ、でも……そうだね。人は増やそうか。シアン、死んじゃうといけないしね。流石のボクもパーティーで死人が出ました、なんて嫌だしね。」

シアン「命がかからないと俺の意見って通らないの? このパーティー?」

ブレーミー・ユッキー・ヨシマーサ「うん。」

シアン「うわぁぁんーーー」

ブレーミー「というわけでちょっとこの人たちの面倒を見ることになってしまって……これからしばらく、取材ができそうでないんです。すみません。ニーナさん。」

ニーナ「いいのよ。ブレーミーさんにも事情があるんだろうし……」

シアン(本当にニーナさんと知り合いなのかよ、ブレーミーって)

ユッキー(3大アイドルとは全員顔見知りだといっていたな。)

シアン(しかし落ち着いてるときは普通なのな、あいつ。あの暴君はどこいったんだ?)

ヨシマーサ(これがジャーナリスト……おそるべし)

シアン(それ多分違う。今のジャーナリスト科の中でも2重人格気味なのはあいつぐらい。)

ブレーミー(あとでシアンは殴ろう。)

ブレーミー「そこでニーナさん。お願いがあるんですけれど……」

ニーナ「なにかしら?」

ブレーミー「実はその、勉強を見る3人がちょっと後衛に固まっておりまして……ニーナさん、最近ファン多いでしょう? ファンの方で手伝ってくれそうな人を2人ほど紹介してもらえないでしょうか?」

ニーナ「なるほど、そういうことでしたか。なら……」

ブレーミー「心当たりがあるんですか!?」

ショーゴ「ふふふ、ようやく見つけた! あのときのジャーナリスト!!」

ニーナ「ショーゴさん、落ち着いて。ほら、あのあときちんと事情は説明したでしょう?」

ショーゴ「わかってますよ、ニーナ様。悪い意味での見つけた、じゃないから安心してください。ブレーミーとかいったな。誤解して悪かった。すまなかった。この通りだ! 許してくれ!!」

シアン(あいつ土下座したぞ!? どうなってんだ?)

ユッキー(俺に聞くな。俺はその場にいなかったんだから知らん。)

ヨシマーサ(ユキにぃに同じく。)

ブレーミー「え? あれは誤解されるかもしれないって常に頭にあったのに熱くなっちゃったボクが悪かったから気にしないでよ!」

ショーゴ「いや! 聞けば貴方はニーナ様の良さにいち早く目をつけ学院にニーナ様の美しさを広めた教祖のような人! そんな方にあのような無礼……!」

ブレーミー「いや、本当にやめてって! ボクは踏みにじるのは好きでもおだてられるのは苦手……!」

シアン(なんかさらっと本音出したぞ、あいつ)

ヨシマーサ(あいつでもそういうことあるんだなぁ)

ニーナ「この通りなのよ……周りの人もちょっと引き始めちゃってて……どうしていいかわからなくって。」

ブレーミー「そ、そうでしょうね。こういうのもいるのが有名税って奴なんでしょうけれど……わかりました、ボクが責任持って面倒見ますよ。」

ニーナ「助かるわ……その代わりといってはなんなんだけれど。」

ブレーミー「はい?」

ニーナ「私を、ブレーミーさんのパーティーに入れてもらえないかしら。」

ブレーミー・シアン・ショーゴ「えぇ!?」

ブレーミー(あ、馬鹿! シアン!!)

ニーナ「あら? そちらの青毛のフェルパーさんは……?」

ショーゴ「お前は見たことあるぞ! たまにニーナ様の公演を見に来ているフェルパーで……確か名はシアン!」

シアン「何で知られて……」

ショーゴ「ニーナ様が危ないことに巻き込まれないか、きちんとチェックしているのだ! 貴様は一番の注意人物としてブラックリストに載っている!」

シアン「ゲッ、マジかよ!!」

ブレーミー「ボクもブラックリストの存在は知っていたから、シアンは隠しておこうと思ったのに……」

シアン「お前知ってたのかよ!!」

ブレーミー「うん。もっとも、ボクが知ってたのは名前だけだったからシアンが自分で名乗るまで本当に知らなかったよ?」

シアン「ほ、本当かよ……!?」

ユッキー(あれは嘘だな。)

ヨシマーサ(え? なんでユキにぃわかるんですか?)

ユッキー(まあ見てろ。)

ブレーミー「うん、本当本当。そもそも青毛のフェルパーなんて学院探せばいっぱいいるし。」

シアン「あ、あー…… それもそうだな。」

ショーゴ「だが、そこに盗賊もつけば話は別! そんなやつは学院探しても数は限られる!!」

シアン「あ、た、確かに! ってことはブレーミー、お前!!」

ブレーミー「ニーナさん、この通りちょっとお馬鹿な不良が3人もいるもので。それにこのヒューマンが加わるととてもじゃないけどボク、ニーナさんを守りきれません……」

シアン「馬鹿って言うな!!!」

ニーナ「大丈夫、自分の身は自分で守れるわ。だからお願い。」

ブレーミー「せめて理由を。理由を聞かせてもらえますか?」

シアン「お願い、ニーナさんまで加わって俺をスルーしないで……!」

ニーナ「……退屈なのよ。」

ブレーミー「え?」

ニーナ「公演のあとの取材、ブレーミーさん、途中で切り上げちゃったでしょう? その続き。答えは私も退屈。ブレーミーさんと一緒。有名になったのはいいけれど、やることはいつも一緒。変わらない。変えてくれないかしらと待っていた。でも。待っているだけはもう限界……」

ブレーミー「ニーナさん……」

ニーナ「だから。自分で変わりそうな、そんな所に飛び込むことにしたの。でも私は人見知りだから……ブレーミーさんみたいな、よく知っている人の側がいいの。だめ……かしら?」

ブレーミー「……シアン。」

シアン「え、え!? 完全に置き去りだと思ってたんだけど、俺に振るのか!?」

ブレーミー「嫌ならいいよ?」

シアン「なんだよ?」

ブレーミー「ニーナさんの盾なら、喜んで受ける?」

シアン・ショーゴ「あたぼうよ!!」

ブレーミー「あれ? シアンに華を持たせてあげようと思ったのに被っちゃった。」

ユッキー「ククッ……アーハッハハ!! だめだ、これ以上は無理だ!!」

ヨシマーサ「ユキにぃ!! これじゃあ隠れている意味が!」

ユッキー「もう構わんだろう! この流れでパーティーを組まないという選択肢が取れる人間など限られる!! 喜べ、ヨシ! ニーナとやらの盾ついでに俺らも守ってもらえるそうだぞ!」

ヨシマーサ「そうか! ニーナを守る=ニーナはダンサーだから大体後衛、つまり後衛の俺らも一緒にってことか!! 確かにこりゃいい盾だぜ!」

シアン「え! あ! そうなっちまう!!」

ショーゴ「な、なんだと! 見ず知らずの人間の盾!? だ、だがニーナさんも加わるとなれば仕方がないか……!」

ニーナ「え、えーと……あの人たちは誰ですか、ブレーミーさん?」

ブレーミー「あれがボクが面倒見る3人の不良のうちの2人ですよ。実力はシアンよりはずっと上だし、ご迷惑かけないよういうことぐらいはできるんですけど……やっぱりニーナさんはやめておきます?」

ニーナ「い、いえ! 女に二言はありません!」

ブレーミー「それをいうなら男に、何ですけど……」

ニーナ「ともかく。ショーゴさんは私がいないと前衛をしないそうです。ですので私とショーゴさんをブレーミーさんのパーティーにいれていただけますよね? 私も他にあてはありませんし……」

ブレーミー「確かに、ニーナさんなら探せそうですが現状その通りです。ニーナさんもそこまで決心されていらっしゃるならボクは何もいえません。これから、よろしくお願いしますね、ニーナさん、ショーゴさん。」

こうしてブレーミーを中心にパーティーが結成されたのである。
何の目的も、語られることなく……ただ、漠然と……


おまけ
ヨシマーサ「しかし、ニーナに素がばれると色々まずいんじゃないか?」

ブレーミー「あ、ボクが自分勝手だってこと?」

ヨシマーサ「いや、性別の方だって。」

ブレーミー「ヨシマーサはボクが、実力行使される以外に、そんな重大なヘマすると、思う?」

ヨシマーサ「……オモイマセン」

そのセレスティアとは思えない、黒い笑顔はヨシマーサの心の奥深くに刻まれたという。

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