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2011年4月20~22日に公開しました、第1PT冒険日誌第24話です。
この日時の更新となったのは単純に忘れていただけです、申し訳ありませんorz

全3更新分でSNS版でも追記があるようにここまでは連続して書いていたのですが、
プリシアナ編においてはこの話のみ『三校編』の概要がほぼ決まった後に加えられた話となっております。
若干の雰囲気の違いをお楽しみくださいませ。

----↓ここから↓----

約束の平原を一気に駆け抜ける予定だったタスク達。
しかし今、彼らはパーティー全滅の危機に襲われていた。

ミュール「っ……ふいうちじゃなければこんなドラゴン!」

ヨシマーサ「こんな状況で言っても負け惜しみにしか聞こえないですぜ?」

ミュール「んなもんわかってるのよ!」

ユッキー「……お前、助けに行け。」

ミュール「何言ってんのよ! タケシとタスクとちあきが崖下に吹っ飛ばされて、戦えるのはあたし達3人だけ。助けに行きたいのは山々だけどあんた達2人だけで、こいつの相手できるの!?」

ヨシマーサ「姐さん、前っ!」

ミュール「っ!」

金の翼を持つドラゴン、グレートドラゴン。
天空より突如現れたのだが、その時の突風で体重の軽いタスク・ちあき・タケシの3人は吹き飛ばされてしまった。
こうなると普段タスクとちあきに任せきりの攻撃手のいない一行はジリ貧である。
タスク達が吹き飛ばされてから今まではミュールがひたすら後衛2人をかばい続け、
後ろの2人がヒールをかけてしのいできたがもう既に2人の魔力はそこをつきかけている。
そこでユッキーは一か八か、ミュールに3人の救助を提案したのだが案外責任感のあるミュールである。
ユッキーとヨシマーサを放っておけるはずもない。
そんな事情などお構いなしに、グレートドラゴンはミュールに痛恨の一撃を加えようとした、その時である。

????「ようやく、見つけた!」

ミュール「な、なに!?」

グレートドラゴンと同じ方向から現れた黒い影。
その影は今にもミュールに最後の一撃を加えようとしていたグレートドラゴンとミュールの間に、
当たれば普通のモンスターならば一撃で悶絶するであろう一撃を走らせた。
その一撃でグレートドラゴンの興味は後から現れた黒い影に移り、3人の戦闘状態は解除された。

ミュール「この軌道……鞭?」

ユッキー「ミュール、今だ! 今しかない!」

ミュール「だから、あんた達を放っておけるかっての!」

ヨシマーサ「姐さん、オレらのこと考えるならいってください! 大丈夫ですって、さっさと戻ってきてくれれば。そんな、軟な鍛え方してないっての。これでも、オレら、プリシアナ学院では先輩ですぜ?」

ミュール「ヨシ……わかった、わかったわよ! 死ぬんじゃないわよ! 無茶しない事! わかってるわね!」

ユッキー「さて、どうする、ヨシ?」

ヨシマーサ「……」

グレートドラゴンとの戦闘状態が解除された2人はミュールが無事離脱したのを確認し、振り返る。
グレートドラゴンがいなくなったわけではなく、後から現れた黒い影、
黒い翼のセレスティアと戦闘状態になっているだけだからだ。油断は出来なかった。
案の定、セレスティアの方は若干だが、押されはじめていた。

ヨシマーサ「……助けましょうぜ。第一声からして、自分都合なんだろうが、それでも恩人には違いねぇーや。」

ユッキー「セレスティアだぞ?」

ヨシマーサ「種族なんて関係ないって。それに。」

ユッキー「それに?」

ヨシマーサ「……ああいう強ぇ女は嫌いじゃねぇ。」

ユッキー「……好み、か。」

ヨシマーサ「違いやすって! ほ、ほら、いきましょうぜ?」


????「お、おかしいな? ほかの2匹はこんなに強くは……」

グレートドラゴン「グオオォォ!」

????「しま」

ユッキー「ダクネス!」

????「貴方達、まだいたの!?」

ヨシマーサ「まあな。」

ユッキー「敵をきちんと見ていろ。さっきのは気をそらせただけだ。威力はない。」

ヨシマーサ「悪いが今のオレらにそいつとガチで戦う体力は残ってねーんだ。ってなわけで援護させてもらうぜ?」

????「……ごめんなさい、助かります。」

ヨシマーサ「助かったのはこっちの方だっての。ほらよ、その鞭当てたら一撃で終わるようにしてやるよ! ヒートパワー!」

????「よし、これなら……」

ユッキー「喋ってる場合じゃない、ヨシ! 奴は先ほどの攻撃でこちらに照準を定めた。くるぞ!」

ヨシマーサ「ハッ! 邪魔すんのはオレの専売特許だっ! 動くんじゃねぇーよ!」

グレートドラゴン「グォッ?!」

ヨシマーサ「さっきまではな、姐さんがかばいまくるからな、攻撃に回れなかったが……オレの方が先に行動できりゃ、お前なんかに攻撃させねぇーよ!」

ユッキー「残りわずかな魔力だが……お前にヒールをかけてやるぐらいは、できる。女にこんなことを頼むのは癪だが……すまんが守ってもらえるか?」

????「助けておいて、その頼み方はずるいですよ、ユッキーさん?」

ユッキー「……やはり、そうか。お前だったか。」

????「こんなのばれたらライカさんにどやされちゃいますからね。告げ口なしでここは手を打ってあげます。」

ユッキー「……ライカ姉の所に戻るのは」

????「そんなのわかってる。さぁ、さっさと終わらせてしまいましょうか!」

ヨシマーサ「兄貴、知り合いですかい?」

ユッキー「……まあな。まさか、とは思ったが。」

グレートドラゴン「グルルゥ……グオオオォォ!」

ヨシマーサ「だから! てめえに攻撃させる気はねぇーっての!」

ユッキー「ヨシ、今回は間に合わん!」

ヨシマーサ「チッ! でかいくせにある程度は速いのかよ!」

ユッキー「……だが。俺達を標的にしてくれるとは、やりやすいな。今だ、やれ!」

????「ハアアッ!」

グレートドラゴンがユッキーとヨシマーサを狙い動きを止めた瞬間、
セレスティアの鞭がグレートドラゴンをついに捕らえた。
その一撃はすさまじく鱗の鎧をいともたやすく引き裂いた。
鱗の鎧と共に身を引き裂かれたグレートドラゴンはそのまま雪原に倒れこむとそのまま息絶えた。

ヨシマーサ「ありがとよ。お前がいなかったらどうなってたことか。」

????「……あの~ これ、そもそも私が取り逃がした物なので、お礼言われるほどのことでもないんですよ?」

ヨシマーサ「……は?」

????「本当は渓谷でしとめるつもりだったのにあんなことになって……誰よ、あんな所で闇の精霊なんて使ったのは……」

ヨシマーサ「え? ええっと、つまり、お前、単にここまでこいつを追ってきた、だけ?」

????「そうですよ。だから、私からの謝罪はあってもお礼はなしで。さて、こいつの角だけもって……スノードロップで休もうっと。ドラッケンにはすぐに戻れないし。」

ユッキー「それが良かろう。だが、極力早めに戻ってやってくれ。ライカ姉の部屋の状態が、最悪の状態になる前に。」

????「……そんなの自分でやればいいのに。はぁ、手間がかかる人よね……」

ユッキー「……お前には面倒かけてばかりだ。すまん。」

????「この状態のときにしかいわないとか、ユッキーさんも酷いですよね~? まあいいですけど。別にお礼を言われたくて掃除しているわけじゃないですし。じゃあ、余りこの姿は人に見られたくないし、さっさといきますね。」

ヨシマーサ「待てよ!」

????「何?」

ヨシマーサ「お前、名前は?」

????「なんでまた会うかどうかも分からない相手に名前なんて……また今度会うことがあったら、その時で。じゃあ『またね』。」

ヨシマーサ「……」

ユッキー「どうした、ヨシ?」

ヨシマーサ「兄貴、あれ、堕天したセレスティアですよね?」

ユッキー「ん? ああ。多分な。詳しいことは本人からはまったく聞けんからわからんが。」

ヨシマーサ「なんで兄貴、あいつと知り合いで?」

ユッキー「あいつはライカ姉の知り合いだ。それで付き合いがある。ただし。あいつは滅多にあの姿は見せん。今回は道中で何かあったんだろう。何があったのかは気になるが、落ち着いているみたいだしな……まあ問題なかろう。」

ヨシマーサ「あいつの名前は?」

ユッキー「本人がまた会ったら名乗るといったろう。それまで待て。」

ユッキー(もっとも。会えん方ぐらいのほうがいいのだがな。)

タスク「おーい!」

ミュール「2人とも無事……ハァッ!? 2人で倒しちゃったの!?」

ヨシマーサ「あ、姐さん。いや、さっきまでこれを追跡してた奴がいたんで共闘で」

ミュール「ちょっとヨシ。」

ヨシマーサ「はい?」

ミュール「追跡? つまり元凶!? なんでタダで返してんのよ元凶を! あたしたちにも一言文句を言わせなさいよ! こっちは被害者、それも3人もよ!?」

ヨシマーサ「いや、きちんと後始末していきやしたし」

ミュール「さては女ね!? あんた好みの女だったんでしょ!? 違う!?」

ヨシマーサ「えっ!? あ、いや、その」

ミュール「ああああっ! あんたという奴は! ぶん殴らせなさい、全力で!」

ヨシマーサ「あああああ、兄貴!」

ユッキー「……まあ、鼻の下が伸びてるシーンがあったしな。否定はできん。」

ヨシマーサ「兄貴ぃぃぃ! お、お願いしやす。ミュールの姐さんの全力だけは! 全力だけはぁぁあああ!」

タスク「……ミュール、全力だけはやめておいてやれよ?」

ちあき「そうよ、きちんと仇をとってくれたみたいなのだし……」

タケシ「仇って言い方もおかしいっすけど、まあそんな感じっすしね。オレっちからも全力はやめておくべきだとアドバイスするっす。」

ミュール「じゃあ、手抜きなしで殴るわ。それでいい?」

ヨシマーサ「違いがわかんないですよ!?」


おまけ
ナーシャ「くしゅんっ!」

ロビン「ん? どうした? やっぱり体調が悪いとか?」

ナーシャ「……ちょっと風に当たりすぎただけよ。心配しないで。」

ロビン「そっか?」

ナーシャ「誰かが噂したとでも思っておけばいいじゃない。本当、心配しすぎ。」

ロビン「あんなことがあったばかりだし、そりゃ気にもなるぜ。」

ナーシャ「……ありがと、ロビン。」

----↑ここまで↑----

……あれ、なんでおまけに別PTの甘いシーンがくっついてしまったんだろう……

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