1更新分と短めですので加筆……したのかな?(何)
ローズ「えっと。あれと。これと……あ! これも持っていこっと! 久しぶりに戻ってみると案外使えそうなものがあるもんだね!」
一時帰宅中のローズ。やたら散らばった部屋を片付けながら旅に使えそうなものを拾っていく。
ローズ「こっちのロープに、こっちの時計に……あ! これもいいよね、折り紙! まさかこれが武器になるものだったなんてぜんぜん知らなかったもんな~」
ローズ(自分の部屋ってやっぱりいいよね。嫌な思い出も一杯あるけど。)
(コンコンッ)
ローズ(え? おかしいな。さくや先輩にはここに私の部屋があるなんていってないし……アサミン先輩につけられた? いやいや、あの先輩はそういうことはしないし。なつきちゃん? いや、2人のおもりで忙しいはず……誰だろう……?)
フローライト「酷いな、戻ってきているのに開けてもくれないなんて。」
ローズ「……! 馬鹿兄!?」
フローライト「……久しぶりだね。会いたかったよ。」
ローズ「私は会いたくなかったよ! 何勝手に入ってるの! 出てってよ!」
ローズは片付けたものを片っ端からフローライトに投げつける。
フローライト「こ、こら! 久しぶりの再会なのにこんな」
ローズ「なんで電話に出なかったと思ってるの!? 会いたくもないし声も聞きたくないの! 出てって!」
フローライト「……こ、こら。まったく……カスミちゃんといいローズといい……酷いな。」
ローズ「な、なんで、カスミ、ちゃん?」
フローライト「ああ、ようやくやめてくれたね?」
ローズ「何でカスミちゃんと知り合いなの!? 馬鹿兄! 答えて!」
フローライト「兄の名前ぐらいきちんと呼ぼうよ? カスミちゃんみたいにね?」
ローズ「『兄』扱いしてるのも嫌なぐらいなの! 馬鹿でも『兄』ってつけてあげてること感謝してよ! で、カスミちゃんと何? 何あったの!? どうして知って!?」
フローライト「……すぐにそうやって動揺する。よくないよ、ローズ。いつも訓練の時にいってやっただろ?」
ローズ「うるさいうるさい! 質問に答えてよ! それ以外聞きたくない!」
フローライト「聞きたいの? カスミちゃんとのこと? 聞かなかった方がよかったって思うかもよ?」
ローズ「何? 一体なんなの? どうして、何がどうなってるの! ねぇ! ねぇ!」
フローライト「く、苦しいよ。結構力がついたのかな……締めると話したくても話せなくなるよ?」
ローズ「手は離さないよ。けど話さないとこのまま締めるよ?」
フローライト「……相変わらず、怒ると怖いね。僕がいないところではあんなに明るいのにね……いや、振舞っているだけ、なのかな? ふふ、そういうところがいいんだけどね。」
ローズ「……ねえ、余計な事しか、話す気ないの?」
フローライト「ほ、本格的にこのまま締めるのかい……僕より、仕事、向いてるのにね、ローズは。いいよ、このまま、ローズがついで、くれるなら」
ローズ「……!」
フローライト「はは、やっぱりそういうと離す……わかりやすすぎるのは、どうなんだろうね?」
ローズ「出てって。何も話さなくてもいいからでてって。」
フローライト「……カスミちゃんのことだよ? いいのかい? 聞かなくて?」
ローズ「出てって!」
フローライト「はいはい……」
ローズ(どうして……どうして! あ、か、カスミちゃんが……カスミちゃんが、危ない……!)
部屋から出て行くローズ。その姿を影から見るフローライト。
フローライト「……まったく。戸締りもせずに出て行くなんて。本当、ローズはわかりやすいよ。ふふ……まったく、携帯をおいていくなんてダメじゃないか……」
その日、カスミと話す機会はあったものの、どこか上の空のカスミに、フローライトとの関係をローズは聞くことはできなかった。
おまけ
ローズ「私の部屋って本当、汚いなぁ……きちんと掃除しないとなぁ……」
ローズ(でも掃除しても戻ってくるのっていつだろう? 戻ってこないかもしれないのに、掃除する意味ってあるのかな?)
ローズ「……まあいっか。……ああ! これって私がなくしたと思ってた転移札だ! わーい、いいもの拾ったぞ~! ……って、元々私のなんだよね。……はぁ……」
彼女の作業は実は、なつき達と部屋割りを決めた後から、フローライトがやってくる夕刻近くまで、ずっと続いていたのだ。
それでも、この部屋は片付かない。
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