1日ですが2更新分。バレンタインデーネタはまったくなしです。
さくや「だから。何で貴方が部屋割りまで決めようとするのかしら?」
アサミン「あんたに任せるとろくなことにならないからでしょうが……!」
さくや「新参者がでしゃばり過ぎよ? 大人しくしたら?」
アサミン「あんたに牛耳らせるぐらいなら、でしゃばって叩かれる位なんてことないわ!」
なつき「……あのですね、一応、なつきがリーダーなのですが。その、きいてますですか? ああ、なんかゆづき先輩になった気分です……」
ローズ「……私も、この2人の会話に突っ込んでいく勇気はないなぁ……あれ? カスミちゃんは?」
なつき「カスミはドラッケン初めてだからといって、散歩に行ったですよ? 本当はなつきもいきたいんですが……」
さくや「やっぱりツイン2部屋にシングル1部屋よね。」
アサミン「何いってんの! こっちの3人部屋を1つとツイン1部屋!」
さくや「じゃあシングルを2部屋にその3人部屋……」
アサミン「だめ! あんたさりげなくシングルに誰か連れ込む気でしょう!? だめ、3人部屋を1つとツイン1部屋! これは譲れない!」
さくや「……いちいち、わたくしのやることにけちをつけないでくれないかしら? いいわ、5人部屋1つ……」
アサミン「それだと今度はローズが眠れないでしょうが!」
さくや「あら、騒ぐ気満々? 貴方が黙っていればいいだけの話じゃない?」
アサミン「さっきもいったけど、あんたがいるところで黙っているのだけは絶対嫌!」
さくや「……どうして、わたくしが。あなたと。同室になることが確定しているのかしら?」
アサミン「あんたは監視がいないと危ないからに決まってるでしょう!?」
なつき「これ、放っておいていいのですか? という疑問がですね……」
ローズ「……うん、放っておきたいけど放っておけないもんね……何やりだすかわからないから……」
カスミ「……みんな結構いい加減だなぁ……ゆづき先輩があんなになったのにいつもの調子で……あ、ゆづき先輩が無事だったから浮かれちゃってるって可能性もあるかぁ……」
カスミ(でも本当、無事でよかったよね、先輩。あたし何もできなかったけれど。)
カスミ「あたし本当、役立たずだなぁ……ローズちゃんですら砂漠越えとか、ここに来るときとか……」
カスミ(そういえばなんでローズちゃんってここ出身なのを隠してたのかな? それに最近やたら色々やってるし……友達、だよね、あたしたち。でもローズちゃんのこと、あたしって知らなさ過ぎるよね……どうして、ローズちゃんも隠すんだろう……)
カスミ「あれ? また行き止まり? やだなぁ、あたし。本当方向音痴だ。みんなの所まで戻れるかな……?」
??????「さっきからぶらぶらと何をしているんですか?」
カスミ「え? あ、ちょっと道に……!」
カスミは声をかけてきたその男の顔を見ると即座に「あの銃」を抜く。
カスミ「あ、貴方は……! 何でここにいるの!? フローライト!」
フローライト「やれやれ。やっぱりずっと勘違いされたまま、か。」
カスミ「勘違い? 何言ってるの? お父さんをそそのかして、お母さんをあんなにしたのは貴方じゃない! 絶対、貴方の顔だけは忘れないよ、あたし!」
フローライト「だから。それが勘違いなんだって言っているだろう?」
カスミ「……信じない。」
フローライト「信じない、かぁ……じゃあ、誰なら信じてくれるのかな?」
カスミ「……ショーゴ。」
フローライト「ああ、お兄さんか。あの、血の繋がってない、ね。」
カスミ「血の繋がりなんてどうでもいいの!」
フローライト「他にはいないの? カスミちゃんって、結構寂しいね。」
カスミ「他にもいるよ! ……ローズちゃんとか。」
フローライト「ローズ? ふーん。ローズね。」
カスミ「! なんで、ローズちゃんのこと知ってるそぶりを見せるの!」
フローライト「怖い怖い……そんな銃突きつけられて、答えないわけには行かないじゃないか。ローズのことは知っているよ? だって、僕の妹だもの、ね?」
カスミ「……え?」
フローライト「ふふ、隙有り。」
カスミ「あ!」
カスミがフローライトの意外な返答に気を取られたその瞬間、
フローライトはカスミの銃を取り上げた。
カスミ「か、返してよ! それは大事な……!」
フローライト「母親の、形見だもんね?」
カスミ「わかってるなら返して!」
フローライト「嫌だよ。だってこんなもの突きつけられたらお話できないじゃないか。」
カスミ「あたし、貴方と話す事なんてない! 返して! 返してよ!」
フローライト「じゃあ、僕の話、きちんと聞いてくれたら返してあげる。」
カスミ「そんな手に乗るわけ……」
ライカ「そこ、何やってるんだ!」
カスミ「あ、ライカさん!」
フローライト「おやおや、見張られていたのかな?」
ライカ「……フローライト、女の子に何してるんだ?」
フローライト「むしろ僕がされかけていたんですがね。」
ライカ「嘘はやめな。」
カスミ「あ、そ、その……確かに、あたしもちょっとやっちゃったのは確か、なんです。」
ライカ「……そんなやつ、庇わなくていい。特に、今は、だ。」
カスミ「でも! 嘘ついてるみたいで嫌だったから!」
フローライト「カスミちゃんは素直な子だね……しょうがない、僕はそろそろ行くかな。」
カスミ「あ! あたしの銃!」
フローライトはカスミから離れるとすれ違うようにしてライカがカスミに声をかける。
フローライト「話を聞いてくれるなら、返してあげるからね?」
カスミ「……!」
ライカ「大丈夫だったかい? あいつはすぐに人にちょっかいかけるから。」
カスミ「……」
ライカ「? どうしたんだい?」
カスミはライカの言葉には耳を貸さず、ただフローライトを見つめていた。
おまけ
さくや「結局。貴方となつきとわたくし?」
アサミン「当然でしょうが。」
なつき「そうですね。この組み合わせが一番安全です! カスミとローズはそれぞれ1部屋ずつ。神経質のローズでも寝れる設計です! お2人の意見を組み合わせた結果なのですから文句いっちゃ嫌ですよ?」
さくや「……まあいいわ。」
アサミン「そうね。黙って寝なさいよ。きちんと見張っててあげるんだから。」
さくや「そういえばセレスティアは睡眠の構造が違うらしいわね。……そう。見張ってるの。どうぞ、ご勝手に。」
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