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2011年5月9~12日に公開しました、第2PT冒険日誌第20話です。
4更新分です。
やはりなつきの台詞が多いため修正が多めになっています。

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なつき「……」


フローライト「……策士がいないのが、君たちの編成の穴、だよ?」


なつき「どうせなつきは、さくや先輩やアサミン先輩みたいにはできませんよ!」

(ポチャン!)

フローライト「君は一人で行動すべきじゃなかった。君一人じゃ僕は追えない。君は非力すぎるから。」


なつき「そうですよ、なつきじゃゆづき先輩や、ローズ、カスミみたいに一人で追うことなんてできませんよ!」

(ポチャンッ!)

なつき(なんなんですかあの男は! 人が気にしてることズバズバズバズバ! ほっといて欲しいです!) 

なつき「……でも思い返してみると変な話だったですね。前半と後半が全然ちぐはぐです……もしかして、なつきがどういう反応返すか、見てたですか?」

なつき(だとしたらボルンハーフェンで一度解散している今の状況は少々不味いですね。ヒルター様が近くにいるとはいえ、私がふと消えても小さいからすぐには見つけてもらえないだろうし。)

なつき「愚痴はここまでにして、ヒルター様と合流するです。」


フローライト「……気づいた? たった、あれだけのやりとりで、僕の意図を? まさか……だが、僕はさっきので十分判断できるよ……ふふ。」


なつき「ヒルター様~! お待たせしてごめんなさいですよ!」

ヒルター「いや、いい。で、言いたいことは池に向かっていってきたのか。」

なつき「もうばっちりです! 変なことにお付き合いさせて本当、ごめんなさいですよ。」

ヒルター「それでなつきの気が晴れるなら構わん。ほら、他のメンバーの所へ行くぞ?」

なつき「はーい!」

ヒルター「なつき。」

なつき「はい?」

ヒルター「お前が気にしてることは本当に、フローライトに言われたことだけなのか?」

なつき「あったりまえじゃないですか!」

ヒルター「……そうか。」


ナーシャ「今回はきちんと戻ってきたわね。」

なつき「なつきも馬鹿じゃありませんからね! 今回はきちんとヒルター様にお願いしたのです!」

ツカヅチ「……そのせいで私はダイくんと何を話せばいいかわからない静寂な時間を過ごすことに……」

ダイ「……うん。ボクもツカヅチさんと何話していいかわからないから物凄く困っちゃったよ……」

ロビン「……すまん、ダイ……お前が口下手なのを忘れてた……!」

なつき「ツカヅチも自分から話しかけるタイプじゃないのでそりゃそうなりますですよ。てかそこはロビンとナーシャが気を使うべきところだったでしょう!?」

ヒルター「しかし、なつき。こちらの方にフローライトが向かったのを見たのだろう? 見当たらなかったが……」

なつき「あの野郎のことですからどうせ遠くで見てたですよ。多分、まだこの町にいるです。……でも、なつきの考えじゃ参考にもならないですよね。」

ナーシャ「そんなことはないわ。あくどい事にかけてはあいつを上回れるような人物なんてそうそういないわ。あいつの上をいったっていうあの金髪エルフの方がおかしいのよ。」

ロビン「何せあの人は俺らと戦うつもりで武器まで用意しているぐらい用意周到だったしな……」

ダイ「もうあの人とは戦いたくないよ……! 次何されるかわからないもん!」

なつき「あの腹黒参謀は本気になった時の用意周到さは異常ですからね……何があそこまでの行動をとらせるのでしょうか……でもそんな異常者レベルが相手なんですから、正直、なつきなんかじゃ太刀打ちできないですよ。」

ヒルター「なつき。やはりお前、何かあったな?」

なつき「? 別に何も」

ヒルター「なら何故、自分をやたら卑下する発言が多い?」

なつき「気のせいですよ。」

ヒルター「何故、自分に自信を持って発言しない? お前はそういう奴だっただろ?」

ダイ「そういえば結構自信家だったよね……そういわれてみるとなんで」

なつき「……気のせいですよ。」

ツカヅチ「……なつきちゃん?」

なつき「なつきが自信家なんて、それこそ気のせいなのですよ。周りは凄い人ばっかりで。自分がそれより劣るのわかっちゃって。それで落ち込まない人なんて、いないですよ?」

ヒルター「確かに。ゆづきにしてもさくやにしてもそうだが。……だがお前は」

なつき「下手な慰めなんて要らないのですよ! ……ツカヅチ、なつきちょっと上の方いってくるです。ダイをこさせちゃ嫌なのですよ!」

ダイ「え! ちょ、ちょっと!」

ツカヅチ「……あの時の、ことじゃない?」

ヒルター「あの時? どういう……まて! なつき!」

ナーシャ「……放っておいたら?」

ロビン「あいつがいるんだぞ!? 放ってなんて」

ナーシャ「さっきの。上にいくってのはあいつに捕まらないようにでしょ? あいつに羽根はないもの。まだ安全よ。」

ロビン「だといいんだけど……」

ナーシャ「……もしくは。上に、こいとか。」

ダイ「上に、来い?」

ダイ(そういえば、なつきちゃんは見られてるだろうって予想はしてたんだ……そしてわざわざ、ツカヅチさんにあんな事を……そうだよ、なつきちゃんは計算できないような子じゃない。なら、きっとこの行動の意味は……)



なつき「……そうですよ。なつきはパーティーもまとめられない期待外れの子なんですよ。ゆづき先輩に頼まれたのに。カスミのことにも気がつかず。いざという時にはへばっちゃって何もできない……」

フローライト「……本当、君のお父さんのいうとおり、モーディアル学園にはいっていればよかったのにね?」

なつき「!? な、ななな!? 何でフローライトが空飛べ……なんですか、その黒い翼は!」

フローライト「ハハハッ! これが僕の手に入れた力だよ! ……出所、知りたい?」

なつき「なつきはですね。そんな話に耳を傾けるほど落ちちゃいないのですよ?」

フローライト「……落ち着いてるね。本来、これるはずのない人間がここにいるのに。まるで予想していたみたいだね。」

なつき「貴方が何を出来るかなつきは知らないですよ。でもこの世の中にはフロトルという魔法があるのです。飛べる可能性を考えない方が馬鹿なのです。」

フローライト「なるほどね。じゃあ、仮に君がこの状況を予想していたとして……僕と一人でやりあって、君は勝てるの?」

なつき「やっぱり聞いてやがったんですね。そうですよ、なつきじゃ勝てませんよ!」

フローライト「仲間でも呼ぶ段取りでもつけてきたのかな? そんなの用意していなかったよね?」

なつき「……あのですね。こうして一人で行動するのは何度目かわからないですけど。今までの経験上、なつきってなんだかんだで心配されてしまうようなのですよ。だから……」

ツカヅチ「な! なんで!?」

なつき「大体、こうなるんですよね。」

ダイ「え? ええええ!? 何がどうなって! 流石にこれは想定してなかったよ!」

なつき「ダイ!? ダイまでなつきのこと心配してきてくれたですか!? くるなと、来させるなといったではありませんか!」

ダイ「当たり前じゃないか! なつきちゃんのこと、入学前から知ってるんだよ? そんな子を放っておけるわけないじゃないか! それに、これってボクありきで考えてたんじゃないの!?」

なつき「馬鹿ですねぇ、なつきが散々自分勝手にやってきたこと知ってるくせに、それでも心配してきちゃうなんて。確かに、ダイありきですけど。ここでは全然予想してなかったです。」

フローライト「……これ、君の計算通り、なのかい?」

なつき「計算なんてしてないですよ! ピンチの時にこういう展開になるのがヒーロー物のお約束って言うのがヒルター様! だからなつき、心配してくれたヒルター様のためにお約束にのっただけなのですよ! ……本当、ダイなんて計算外もいいところです。」

フローライト「……は、ははは! なんだいそれは! 面白いね! ……パーティー崩壊の原因が自分じゃないかって、さっきまでつぶやいていたのにね?」

なつき「ああ、あれですか? あれは言ってくれないローズが一番の原因だったと思うことにしたです。半分は演技です。」

ツカヅチ「え、そ、それでいいの?」

なつき「だってそうでしょう? あの中で事情を知ってたのはローズです。ローズがきちんといっていればよかったのです。あとでしっかりオシオキです!」

フローライト「……な、なんって、都合のいい」

なつき「そうですよ、なつき都合がいいですもん。わがままですもん。……そうじゃないとヒルター様や他のみんなに心配されちゃうじゃないですか! 切り替えの速さは! なつき、誰にも負けてないって自信あるです!」

フローライト「……ふふ、じゃあこのまま、やらせて」

ナーシャ「ブラスト!」

フローライト「なっ!? お嬢様!? どうやって!」

ダイ「……ボクのフロトル。地味だけど、きちんと使えるんだ。なつきちゃん、ボクに残れって、こういうことだよね? やるべきことはやってから着てるよ。」

なつき「ダイにしてはよく気がついたじゃないですか。えらいですよ。」

ナーシャ「……気づいたの、ワタシなんだけど。」

ダイ「うん。ナーシャさんに言われなかったら気づかなかったかもしれなかったよ……多分、ボクだけで追ってた。」

ナーシャ「まあ、貴方ならそうしそうだったし止める意味もあったんだけど。」

ロビン「これはまさかの空中決戦だな。……しかしなつきちゃんも行き当たりばったりなことをするね……」

なつき「ふふん。ロビンとナーシャのお二人さんは結構気がきくタイプと踏んでのことです。ただの行き当たりばったりではありませんですよ。それに! これぐらいしないと今回は気がすまなかったのですよ! この野郎、本当に人が気にしていることばっかりついて! 気に入らなかったのですよ!」

ヒルター「……そうか。ならば少し、オシオキ、か?」

なつき「そうです! ヒルター様がのってきてくれるなんて思ってなかったのですよ~!」

ヒルター「……なつきはそうしていないとなつきらしくないからな。……だが、迷惑はかけすぎるなよ?」

なつき「わかってます! ささ! さっさとこいつやっちゃうです!」

フローライト「……せっかく傷がいえてきたというのにね。……いや、これは僕の負けだよ。なつきちゃん。」

なつき「……素直に負けを認めるなんてぜーったい何かあるですね? カスミの時はこの人数でも怯まなかったと聞いてるですよ?」

フローライト「ククッ……そうだよ。当然じゃないか! 逃げる段取りぐらいしてるに決まってるじゃないか! 上手く君を手駒にできればいい、そういう気持ちでの行動だったんだからね!」

ナーシャ「これは!? なつき、離れなさい!」

フローライトから黒い霧が発せられる。
ナーシャの声に反応し離れたパーティー。
黒い霧がタカチホの方に流れていく。
黒い霧が発せられた場所……そこにはフローライトの姿形もなくなっていた。

なつき「なんですかあの技は!? ……逃がした、ですか?」

ナーシャ「あの黒い霧が、多分。でも、あれは仕方がないわよ。」

ダイ「まさか、なつきちゃん狙いで来るなんて……」

ツカヅチ「まったくです。本当、油断も隙もない人だ……早く決着をつけないといけませんね。」

なつき「……結局、決戦の舞台はタカチホなのですね。できればここで終わらせたかったですよ……」

ロビン「それは欲張りすぎだって。さて、結構時間は稼いだし、トラップの準備が間に合ってるといいんだが……」


おまけ
ダイ「本当になつきちゃんは相変わらずだね……」

なつき「なんですか、お説教ですか? ダイの癖に生意気なことしようとするですね? ……でも今回は特別に聞いてあげるですよ。言うならさっさと言うですよ!」

ダイ「お説教だなんてそんなっ!? 僕はただなつきちゃんから見て、親衛隊の人たちってどういう人達なんだろうなって聞きたかっただけで、お説教だなんて……相変わらずって言うのは挨拶でしょ?」

なつき「……ゆづき先輩と、さくや先輩ですか? なんです。何で興味あるですか。」

ダイ「ほら、あんなことあったでしょ? だから上手くやれてるのかなって……」

なつき「あの腹黒は腹黒なりにきちんと反省して見せてるので問題ないですよ。ああいう性格なのはゆづき先輩もしっかりわかってたみたいですしね。だから、ダイが何で心配してるかわからないですけど、心配ないです。これでいいですか?」

ダイ「ありがとう……でもほら。やっぱり、みんな、仲良くが一番いいから……」

なつき「なつきが信頼できるぐらいの人たちですから、本当心配する必要なんてないのですよ。だからダイは自分の心配するですよ。」

ダイ「……僕の心配?」

なつき「……あれですよ。」


ナーシャ「ロビン、大丈夫よ。きちんと支えがなくても降りれるから。」

ロビン「何かあったらどうするんだよ。ほら、手、貸して。」

ナーシャ「ええ。運命の人が貴方で本当に」

ヒルター「……」

ツカヅチ「私はその、ヒルター様の後ろで幸せですが……その。降りましょう、そろそろ?」


ダイ「……うん。そうする……」

なつき「相談ぐらいはのるですよ。聞くだけですけどね。」

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