物語の序盤重大イベントが引き続き展開中の3更新分です。お楽しみください。
ローズ「あっ、カスミちゃんおはよう。」
カスミ「……おはよう。」
ローズ「……カスミちゃん?」
カスミ「何?」
ローズ「どうしてそんなに、不機嫌なの? 最近、ずっとそうだよね?」
カスミ「ローズちゃんには関係ないじゃん。」
ローズ「……待ってよ。何処に行くの?」
カスミ「別に何処でもいいじゃん。」
ローズ「……」
アサミン「さくや、あれ、どう思う?」
さくや「……多分、わたくしたちの失態。」
アサミン「そうね、目を離しすぎてたのが悪かったのかもね。」
カスミ「……なんで、着いてくるの?」
ローズ「……なんで、着いていっちゃダメなの?」
カスミ「じゃあローズちゃんは何で最近あたしの後つけてるのかな? ダメとかそういう話じゃないじゃん。普通おかしいって思うよね? 理由がないとさぁ?」
ローズ「それは、そうなんだけど、でも様子が」
カスミ「それこそついてくる、こないって話に関係ないじゃん。」
ローズ「心配するのが何が悪いの!?」
カスミ「あたしのことじゃん! ローズちゃんには関係ないよ! ついてくるなって言ってるの。わかんないのかなぁ?」
なつき「二人ともやめるですよ! おかしいですよ!」
アサミン(ねえ、あの2人、ここ着たときは仲良くなかった? いつの間にこんなに険悪になってんのよ。)
さくや(険悪、というよりカスミが一方的にローズを避けたがってるようにも見えるけど……ここ最近、わたくしも貴方に構ってばかりでろくにあちらを見ていなかったから……)
アサミン(あんた馬鹿!?)
さくや(気づかなかった貴方も同罪でしょう?)
なつき「ああ! もう! そっちもそっちで小声でバトルしないでくださいー!!」
ライカ「何だ騒がしい……アタシはもう少し寝てたいんだ、静かに……って、何が起きてるんだい、これは……」
なつき「ああ! ライカさん! 助けて欲しいのですよ、ダブルブリザード到来なのですよ!!」
ライカ「あっちの2人は元々だからいいとして、そっちの2人!」
ローズ「なんですか、ライカさん?」
カスミ「……何?」
ライカ「……何、ってアタシが聞きたいぐらいなんだけど? 何、どうしたの。何がどうしてそんなことになってるの。」
ローズ・カスミ「別に……」
ライカ「……?」
なつき「さっきからこんな調子で……どうしたらいいのかさっぱりなのですよ。」
ローズ(なんでカスミちゃんと馬鹿兄が一緒にいたの? 馬鹿兄はカスミちゃんとどういう関係なの? なんで、カスミちゃんは馬鹿兄とあったことすら話してくれないの? おかしい、何かおかしいよ……)
カスミ(平気な顔して……いつもの調子で……きっとあたしが何も知らないと思ってるんだ……どう思って話しかけてきてるんだろう……わからない、ローズちゃんの気持ち、全然、わからないよ……そうだ、フローライトさん……フローライトさんならもっと、詳しいことを教えてくれる……それで、きっとわかるはず……)
アサミン「とにかく。2人とも。ちょっと離れなさい。私達みたいに言い合うぐらいならほら、近くにいないとできないけど。お互い牽制するような状態で近くにいるのは……」
さくや「そもそも、どうしてお互いを牽制するような状態になっているのか。知りたいところね。」
アサミン「あんたはそうやってすぐに……こういうのはね、相手がきちんと話せる心理状況になったことを見計らってから聞くの。わかってないわね。」
さくや「ええ、わからないわね。そういうの、苦手ですの。だからわたくしは単刀直入に、聞くの。言いたくないというのなら、いえる状況にするまで。」
アサミン「そういうところが本当、合わないわよね、私達……!」
さくや「ええ、本当ね。わたくしもそう思うわ。もっとも、あわせる気もありませんが。」
なつき「だーかーら! やめてくださいです! ああ、もう!」
ライカ「はあ……とりあえず、そっちの2人。そっちの2人はもう帰りな。こんなピリピリした空気を病室に持ち込むな。で。さくや、アサミン。あんたらはゆづきの所へこい。ちょっと話さなくちゃならないことがある。」
なつき「なつきはダメですか?」
ライカ「別にいいが、どうせ話についてこれなくなるだけだぞ?」
ライカ(それに)
なつき「急に小声でなんです?」
ライカ(カスミのほうを、ちょっと注意してみてやってはくれないか?)
なつき(……ローズじゃなくて、カスミですか?)
ライカ(ああ。ちょっとね。アタシも頼まれごとしてんのさ。)
なつき(誰にも色々事情があるのですねぇ……了解ですよ。しっかりカスミを見ておくです。でも、見るだけでいいのです? 構った方がいいですか?)
ライカ(ああ、見ているだけでいいよ。それに、あの状態のカスミに、お前は構いにいく勇気があるのかい?)
なつき(あるですよ?)
ライカ(ククッ、お前面白いな……いや、今は見ているだけでいい。でも、場合によっちゃ、頼むよ?)
なつき(了解ですよ。なつきにお任せです!)
ライカ(ああ、頼りにしてる。)
なつき(では、2人の後をつけてくるですよ!)
ライカ「ああ、気をつけてな。」
ローズ「……カスミちゃん、何処へ行くの?」
カスミ「だからぁ……何でローズちゃんに何処へ行くか言わないといけないの?」
ローズ「……そうだね。うん、そうだね……」
カスミ「じゃあ、行くから。」
ローズ「……」
カスミ「何で、着いてこようとしてるの?」
ローズ「単に行き先が同じだけだよ?」
カスミ「……本当に?」
ローズ「……なんで、それをカスミちゃんに言わないといけないの?」
カスミ「……そうだね。」
なつき(あああああ!? なんですかこのブリザードは!? 魔法でもないブリザードがこんなに堪えるなんて思ってなかったですよ! まださくや先輩vsアサミン先輩の方が和やかですよ!? しかもこれ、無限ループできますよ? しないでください! お願いですからしないでください、流石のなつきも冷や冷やものです!)
カスミが若干前を歩き、すこし引いた所をローズが歩く。
それ以外ろくな会話もなくただひたすら歩き続ける2人。
その様子は回りから見ても相当変だったのだが当の2人はまったく気にしていない。
ローズ(……また、馬鹿兄と会う気なのかな。これで何度目だろう? どうして、なんで知り合いなのかな。一体どんな用件で、2人は会っているのかな……聞きたい、聞きたいけど……なんで、なんでだろう。聞けないよ……)
カスミ(なんでローズちゃんはあんなことしたのに平気であたしの前でこんな態度取れるんだろう。フローライトさんの言っていることのほうがやっぱり、正しい? だとしたらこの銃で撃たなければいけないのは……ローズちゃん? できない、できないよ……)
この日、2人は部屋に戻るまでの間、ただただ、ドラッケンを歩き続けた。
おまけ
~後日~
カスミ「……違う店だと思ったら、何で勝手に紅茶のストレートなんて選んじゃうのかなぁ?」
フローライト「……やっぱり、嫌? いいよ、嫌なら僕のコーヒーと交換しても。」
カスミ「いいよ……すいません! ミルクください! これと同じ分量で!」
フローライト「……また?」
カスミ「だってさ。あたし、レモンよりミルク派だし。あっ、店員さん! できればジョッキも!」
フローライト「また……? で、その分量にどれだけ砂糖を入れる気なの……?」
カスミ「え? 小さじ3杯ぐらいじゃない?」
フローライト「それは入れすぎだよ……かしてごらん、僕が入れてあげるから。」
カスミ「これぐらい自分でできるよっ! 子供じゃないんだから! ああっ! 勝手に入れないでよ!!」
ローズ(密会のたび思うんだけど。なんでカスミちゃん。あんなにミルクばかり頼んでるんだろう……?)
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