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2011年2月27日に公開しました、親衛隊冒険日誌の第11話分です。
物語の序盤重大イベントが引き続き展開中の2更新分です。お楽しみください。

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さくや「……ゆづき先輩の、翼、ですか。」

ライカ「ああ。」

アサミン「……やっぱり、使い物にならなくなってるのね。あの時ので。」

さくや「……あの時は、治療もまともに……しなかったから……」

アサミン「そうね、あんたが自分の欲出して……ね?」

さくや「……」

ライカ「なるほど、2人とも心当たりがあると。」

さくや「ええ。……わたくしが、悪い……」

アサミン「……あんたにしては珍しいわね。自分の非を認めるなんて。」

さくや「……この件に、関してだけよ。」

アサミン「そう。じゃあ少しぐらい庇ってあげましょうか。バハムーンの翼はほとんど飾りでしょ? 常に飛び続けられるほど、強くもないから罠だって飛び越えられないし。」

ライカ「確かに。そういう意味では飾りだな。不便はないだろうさ。だが、やはり不調がそういう部分から来る。自分の体の一部なんだからな。深い傷を負った以上、後遺症はどうしても残るものさ。」

アサミン「……わかるような、わからないような……」

さくや「翼のないわたくしにはまったく理解できませんけど。でも、先輩があまり調子が上がらない理由は……翼、ですか。」

ライカ「ああ。まあ、きちんと治療すれば直るとは思うが……もうちょいとここにいてもらうことになっちまうが大丈夫かい?」

さくや「それで先輩の意識が戻るのなら……」

ライカ「それはちょいとわからないが……体のほうは翼以外異常はないんだ。あとは本人の精神的な問題だろう。……ま、最終的には待つしかないってことだ。」

アサミン「そうね。今はただ、待つしかないわね。」

(コンコンッ)

ライカ「誰だ?」

フローライト「僕ですよ。」

ライカ「フローライト……あんた、何しにきたんだ?」

アサミン「誰、こいつ。さくや、知り合い?」

さくや「野郎の知り合いなんてヒルターとマクスラークぐらいなものよ。ああ、あとロビンとダイだったかしら? あの子達も入れてやってもいいわね。……そう。それだけのはずよ。」

アサミン「……相変わらず、男に冷たい奴ね。名前ぐらいは覚えてやりなさいよ。」

さくや「嫌よ、面倒臭い。」

ライカ「……? 何、知り合いがいないのに着たのか? 本当、何しにきたんだ、お前。」

フローライト「いやだなライカさん、用事がないと着ちゃいけないんですか? そしてそちらの2人。間接的にはお知り合いですよ? 僕はカスミちゃんと、ローズの知り合いですから。」

さくや・アサミン「!」

フローライト「おや、驚いていて……なんだ、あの2人、僕のことを誰にも話さなかったのかな? ……やっぱりね。ふふ……」

アサミン「……さくや。」

さくや「言われなくてもわかってるわ。……残念ながら、カスミもローズも、今はここにはいませんの。用件でしたらお聞きしますが。」

フローライト「特に用件なんて。単に2人が今どういう状態かなと、見にきただけですよ。」

さくや「そうですか。でも2人とも、この部屋の前にいたはずですが、会っていないのですか?」

フローライト「僕がきた時にはもういなかったかな。」

さくや「なら、わたくし達が知っているはずはないでしょう? わたくし達はこの部屋に、ずっといたのですから。」

フローライト「でも、場所ぐらいは知っていてもおかしくないでしょう? 仲間、だったら。」

さくや「あいにくわたくし、そういう能力は常人よりはるかに劣りますの。……本当、残念ながら。」

アサミン「どちらかというとそういうのは私の方が得意ね。でも私も最近あの子達と知り合ったばかりで長いこと一緒にいるわけじゃないの。だからまだ、何処に行ったのかは把握できないわ。でも。」

フローライト「でも?」

アサミン「あの様子だと、多分当てもなく歩いていると思うわ。探しても無駄よ。」

フローライト「どうして、そう思ったんですか?」

アサミン「……どうして、その理由を貴方に話さなければいけないのかしらね?」

フローライト「……確かに、そうですね。」

アサミン「なんてね。こんな調子だったから、多分お互い、目的地がわからないと止まることもできない……そういう状態だと思うわよ。」

フローライト「……! そういう意味でしたか。なるほど。確かに探すのは難しそうだ。諦めて出直しますよ。」

さくや「まってくださるかしら?」

フローライト「? なんでしょうか?」

さくや「もし、2人に会うことがあったなら。……心配していたと、伝えてください。」

フローライト「わかりました。会ったら、伝えておきますよ。」

さくや「……まって。」

フローライト「またですか?」

さくや「わたくし達は、本当に初めて。でいいんですよね?」

フローライト「そのはずですよ。それでは。」


アサミン「……どう思う?」

さくや「……臭うわね……ふふ、今回はあの子達のことだし、特別よ? 少し出るわ。」

アサミン「一応、後輩を思っての行動とか取るのね。見直したわ。」

さくや「ゆづき先輩が気がついたその時に、あの2人がいないのはきっと、ゆづき先輩は嫌でしょうから。だから。ただそれだけよ。」

アサミン「そう、そういうことにしておいてあげるわ。」

ライカ「あ、あんた達、何の話をしているんだい……?」

アサミン(しかし最後のさくやの言葉は何? あいつ何か引っかかってるの? 一体何に?)


おまけ
なつき「ああ、今日もまた、カスミはあのエルフと密会ですか……そろそろこの光景も見飽きたですよ……」

なつき(しかし変ですねぇ……ローズもローズでこれを毎回見ているわけですから聞けばいいのに……一体、何が起きてるですか。)

なつき「あ、エルフのほうが珍しい動き……ありゃ、あっちはゆづき先輩の病室の方なのですよ。じゃあさくや先輩に任せるです。カスミのほうは……? なんで、カスミはまだ喫茶店でとどまっているのですか?」

なつき(そういえば回を追うごとにカスミが喫茶店に滞在する時間が長くなっている気がするですよ……何かの前触れじゃないといいですが。)


カスミ「……フローライトさん、とうとうミルク単体でおいていっちゃったよ……そんなにあたし、ミルクばっかり頼んでるかな……? あれ、何かある……これ、ミルクに混ぜて飲む奴? イチゴ味のだ! 一番好きな奴だ! あれ? でもあたしって自分が好きな味のこと、フローライトさんに話したっけ……? まあいいや。」

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